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心が動く奇跡を、笑顔から逆算する

昨晩、デザイナートークイベント「コミュニケーションデザイナーの現在地」に登壇しました。我々デザイナーは、今後何を軸とし活動していくべきなのか。LT内容をレポートします。





1. 事業を理解すること

まずタイトルの「事業を理解し伝え方をデザインする」を分解し、1の「事業を理解する」ことから考えていきます。

それは換言すると、ビジネスモデルを理解することです。自社がどのように収益化を実現しているのか。利益を上げるためには、どの数字に着目すべきなのか。知る必要があります。

我々タイミーの事業はツーサイドプラットフォームです。ワーカーと企業、双方に対して価値を提供するべく、ユーザーを増やしていきます。

しかし、ユーザーが増えるだけでは収益化に至りません。我々のビジネスモデルは完全成果報酬型であり、働き手が集まった実績に「手数料」が発生します。それを企業様にお支払いいただきます。

よって「使ってもらう」ことが最も重要です。募集人数を増やすこと、稼働率を上げること(赤枠部分)が、目標となります。

「使ってもらう」ことを実現するため、デザイナーはマーケターと連携し、プロダクトの魅力を伝えるための適切なメッセージを、適切なデザインにて訴求していきます。それがアウター施策のひとつです。


一方、社内向けに発信する際にもデザインの力が必要となります。ひとつは、全社員に「経営戦略を伝えること」です。

公開できないため加工しています

経営戦略の可視化にも勿論「事業理解」が前提となります。また、決算書に目を通しておくなど、自社の経営状態を把握していることが、デザイン制作における軸を構築していきます。

これらはあらゆるデザインを生み出す基盤となります。事業を理解できていなければ、アプローチ手法・訴求文章・ビジュアル・コンセプトなどの軸が定まらず、表現に迷うことになるでしょう。


2. 伝え方をデザインする

次に、2の「伝え方をデザインする」についてです。

私は日々の業務において「企業」に関することを「自分」に落とし込み、類推する手法を用いています。今回も同様に、日々の業務 → 普段の自分に置き換えます。

業務:企業の魅力を顧客に伝える
普段:自分の気持ちを相手に伝える

普段私たちは「ありがとう」という言葉を、どのような人にどうやって伝えているでしょうか。課題から考えます。

まず、ありがとう(日頃の感謝)をなぜ伝えようと思ったのか。現状の課題や背景を探索します。

次に、伝える相手はそもそもどのような人物なのか。特徴(ペルソナ像)を詳しく考えます。身近な人であれば考えるまでもなく認知できていますが、業務上はインタビューやアンケートなどによって言語化します。

そして、その相手にどうやって伝えるか。場所や時間帯を選定したり、表情や声色(Tone of Voice)を設計することもコミュニケーションデザインです。また、手紙などを添えて渡すとより気持ちが伝わるかもしれません。

このようなコンテクストを理解した上で、適切にデザイン表現をすることが求められると思います。

時には「手紙をつくりたい」という部分的に切り取られた依頼が届くこともあります。その手紙は、どのような人に、どのような手段で渡そうとしているのか。思考プロセスを巻き戻し、伴走する必要があるでしょう。


まとめ

私が入社して1年半の間、デザインにおける「社内への提供価値」は十分に示せたと感じています。良いものを早くつくるクリエイティブ集団です。

ここからさらに進化するためには「既存顧客の課題」を自ら解決しにいく必要があると感じます。なぜなら我々のビジネスモデルが「使ってもらうこと」に重心があるためです。

社内を飛び越え、顧客が今この瞬間に考える「顕在化していない悩み」を解決しに行く。どの顧客にも当てはまる課題ではなく、目の前の人が笑顔になる方法を探索し逆算する。

数字ではなく、笑顔を目標にする。我々にしかできない「心が動いた奇跡」を積み上げていきます。




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