見出し画像

幽霊を信じない怪談好きの話

僕は怪談が好きです。
ホラー映画や映像は苦手です。

例えるなら
映画映像は
「水がいっぱいの水槽に大きな石を投げ入れて水がこぼれる感じ」

怪談は
「じわじわ恐怖の水位が上がっていって「もう無理」と水があふれる感じ」

怪談が好きとは言っても
「幽霊、心霊を100%信じている訳では無い」というのが我ながらややこしい性格です。


怪談の魅力は「曖昧さ」です。
例えばある人が恐怖体験をしたとします。
でもその体験を事実だとする証拠もないですし、
逆に本人が「勘違いだ」と思えば体験そのものが他人に語られることもない。

更に他人の話。
「〇〇から聞いた話」になってくると
どんなに注意しても第三者の主観や無意識の思い込みが入ってきます。

怪談はどこまでも「主観の話芸」なのです。
その話が「嘘か?本当か?」も
幽霊が「いるか?いないか?」も
伏線なんか回収しなくてもどうでもいい。
逆に回収してしまうと一気に作り物ぽく聞こえてしまうのは僕だけでしょうか?


怪談はどこまでも曖昧で
それゆえに人によって感じ方、捉え方が千差万別で「事実かどうか」の証明もできない。
証明ができないから否定も肯定も出来ない。

どうも「白か黒か」で分けたくなる時代です。
「違う意見」や「曖昧さ」を許容できない。

怪談は「そんなのどうでもいいじゃん」と全てを許容する数少ない「芸能」だと僕は思うのです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?