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演習"Forestry in Germany":木材コンビナートの見学

SUFONAMAの2学期目、ゲッティンゲン大学における夏学期に行われる必修講義の一つが、Forestry in Germany と題された演習。これは、ゲッティンゲン大学森林科学・森林生態学部(Faculty of forest sciences and forest ecology)に所属する各研究室が共同して提供するというユニークな科目で、外国人学生向けに特別に設計されたものである、という説明を最初の講義で受けた。これからほぼ毎週、金曜日には演習ということで学外に出ることになる。

先週金曜日の第一回目の演習は、木材加工研究室の企画による製材、合板、集成材などの製造を行う木材コンビナートの見学ツアー。ゲッティンゲン大学を8時30分過ぎに出発し、2時間ほど車で走ったところにあるGlunz AG社のNettgau工場へ。Glunz AG社は複数の木材コンビナートを経営しているが、その上に親会社としてポルトガルのSONAE INDUSTRIA社が存在している。SONAE社は工場での説明によると世界でも有数の木材加工グループなんだそう。

写真撮影はNGだったのだけど、動画をネット上で見つけたのでこちらをどうぞ。

ちなみに写真撮影NGの理由は2つあって、1つは機密保持、もう1つは工場内のラインが炎を感じると自動的にストップするしくみになっていて、フラッシュがたかれることによってその機能が誤って作動する恐れがあるからだとか。過去に一度、見学者がうっかりフラッシュをたいて、緊急停止してしまったことが実際あるらしい。そして重要な点は、ドイツの林業や木材関連企業において安全確保がとても重要視されている点。日本でも輸送機器製造工場ならば安全の徹底は当たり前なのだが、特に林業の世界では必ずしもそうではないらしいので、この点を書き加えておく。

一言でいうと規模の大きさに驚いた。パネル製造はスケールメリットが出やすいということなのだろうけど、製造ラインが1kmぐらいはありそうな長さ(あくまで感覚ですが)。工場手前の駐車場からは全体を見渡せないぐらいに広い。この工場は24時間365日3交代制でフル操業するのだそう。従業員は300名。ただし生産ラインをコントロールする指令室に常駐するのは3名で、他の多くは電気とメカのエンジニアでラインの修繕が主な仕事なのだそうだ。見学していて感じたのは、ほとんど従業員を見かけないということ。当日、聞き取った内容では、1日トラック200台分の木材が納入され、3000㎥の木材ボードに加工され、出荷となるそうだ。なお、原材料の木材はドイツ国内からのものがほとんどなのだそうだ。


オリジナル記事公開日:2012年5月5日


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