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ふぁいなんしゃるいんでぃぺんでんすりたいああーりー

おっさんが通勤中にピカピカのバイクのアクセルを握っていた。


気のせいだと思っていたけれど、

アクセルを握っている間、身体の芯でムズムズする快楽があった。


このアクセルを全開にすれば、この快楽は爆発するという身体との繋がりを直感的におっさんは感じていた。


チャンスは一回きりだった。


都会には珍しい、

ながーーーーーーーい信号無き、

人通り少なき道があった。


そこでしかアクセルを全開にするチャンスはなかった。


おっさんはその道に出ると、

選択を迫られた。


最近は仕事もうまくいっていない。

守るべき存在もありプレッシャーのストレスも胃を痛ませ、髪は白み始めた。

唯一のストレス解消はストロング缶に課金ゲームだけだった。


一体何がどうしてこうなった?


どうして?

オレは?


おっさんは握ったハンドルを千切らんばかりに、アクセルを全開にした。


するとスピードと比例して、凄まじい快楽がおっさんの身体の芯から爆発した。


おっさんは全身の毛穴からホルモンというホルモンをぶち出して、5年ぐらい行方不明になれた。


なれた。

というのは、


一時的に、

この世界から、5年間忘れられて、世界を客観的に無責任に眺められるという権利を与えられた。


与えられたというのは、

どの機関からはわからないが、

この世に存在のしていない機関だった。

詰めすぎると、詰められそうだったので、

好奇心はあったが、詰めなかった。


おっさんは

しばらくダラダラした、

この世人間にはおっさんは見えなかった。

何か、猫になった気分だ。


家族もおっさんがいないていで回って。

おっさんがいない事に家族も会社も疑問をもたないかった。


おっさんと同じ立場の他のおっさんは街に実はたくさんいて、みんなダラダラしていて仲良くなった。


間違ってこのダラダラ世界に来た、向上心あるモノは、成長機会の損失に狂って廃人になりそうになった。


おっさんは全てかた自由になって、

本当に居心地が良かった。


もう世界に戻りたいとは思えなくなった。

おっさんはあの凄まじい快楽をくれるバイクをダラダラしながらも探し回った。


5年の任期が終われば、またあのバイクで走って、快楽を爆発させて

こっちに来ようと思った。


おっさんは自分はいた現実世界を見ると、みんなゾンビのように見えた。


死にそうな体を床から起こして、食いたくない粗悪なモノを口から入れれば、午後にはケツの穴から出した。


そんなゾンビの中にも稀に感度の高いモノがいて、おっさんを認識すると、おっさんはバイクを与えた。


そしてこっちの世界に何人かを連れてきた。


おっさんはこっちの世界にゾンビを連れてくる代表格になっていった。


大量のバイクを収納する倉庫も抱えた。


現実世界から、ゾンビを0にしよう。


それがおっさんの最近の唯一の向上心だ。

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