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ファッションモデル楽屋の覚醒

ファッションモデル達の楽屋が覚醒というか、ブーストした。

前まで狭いところでひしめき合って着替えていたのに、向こうが霞むほど急に空間がブーストして、端っこも霞んで見えなくなった。

これで取り巻きも連れて来放題になったし、
わざわざお互いに気を遣あってくっついて準備しなくてもよくなった。

そうなれば、キャンプ場貸し切りの様な気分で、わざわざ広大なスペースを求めて、
ファッションモデル達は楽屋の方々に散って行った。

客の温かさは異常だった。
ファッションモデルが出て来ていないのに、
客達はすでに発狂していた。

ファッションモデルが楽屋から舞台に臭い靴下を投げただけでも歓声が上がり、喜びで何人かは失神して、同じ商品は瞬く間に市場から消え去った。

こんな状態で本人達が舞台に上がったらどうなるのだろう。

ファッションモデル達は楽屋の方々に散って行ったが、あまりに広くて、舞台の方まで帰れなくなっていった。

そんな時に頼りになるのは、野生のファッションモデルだ。

野生のファッションモデルは、いつぞやのイベントの時に楽屋内で行方不明になり、発見されないまま飢えを凌いでいるうちに野生化したのだ。

今では体毛も生え放題で、完全に野生化しているが体型だけは八頭身だった。
DNAとは皮肉なものだ。

野生のファッションモデルは楽屋の果てにいる仙人から、デカい鼻を配られている。

それさえあれば、匂いを嗅いで、ステージの方に戻れる可能性は上がった。

運の悪いファッションモデルはステージに戻れずに、自然選択によって前例の様に野生化した。

戻れたファッションモデルは、
現実では味わえないほどの安堵感、喜び、感謝の気持ちが込み上がってきた。
ステージに出るには最高の気持ちだ。

そして煌びやかな衣装に身を包んで、ステージに行く。

ランウェイを歩いていくが、
歓声のボルテージの感情がもはや凶器化して、ランウェイの向こうまでは誰も辿りつけなかった。

客の興奮と喜びは、鼓膜で大渋滞すると、全身の毛穴から無理矢理入ってきて、ファッションモデルの内部を全て振動させて、ファッションモデルは気を失った。

それは白い世界だった。

気絶する瞬間の白い世界。

それに変わる快楽はなかった。

そして、入院後、出番のないファッションモデル達は中毒になって、楽屋に集まった。


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