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【2標本回帰モデル🌟】"構造変化"の特定に必須なチョウ検定のアプローチ:計量経済学✨No.24

Introduction:計量経済学への挑戦🔥

経済学部に通う私も
いよいよ大学「学部」最終年になり
学問に全力を注ぐ時間も限られてきました👍

「知は力なり」という言葉を信じて
残りの大学生生活を満喫したいと思います

学部レベルのマクロ経済学は
個人的によく理解できたつもりです

しかしながら、本当の経済の動向を理解するには、学部レベルの知識ではお話になりません😥
また、正しい計量経済学の知識やデータ分析のリテラシーを会得しなければなりません💦
現実の経済データを、理論モデルと当てはめ
正しい計量手法によって実証分析できる力を醸成したら
きっと将来どこかで活躍できる人財になれる可能性を高めることに繋がると思います

実際の経済動向や政治と結びつけながら
応用できる能力がなければ
知識を持つ意義も小さくなってしまいます💦

何事もアウトプット前提のインプットが
大事であると、noteで毎日発信してきました

これは、どのような内容で
あっても当てはまります👍

先行研究の論文を一概に読んでも
記憶に残っていなかったり
大切な観点を忘れてしまっていたりしたら
学習の進捗は滞ってしまうと思います

だからこそ、この「note」をフル活用して
自分の知識を1%でも、定着させ
誰にでもわかりやすい解説をアウトプットできるように努めていきたいと思います

私がこれからアウトプットする
計量経済学において最重要なパートである
時系列分析のモデル理論解説を
どうぞ最後まで、ご愛読ください📖
本投稿作成における参考文献は以下の通りです

なぜ、計量経済学を学ぶのか??

計量経済学が時系列解析法を「理論なき計測」として退けるところからスタートしたことでよく知られているのです

1930年に創立された計量経済学会の規約第1条では、計量経済学は「理論的数量的アプローチと経験数量的アプローチの統一」と定義されていました📝

また、R・フリッシュによる『エコノメトリカ』創刊の辞では、「統計学、経済学、数学の三者の統合」と定義されているのです👍

このような定義においては、当時のハーバード景気予測に代表される時系列解析法への批判が強く意識されていたとされています

すなわち、それが29年の大恐慌の予測に失敗したのは,経済理論を無視し、 時系列データの形式的な解析のみに終始したからであったということです

今後はそうした「理論なき計測」の立場を退け、「理論に基づく計測」を重視していかなければならない、という見解の重要性が増しています
このような歴史を経て、計量経済学はスタートをきったのでした


そして、何よりマクロ経済変数は
その多くが互いに影響を及ぼし合う相互依存の関係にあり、また過去の変化の影響が持続するという傾向を持ちます

これらの動向を分析したり、将来を予測したりできるようになるためには、計量経済学、ひいては「時系列分析」に対する理論や正しい実証手法への理解が必要不可欠となります

「計量経済学」シリーズの投稿では、こうしたマクロ時系列変数の実証分析に必要な計量理論と手法を習得することを目的とします

これから私がアウトプットする
時系列マクロ経済分析に関する内容について
どうぞ最後までご愛読くださいね💖

前回のお復習い✨

構造変化の検定🌟

今回の投稿では、マクロ経済学の時系列分析において必要不可欠な知識である「構造変化:stractural change」について解説したいと思います

オイル・ショックやバブル崩壊など大きなショックにより、ある時点を境に時系列(確率過程)の特性が大きく変化する場合が存在します

このような事象に対して、正しいデータ分析を行うためには「構造変化に対する検定」を実施するための計量経済学的アプローチを会得することが大切になります👍

構造変化ダミー✨

まずは、回帰式のなかに「構造変化ダミー」を導入します👍
確率過程 {Yt} の平均が時点Tで変化する場合は、以下のような場合になることを確認します

$$
\\
The  Structural  Change\\     \\E(Y_t)= \begin{cases}
\mu_0 &\text{for }  t < T \\
\mu_1 &\text{for  }t \ge T
\end{cases}
$$

改めて、マクロ経済学の時系列分析における構造変化の定義を確認します

構造変化とは、時系列(確率過程)の特性の予期せぬ変化のことになります

ここで、時点Tの構造変化ダミー(Dt)は以下のように定義されます

$$
\\Dummy  Variables (\equiv D_t) \\ fot  the  Structural  Change\\     \\D_t\coloneqq \begin{cases}
0 &\text{for }  t < T \\
1 &\text{for  }t \ge T
\end{cases}
$$

また上記のような構造変化ダミーを用いることが、時点Tより前のデータの平均値、ならびに時点T前後の平均値(μ)の差は、OLSで推定することができます🌟

$$
E(Y_t)=(1-D_t)\mu_0+D_t\mu_1\\                   =\mu_0+(\mu_1-\mu_0)D_t\\        \\applying  OLS  estmation\\\to(\mu_0,\mu_1-\mu_0)
$$

構図変化に対する回帰モデル🔥

Xtを説明変数、Ytを被説明変数とし、YtのXt上への単回帰モデルを考えることにします

ここで、時点Tで係数が変化する場合は、以下のような定式化が可能になります

$$
\\Simple  Regression\\   \\E(Y_t|X_t)= \begin{cases}
\alpha_0+\beta_0X_t &\text{for }  t < T \\
\alpha_0+\beta_1X_t &\text{for  }t \ge T
\end{cases}
$$

このようなモデルに、構造変化ダミーを用いるとどのようになるのでしょうか?👏

$$
\\Structual   Change  with  Dummy  Variables \\   \\
E(Y_t|X_t)=\alpha_0+(\alpha_1-\alpha_0)D_t+[\beta_0+(\beta_1-\beta_0)D_t]X_t\\      \\                              =\alpha_0+(\alpha_1-\alpha_0)D_t+\beta_0X_t+(\beta_1-\beta_0)D_tX_t
$$

すなわち、構図変化ダミー(Dt)、説明変数(Xt)、とこれらの交差項(Dt×Xt)の3つが、このモデルにおける説明変数となります

そして、構造変化前後の係数を推定できるというアプローチになります👍

また各係数の構造変化の有無に対する t 検定や F 検定(チョウ検定)も可能ですので、これらの検定について引き続きアウトプットしたいと思います🔥

チョウ検定:Chow Test

今回の投稿では、上記において解説した「構造変化」の検定に関する計量経済学のアプローチをアウトプットしたいと思います

Chow 検定では、分割データセットの回帰係数が異なるかどうかがわかります🌟
基本的に、1つの回帰直線または2つの別個の回帰直線がデータの分割セットに最もよく適合するかどうかをテストすることになります

チョウ検定を実施するには、回帰係数のF検定など統計学の基礎知識が必要になります
以下のリンクをご参考にご興味があれば、ぜひ学習してみてください

2標本問題について

大きさnの(1 + k) 変量データ(y, X)を大きさn1の(y1, X1)と大きさn2の(y2, X2)に分割し、それぞれについて以下の古典的正規線形回帰モデルを仮定していることにします

$$
2  Sample  Problem\\     \\\bm{y_1|X} \backsim N(\bm{X_1\beta_1},\sigma_1^2 \bm{I_{n1}})\\\bm{y_2|X} \backsim N(\bm{X_2\beta_2},\sigma_2^2 \bm{I_{n2}})\\      \\\therefore \sigma_1^2=\sigma_2^2=\sigma^2\\        \\\bm{y|X} \backsim N(\bm{X_*\beta},\sigma^2 \bm{I_{n}})    \\       \\\bm{X_*}\coloneqq\begin{bmatrix}
\bm{X_1} & \bm{O} \\
\bm{O} & \bm{X_2}
\end{bmatrix} ,    \bm{\beta}\coloneqq\dbinom{\bm\beta_1}{\bm{\beta_2}}
$$

ただし、各標本での分散は、共通であるとします📝
そして、ベクトルX、βは上記で定式化している通りです

$$
\\Hypothesis    Testing \\    \\H_0:\beta_1=\beta_2    vs      H_1:\beta_1\not=\beta_2\\       \\     \\\bm{R}\coloneqq[\bm{I_k},-\bm{I_k}],\bm{c}\coloneqq \bm{0}\\     \\H_0:\bm{R\beta=c}   vs   H_1:\bm{R\beta\not=c}
$$

F検定の手順✨

βのOLS推定量をb、残差ベクトルを e := y−X*b とします
すると、σ^2の不偏推定量は以下のようになります

$$
\\F  test\\
Unbiased  Estimator  of  \sigma^2\\     \\
s^2\coloneqq {\large\frac{\bm{e'e}}{n-2k}}
$$

したがって、F検定統計量は以下のようになります

$$
\\F  Statistics\\    \\F \coloneqq{\frac{(\bm{Rb-c})'[s^2\bm{R(X_*'X)^{-1}R']^{-1}}(\bm{Rb-c})}{{k}}}\\     \\    \\       ={ \frac{(\bm{b_1-b_2})'[(\bm{X_1'X_1})^{-1}+\bm{(X_2'X_2)^{-1}]^{-1}}(\bm{b_1-b_2}/k)}{{s^2}}}
$$

ここで帰無仮説H0に対して、以下の定理が成り立ちます

$$
\\Theorem\\   \\F|\bm{X}\backsim F(k,n-2k)\\    \\if  min\{n_1,n_2\} < k \\\Rightarrow \bm{b}   can't   be  calculated.
$$

もし、各標本のサンプルサイズのどちらかがkよりも小さい場合には、を計算することができません
ただし、別の方法は存在します📝

チョウ検定🌟

チョウ検定:Chow Test とは、2標本の2つの回帰モデルの係数ベクトルの差のF検定のことになります

$$
\\Chow  Test\\
H_0:\beta_1=\beta_2  /  H_1:\beta_1\not=\beta_2\\     \\\bm{y|X} \backsim N(\bm{X\beta_1},\sigma^2\bm{I}_n)
$$

ここで帰無仮説(H0)のもとでのβ1の推定量をb1*とすると

$$
\\under,H_0:\beta_1=\beta_2\\   \\
OLS  Estimator:\bm{b}_{1*}=(\bm{X'X})^{-1}\bm{X'y}\\       \\Residual  Vector:\bm{e_*}\coloneqq\bm{y-Xb_{1*}}\\    \\given  the  constraint  of  H_0\\\to\bm{e_*'e_*} \ge \bm{e'e}
$$

ここで、チョウ検定統計量を定義しておくことにします

$$
\\Chow  Statistics   for  F  test\\     \\F\coloneqq {\large \frac{(\bm{e_*'e_*} - \bm{e'e})/k} {\bm{e'e}/(n-2k)    }}
$$

すると、帰無仮説(H0)のもとで、以下の定理が成立します

$$
F \backsim F(k,n-2k)\\      \\divided  by   \sigma^2 \\    \\F\coloneqq {\large \frac{[(\bm{e_*'e_*} - \bm{e'e})/\sigma^2]/k} {(\bm{e'e}/\sigma^2)/(n-2k)    }}\\   \\   \\given  H_0, \\  \\\to{ \frac{\bm{e_*'e_*}}{\sigma^2}}|\bm{X} \backsim χ^2(n-k)\\       \\under  H_0  \And  H_1,\\    \\\to{\frac{\bm{e_*'e_*}}{\sigma^2}}|\bm{X} \backsim χ^2(n-2k)\\        \\     \\\therefore {\frac{\bm{e_*'e_*}-\bm{e'e }}{\sigma^2}|\bm{X} \backsim χ^2(k)}\\      \\notice,\bm{e_*'e_*}-\bm{e'e}  are  independent   form   \bm{e'e}\\      \\\because F \backsim F(k,n-2k)
$$

したがって、このような証明を経てこの定理が成立します
すなわち、チョウ検定統計量(F)は、自由度(k,n-2k)のF分布に従うということがわかりました

本日の解説はここまでとします
次回は「確率モデルに対する計量経済学のアプローチ」というテーマについてアウトプットしていきたいと思います

付録:私の卒論研究テーマについて🔖

私は「為替介入の実証分析」をテーマに
卒業論文を執筆しようと考えています📝

日本経済を考えたときに、為替レートによって
貿易取引や経常収支が変化したり
株や証券、債権といった金融資産の収益率が
変化したりと日本経済と為替レートとは
切っても切れない縁があるのです💝
(円💴だけに・・・)

経済ショックによって
為替レートが変化すると
その影響は私たちの生活に大きく影響します

だからこそ、為替レートの安定性を
担保するような為替介入はマクロ経済政策に
おいても非常に重要な意義を持っていると
推測しています

決して学部生が楽して執筆できる簡単なテーマを選択しているわけでは無いと信じています

ただ、この卒業論文をやり切ることが
私の学生生活の集大成となることは事実なので
最後までコツコツと取り組んで参ります🔥

本日の解説は、以上とします📝

今後も経済学理論集ならびに
社会課題に対する経済学的視点による説明など
有意義な内容を発信できるように努めてまいりますので、今後とも宜しくお願いします🥺

おすすめマガジンのご紹介🔔

こちらに24卒としての私の就職活動体験記をまとめたマガジンをご紹介させていただきます👍
様々な観点から就職活動について考察していますので、ご一読いただけますと幸いです

改めて、就職活動は
本当に「ご縁」だと感じました
🍀

だからこそ、ご縁を大切
そして、選んだ道を正解にできるよう
これからも努力していきたいなと思います🔥

卒業論文執筆への軌跡📚

エッセンシャル・経済学理論集🌟

【国際経済学🌏】基礎的理論&モデルの説明

こちらのマガジンにて
卒業論文執筆への軌跡
エッセンシャル経済学理論集、ならびに
国際経済学🌏の基礎理論をまとめています

今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます📚


最後までご愛読いただき誠に有難うございました!

あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏

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考え方の引き出しが増えた!
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