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まちづくりの道のりと時間

先日、母校で「まちづくりをしたい、という学生が増えている」という話を聞いた。数年前から別の方(先生)からも同じような話を聞いていたし、都市デザインワークスにインターンに来る学生達からも同じような事を聞いていた。
良い事だと思うし、個人的にも嬉しい。

「まちづくり」と一口に言っても、立ち位置や関わり方、手法・アプローチ、課題解決やニーズの濃淡など様々。
私自身、漠然と「まちづくりに関わりたい」と思った学生の頃から20年くらい、なんとかその一端に関わり(しがみつくとも言う。笑)ながらやってこれた。
震災と復興まちづくりという、ある意味不可避で重要なテーマの現場にも携わる事ができた。
(減災など取り組みをもってしても、自然災害自体は不可避という意味だ。)

サポート役の立場でも、当事者(地元日光)の立場としても現場に携わった。
まだまだ修行の身だけど、そうした「現場」から見えてきたのは、結構辛抱が必要なものだ、ということ。
すぐに結果は出ないし、目的や課題が確かで大きいほど、遠回りになる。

特に人とコミュニケーションが重要であることは当然なのだが、信頼関係を築き、また、新たな関係性を構築していく事は、当然一定の時間を要する。
これらは、個人の能力や技術力ではカバーできないことが多いのだ。(部分的には可能かもしれないが)

では、狭いエリアや界隈くらいではどうか。人に関わる時間、つまり信頼関係を築く時間は、その範囲や数とほぼ無関係なので結局同じことだ。

まちづくりが遠く辛いもののような書き方をした。
しかし、遠回りになるほど、積み上げたものは強固で確かなものとなる。
スピード感は大切。とっととやる。
そういう姿勢や態度も「ある時点では」必要だ。しかし、全体をそういうものが覆う必要は決してない。

最近は少し落ち着いたようにも思うが、昨今はインスタントなものへの評価が著しく高まり、正直、首を傾げる事が多かった。

さて、最初に言いたかった事は何か。
学生が地域に出るプロジェクトも増えつつある今、評価を見誤らないで欲しいということ。
複雑化する社会の中で、その位置を謙虚に捉えられる指導と、インスタントなものに、決して過大な評価を与えてはいけないということ。

1日にして成らず。ということだ。

怖るるなかれ。
遠く長い道のりの中に、喜びや楽しみはいくらでもあるものだ。

#まちづくり #都市計画 #環境デザイン #プランニング

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