見出し画像

自分でやるほうが早い、属人化からの脱却

今抱えている業務。誰かに任せるより自分でやったほうが早い、と思っている方は多いのではないでしょうか。

今回は、業務の属人化から脱却し、業務を任せる方向へ移行していくための考え方について書いてみたいと思います。




1. 任せるとは何か、を理解する

自分でやってしまおうという考えには、どのような意味があるのでしょうか。おそらく、任せる工数(任せる準備/ディレクション)より、自分で完結までやり切る工数のほうが、労力と時間を抑えることができるという意味でしょう。

まず「任せる」というプロセスを知ることが必要です。

2〜5のプロセスに加え、最終納品データ作成や担当者とのコミュニケーション等、それら全てを任せます。任せる際は、2の「内容を理解する」という出発点から任せてみましょう。仲間を信頼し頼ります。

全プロセスを1人で抱え込もうとしていた、と考えると恐ろしい気もしますね。同時に、プロセスを可視化したことでフレームワークとして活用できるイメージも湧いてきます。プロセスを可視化することで、再現性を高めていきます。


2. 長期的に乗り越える未来を描く

再現できるということは、自分以外の誰でも遂行可能という意味です。それは認めたくない事実かもしれません。自分という存在は「代替え不可能な存在」「稀有な存在」だと誰もが思いたいものです。

長期的に考えてみましょう。視座を上げ自分が所属する組織を見渡してください。今後降りかかってくる業務の山をこの先もずっと1人で抱え込み残業を続ける。そのような未来を受け入れることができるでしょうか。

全てではないにしても、プロセスのどの部分を任せるか、どの部分を自分でやろうとしているのかをまず認知します。今もこの先も、1人で同時遂行できる業務量は限られています。なぜなら、時間は有限だからです。


3. 成長期間も含めた移行プロジェクト

これを、組織の成長期間を見据えた長期プロジェクトとして捉えます。任せることで「別の問題」が発生することも確かです。ですが、 個々の自己重要感を引き上げながら理想の状態に近づいていくことを想定しています。「別の問題」の発生を許容できるかがマネジメントに問われます。

今まで培ってきたプロセスを紐解きながら共有することによって、仲間を正しく導いていきます。相手に投げかける言葉の重みを意識し、共に考え悩み伴走していきます。


4. 個人は属人化を望み、組織は仕組み化を望む

自分にしかできない仕事をやっている、と思いたいですよね。ただ本人は属人化が問題だとも自覚している。問題だと理解しつつも、どこか「心地良さ」のようなものも感じているのではないでしょうか。私がそうでした。

しかし、組織はそれを良しとしません。属人的な状態を排除し、誰もが同じ成果を生み出せる仕組みを構築していくよう促していきます。

それは、個性を画一化しオペレーション業務を増やすこと、でしょうか。見方によっては、難しいことを簡単にすることで、面白いことをつまらなくしているようにも見えます。業務は効率化し最適化しますが、 個々が思考し悩む時間は減少します。


5. 育てることで育てられている

であれば「属人化したままで良いではないか」と感じる方もいるでしょう。その気持ちも理解できます。しかし、任せていくことで成長できる部分も十分にある、と考えています。

これまで蓄積してきた成功体験を分解し、プロセスを可視化・仕組み化し、仲間を頼って業務を任せていってほしいと考えています。私やあなたの成功体験が、一人の力では得られなかった大きな成功体験に変化するでしょう。

人を育てることで自分が成長しています。子どもを育てているつもりが、親が学びを得ている。個人の成長に真剣に向き合っていくことで、組織か個人かの視座レベルを行き来することを可能にします。


まとめ

短期的には自分でやるほうが早く、正解でしょう。しかし長期的に持続する組織形成のためには、業務を分配し、仕組み化によって「強み」を全体へ溶け込ませる必要があります。自分でやることは一時的な解決にすぎないのです。

それでも優秀な方は、任せることによって相手の時間と労力を奪うくらいなら、自分で完結しようと努力を続けるかもしれません。

しかし、その優しさは本当の優しさなのでしょうか。いや逆に、任せることは優しさでしょうか。干渉しないことは、判断を委ねることは、優しさなのか。今も私は悩み考え続けています。

あらゆる特徴は表裏を有しています。優しさはときに恐ろしい。その優しさは何を意味しているのか。これからも自分の答えを探索します。自分の頭で考え抜き行動し、着地点を探し進み続けます。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?