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入眠に向けて(困難に勝って)スムーズに行動するために


ChatGPTで生成した画像

この記事は 「あらゆる状況から入眠Routineに接続できるようにする方法」 を考えた思考ログです。
ADHDの衝動性の抑制を一つのキーとして考えていますが、怠惰な自分に嫌気がさしている方、生活リズムの維持に苦心しているような方であれば多少は役立つかと思います。

あと、余談ですが、今回から文調をですます調からである調に変えています。
では、以下から本文です。

理想の話をしよう

私は朝3時に起床し、夜の19時には眠りの中にいるような生活リズムで生活したい。
このリズムで生活すると家族と行動の時間をずらせるので、行動が衝突することがない。衝突を考えなくていいので考えることを一つ減らせるのだ。

でも、今のところこのリズムの維持はできていない。
朝起きれないのか?違う。起きれはする。問題は起きるほうじゃなくて寝るほうにある。(大抵は)眠くないわけじゃない。眠るための準備がうまくできないのだ。
朝の起床を固定できても、夜の寝る時間がマチマチな生活続けると眠る時間が少ない日々を過ごすことになる。結果、朝起きられなくなってリズムが無事に崩壊する。

問題を具体化する

この記事において解決すべき問題を明確に定義しておきたい。
この記事で解決を目指す問題は
「眠るまでの手順を例外なく完全に実行できる仕組みを作る事」
とする。

余談 [I]:意志の力について

以降何度も「意志」という語を使う。雲のようなふわっとした概念だが、この「意志」について、 「その状況において、あらゆる思考、あらゆる行動の一つ一つを「状況に対して適切か?」とチェックし、適切でない行動であれば切り捨てて、より適切な行動をとるように行動を矯正する精神の働き」 と定義する。
これは言い換えると、オートパイロットの無意識モードをOffにして、完全なマニュアル運転な「意識してすべての行動、思考に注意を払うモード」をOnにするとまとめられる。
そして、意識した行動に注意を払う際に消費する力を認知リソースと呼ぶ。
そして、これは重要なのだが、認知リソースは無限ではないのだ。
無限でないというのは私の持論ではなく、心理学の分野における重要な考えから来るものだ。

特に私は日中の些細な行動一つ一つに対しておそらく他の人たちより多くこの「認知リソース」を割いている。
そのため、寝る前になったころには認知リソースは枯渇してしまっていることが多いのだ。

余談[II]:実際に起きていて困っている問題

話を進める前に実害について触れておきたい。
一見すると睡眠とは無関係なことが多く含まれる。だが、これらの問題は入眠がスムーズにいかず、睡眠時間が削れることで引き起こされる問題だ。

  • 欲求の制御が利きにくくなる。意志で欲求を制圧できなくなる傾向があると感じている。

    • この欲求とは食欲、性欲、遊びたい欲求、作業をしたい欲求、購買欲などあらゆる面に及ぶ。

  • 衝動的な行動発生が増える。

    • 何の脈絡もなく、頭の中にふと思い浮かんだことを必要の可否を判断するより先に始める。突然掃除を始める、絵を描き始める、ブレストを始めるetc…

    • ADHDの衝動性に対するブレーキが平時以上に弱くなるともいえる。

  • 日中に目的意識を持った行動がしにくくなる。

    • 行動に指向性が無くなるとでもいえようか。目的に沿った行動ではなく全方位へ拡散するような行動になってしまう。

エッセンシャル思考に登場する図のパクリ
  • バイト以外の日に起きなくなる。

    • 学校を眠いからとか睡眠不足だからといってサボり始める。

振り返り ―今までの対策について―

起床時間を固定する

私は多くのネットのアドバイスに従うように「起床時間の固定」を行った。
その結果何が起きたか?
5時間睡眠が普通になった。理由は単純で、起床時間を固定しようと入眠時刻は相変わらずバラバラだったから。

行動の妨げになる要素を排除する

私はアプリの利用状況やPCでのアクティビティ、日ごろの生活をすべて記録している。その記録から私が逸れやすい「横道」があることは把握していた。
なので、それらの行動を私は外部の力を使って制限した。
生活を制限する際に私は「意思を使わずに抑制したい行動を抑える」という目的を達成することを考えている。
全く気にしなくても自然と「抑制したい行動」を抑制できるような仕組みを作ってしまおうということだ。
PC側での対策:

  • Manic TimeというアプリでPCの利用状況を記録

    • 利用状況からブロックすべき対象を探すのに使用している。

  • URL Blockerでいくつかのサイトをブロック

    • Twitter

    • Pixiv、Pixiv辞典

    • アダルトサイト

  • Youtubeの誘惑要素の排除

    • StylusでYoutubeのCSSの一部を書き換えて非表示にする。

    • Unhook - Remove YouTube Recommended Videosを使ってYoutubeの動画プレイヤー以外を常時非表示化する。

Stylusだけだと上のように永久にトップフィードが読み込めないようになる。
Unhookを合わせるとそもそも表示されない。

スマホ側での対策:

  • アプリの利用制限

    • Youtubeを1時間につき1分までに制限

    • アダルトコンテンツ、Pixiv、Pixiv辞典、漫画系のサイトなどを常時ブロック

    • Facebook、Instagramを自宅のWifi接続下限定で1時間に付き5分に制限。

    • 目覚ましや睡眠分析系、タイムトラッキングアプリ、Chromeを除いてほぼすべてのアプリを19時以降使用不可にする(学校が6限目まである日は別条件でロック)

    • 同上のアプリたちを学校が6限まである限定で20:30時以降制限。

    • 起床の前後(02:00~04:00)でタイマーやタイムトラッキングアプリなど一部を除いたすべてのアプリを使用不可にする。

  • スマホゲームを全てアンインストール

  • Twitterのアプリをアンインストール

  • ATrackerというアプリで自身の行動のログを作成

これで解決しているならこの記事は書かれていない

これらの対策は一定の効果があった。でも、根本的な解決には至らなかった。
これらの対策はあくまで問題を表面的に対処しただけで、その背後に潜む構造的な問題を捉えるには至っていなかった。

分析[I] ―背後に潜む構造的問題を暴く―

問題の構造を把握するなら問題を深堀するのがいい。
起床時刻を揃えても入眠がバラバラだから睡眠時間が減り、実害を生んでいる。
これが起床時間を固定した際に露呈した問題だった。

入眠時刻がバラバラ

就寝時間がバラバラな理由だが、とても簡単なことだった。
入眠時刻がバラバラなのと同じように「毎日の満足度」も日によってバラバラだった。
1日の内、十分にタスクをこなしたり、見たかったアニメを見たりした日は満足して1日を終えられる。
逆に、日中にどうでもいい事、例えば、さして興味もないYoutube Shortをボケ―っと見てしまったりすると、1日の間でやりたかったことが終えられなくなる。
すると、1日を終える覚悟がつかず、眠い目を擦りながらやりたかったことの続きをやろうとする。ちなみに、寝るべき時間を削った場合は大抵充実した時間にはならない。

分析[II] ―日中の活動の妨げとなる要素―

さらに一段深堀する。
入眠時刻のズレは日中の行動から大きく影響を受けているとわかった。
では、日中に満足いく活動ができなくなる要因について次は調べる必要がある。
先に前置きしておくと、以下に示す原因は明確なデータ等の根拠に基づくものではない。推測によるところが大きい。

原因[I] 睡眠不足

睡眠が不足すると日中に集中しにくくなる。
眠気で集中が切れる他、頭の活動が鈍るので、ADHD的な特性の悪側面に対する抑制も弱まるはずだ。
カフェインでゴリ押しをしたとしてもいい結果はきっと得られない。カフェインでどうにかなるなら苦労はしないという話だ。
また、ちゃんと8時間以上の睡眠がとれるだけの時間眠っていても、睡眠の質が悪く、実質睡眠時間が5~6時間台ということもある。
この睡眠の質の低さについては原因[II]で触れる。

原因[II] 体内時計のリセット不全

人の体は1日25時間のペースで活動と休止を繰り返す。
朝に自然光か、それに並ぶレベルの照度の光を浴びる、もしくは、運動など覚醒を誘発するその他の行動をすることで、その時点をスタートとして覚醒が始まり、起床後一定時間をピークとして徐々に休止状態へと移行していく。
覚醒を司る物質としてセロトニンという物質がある。覚醒するとは要するにセロトニンが分泌されて脳にギアが入るということだ。
つまり、この問題は「セロトニンの分泌が適切なタイミングで行われていない」ことに由来すると言える。
セロトニンの生成不足が関わっているという予想だが、根拠がある。
日中に体が怠くて活動レベルが下がっている時は、昼を過ぎたあたりから思考が冴えてきて活動レベルが上がる。覚醒のタイミングがずれているからだ。
これはまさしく朝にセロトニンの生成がうまくいっていない人の症状だといえる。
また、原因[I]で触れた睡眠の質も悪さもここにつながる。
夜になっても体が休止状態になっていないため、眠れないのだ。
私は起床が夜明け前なので、基本的に朝に自然光を浴びるのは難しい。
この覚醒→休止のサイクルを概日リズムというが、概日リズムは少しずつしか修正できない。
週に2度朝ランニングをしているが、これだけではリセット回数がおそらく足りていないのだろう。

原因[III] 計画性の欠如

上2つは生活の構造の問題だ。対してこの切り口は「1日の質」という視点に立っている。
「満足いかない日」というのは「何もできなかったと感じる日」と言い換えられる。
これは文字通り「本当に何もできなかった場合」と「やるべきことをやったのに何もしていないと感じている場合」の2つのケースがある。
前者の場合は、上2つのような構造的要因から作業に身が入らなかったり、あるいは急を要するタスクが舞い込んだりして、やりたかったことができなくなったりするケースが該当するだろう。
後者の場合は、目標が高過ぎて、実際はそれなりに進んでいるのに全然進んでいないように見えるなどが該当する。

分析[III] ―入眠までのルーティン自体の問題点―

分析[II]では入眠時刻がバラバラになる原因について掘り下げてきた。
ここから日中の活動に満足できないと寝る時間を削る行動が誘引されるとわかる。
ただ、これはマクロ的な思考だ。
問題を解決するにはマクロとミクロ双方からのアプローチが必要になる。
以降ではミクロ、つまり、就寝準備自体の問題点についてみていきたい。

問題点[I] 動機付けが弱い

睡眠不足で様々な面で弱体化している状態と睡眠負債無しでピンピンの状態はグラデーション的になってる。
これは睡眠不足についてよく言われることだが、睡眠不足によるパフォーマンスの低下は自覚が難しい。
自分が太っていると気づけかなければ誰もダイエットなどしない。それと同じことだ。自分が睡眠不足で好ましくない状況にあることにそもそも気づけない。
だから、眠りとその準備ではなく、目の前のやりたいことに天秤が傾いてしまう。

問題点[II] 入眠ルーティンの不在とルーティン開始条件の不在

そもそもルーティン自体が上手くいくのか懐疑的な方もいると思うが、私の場合は朝のルーティンが上手くいっている。
「コーヒーを淹れる → 朝食 → 前日にシャワー入っていない場合はシャワー → ヘアセット」という流れをほぼ思考をせず、もしくは最低限の思考で実行できる。
何時までにどの工程が終わっているべきかを明確にイメージできる。

朝のRoutine

開始条件も「起床」もしくは「ロフトベッドから降りて床に立った瞬間」としているため、絶対に開始条件がブレない。では寝る前はどうかというと、寝る前にすべきことはざっくり決まっている。「夕食」「シャワー」「歯磨き」その他という感じだ。だが、朝ほどは明確にイメージできない。また、これらの行動が開始される状況は無限に存在する。何時何分の開始なのか?開始の場所は?自宅にいない場合は?など状況によって変動する要素が多くあるのだ。これのせいで開始の条件を統一できず、習慣作りが上手くいきにくい。

問題点[III] 意志の力の枯渇

寝る前というのは1日で最も疲れている状況だ。眠いし、頭も体も疲れている。
こうした状況下では意志の力は残っていないか、残っていてもうまく使えない場合が多い。
ましてや、やるべことが明確でなく、その作業の流れすら無いとなればもう意志の力でこれを遂行することなど到底できない。

問題点[IV] 睡眠開始時刻を統一できない

私の生活リズムは社会の時間の流れとずれている。そのため、学校がある日は普段より4時間ほど長い活動を強いられる。
私が早く寝るのは、家族と話をしすぎて寝るのが遅くなるのを防ぐためという意味と、家族と朝の準備の時間が被るのを防ぐためだ。
だから、家族が帰ってくる前に眠り、家族が起きるよりも早く起きる。

では学校から帰ってきた場合はどうだろうか?
学校から帰って来た時には家族がすでに帰ってきている。そして、普段以上に疲れているため家族と話したいという衝動を意志で制圧できない。これにより、学校が午後にある日はただでさえ睡眠時間を削らざるを得ないのに、さらに睡眠時間を削る羽目になる。
家族との会話はとてもいいものだし、悪いことでは全くない。だが、何事も度を過ぎるのはよくないということだ。
また、例え家族と話さなかったとしても、家に帰って来た段階であらゆる誘惑への耐性が失われており、すぐ衝動に任せて何かをやりだしてしまう。
こうして守ってきた秩序は一晩で崩れ、また秩序を取り戻すため悪戦苦闘することになる。

線引き ―対処する問題を絞る―

人間だれしも使えるリソースは限られている。
こういう問題への対処は「薄く広く」よりも「狭く深く」の方がリターンが大きい。よって、対処する問題を絞って問題解決を目指すこととする。

除外 ―対処できない問題を選択肢から外す―

  • 原因[I] 睡眠不足

  • 問題点[I] 動機付けが弱い

  • 問題点[III] 意志の力の枯渇

  • 問題点[IV] 睡眠開始時刻を統一できない
    この4つを検討の選択しから外す。
    睡眠不足は様々な要因が生み出した負のサイクルの産物なので、直接的な対策はできない。
    動機付けは重要な要素だが、動機という不明瞭な要素に具体的な対策を講じるのは非常に難しい。そもそも、動機が力を発揮するのは意志の力が残っているときだけだ。
    意志の力が枯渇している状態では動機は私を支える力にはならない。
    意志の力は鍛えることはできるかもしれないが、目に見えないし、測定もできない不明瞭な要素なので除外する。
    睡眠時刻の統一は実家暮らしで学生の内は解消は不可能なのでこれも除外する。

対処する問題 ―3つの問題に対処する―

  • 原因[II] 体内時計のリセット不全

  • 原因[III] 計画性の欠如

  • 問題点[II] 入眠ルーティンの不在とルーティン開始条件の不在
    この3つの問題に対処することにする。
    具体的な対策は次項で触れていく。

対策 ―具体的な行動―

以下では3つの問題それぞれへの具体的な対処方法を示す。
あくまでこれらは予想に基づいた仮説から立てた対策であり、この記事を書いている現在も検証中だ。
効果が無ければ反省と新しい対策を書いた記事を書いていると思う。

対処法[I] 体内時計のリセット不全について

この対処のためにクリアすべき条件は

  • 朝にセロトニン分泌に必要な2,000lux以上の照度の光を15~30分顔に浴びること(光の直視はNG)

  • 夜にセロトニン分泌を誘発しないために、就寝の2時間前にはスマホ、PCの利用を終了すること
    この2つだ。

対処法[I - A] 朝にセロトニン分泌を促す

私はトトノエライトという光目覚ましを使っているが、この光目覚ましの照度は顔から25㎝くらいの距離に設置することで2000luxを超える。

ギリギリだがセロトニン分泌に必要な照度をクリアしている。
また、この光目覚ましはセットした時刻の30分前から徐々に明るくなる。
そして、瞼越しでも光の暴露は十分効果を見込めるようだ。
つまり、私は光目覚ましで起床した時点で既に必要な暴露時間を達成していると言える。
ただ、一つ疑問がある。
この対策は既に数年続けている。だが、生活リズムの維持は叶っていない。
ではこの方法は無意味なのか?
答えは「おそらく効果はある」だ。
この方法に効果がないとすれば、朝はだるく、夜はピンピンしている状況がデフォルトになっているはずだが、そうではない。睡眠時刻がズレる時は大抵眠い目をこすりながら作業している。それか、眠気を忘れるほどに何かを楽しんでいる。どちらにせよ夜に眠くなっている」のだから、この方法は効果はあると考えられる。

対策法[I - B] 夜に覚醒スイッチを押させない

「振り返り」の項でスマホにロックをかけている話はしたと思う。
ただ、この対策で行ったロックは一応「解除可能」だった。
ので、対処法としてそのロックの解除を不可能にした。
厳密にはロックの解除は可能だが、ロックの起動中に解除することができなくなっている。
ロック前なら解除は可能だが、大体ロックを解除するときは衝動に任せた解除が多い。
なので、これで十分効果はあると思っている。ダメそうならまたほかの方法を考えるまでだ。

対処法[II] 計画性の欠如について

対策の方向性はいくかに分けて説明できる。
第一に「目標設定の精度を上げるための施策」だ。対策法[II - A]でこのことに触れる。
第二に「目標の設定の仕方」だ。対策法[II - B]でこのことに触れる。
第三に「目標遂行の邪魔を排除する施策」だ。対策法[II - C]でこのことに触れる

対策法[II - A] 目標設定の精度を上げるための施策

感覚で立てた計画が上手くいった事は一度もない。だから、感覚ではなく、明確な根拠に従った計画立案について過去様々な方法を試してきた。
その中で唯一うまくいっていた方法があった。それは「1分あたりの学習進行速度」を計算する方法。そのまんまだが、私は「P/min」と単位を作って呼んでいる。
この方法は、Excelを使たった計算機を使用していて、参考書が残りどれくらいで完了できるかを予測するために考えた方法だった。
「実行時間」、「進行ページ数」、「復習なのか新規の学習なのか」を記録し、新規、復習でそれぞれ何ページを実行する必要があるかを簡単に計算できるようにしたものだった。

ただ、この方法には問題があった。それは、記録対象ごとに一つのデータベースが必要になるということだ。
この方法を思いついたときは各教科につき1つのデータベースを作ればよかった。
教科の数はさして多くなかったから別にこの点は問題にならなかった。
でも、日常のタスク管理にこの方法を応用しようとすると、日常の行動一つ一つにデータベースを用意する必要がある。一体いくつのデータベースが必要になるのか。
想像しただけでやりたくなくなる。

そこで私は全ての作業を一つのデータベースに記録していくようにした。実施時間と完了数と作業内容を短くまとめたTagだけを記録する。

集めたデータは集計して以下のように毎分の仕事量(1分でこなせる量)と単位
毎所要時間(1単位をこなすのにかかる時間)の2つのデータに加工して使う。

また、加工したデータを使って実行予定の単位量、もしくは実行予定の時間を入力することで所要時間、実行可能な量をすぐ知ることができるようにする計算機も用意した。

完了数は各単位が別に存在する。コーヒー豆のピッキングならグラムが単位量で、洗濯ものは1着が単位量だ。毎分仕事量や単位所要時間を使うことでこれから行うタスクがどれくらいで終わるかを計算することができるようになる。
例えばコーヒー豆のピッキングを700g分行う必要があるとする。既に記録があるのですぐに完了までにに2時間15分ほどかかると計算できる。
また、予め数日にまたがるほどの時間を要するとわかっていれば何日かに分けるようにスケジューリングすることもできる。そうすればすべて終わらなくても「何もできなかった」と思う必要はない。

対策法[II - B] 目標の設定の仕方

次に目標の設定の仕方について。
目標を設定するときは以下のルールに従う。

1日の作業開始前に必ず1日分の目標を作る
1日の初めに作った目標は、おそらく半日過ぎたころには実現不可能になっていると思う。そういう時は設定したスケジュールを後ろから削っていく。
削った分は次の日に消化するようにする。無理にその日の間で消化しようとして、寝る時間がずれるよりはその方がよっぽど良い。

目標が日中の活動可能時間の80%を超えてはならない
ギチギチなスケジュール設定は良くない焦りを生む。ある程度の余裕を残したスケジューリングをするようにする。
余裕を事前に設けておけば、予想外のアクシデントが起きても予定を達成できる可能性も高まる。

各目標は30分で区切る前提で設定する
各作業は30分で区切ることを厳守する。これは惰性でダラダラ作業を継続するのを防ぐとともに、作業1回あたりの心理的ハードルをキャパシティ内で納めるためにも重要なことだ。
スケジュールに30分で完了できないタスクを入れるときは、「タスク名(1回目)」のようにスケジュールの末尾にそれが何度目の実行なのかを書いておく。

各目標の開始時間と終了時間を設定する
いつやるかの指定。どこかの誰かが言っていた言葉だが、「日程が決まっていない仕事は「タスク」、日程が決まっている仕事は「スケジュール」である」というのがある。まさにその通りだと思う。
また、私が使っているツールのObsidianのアドオンにDay Plannerというものがあり、開始時刻と終了時刻を設定することで、1日のスケジュールをタイムライン形式で見ることができる。そういう意味でも「タスク」を「スケジュール」に変える作業を行うべきだ。

ObsidianのDay PlannerのTimeLine

対策法[II - C] 目標遂行の邪魔を排除する施策

振り返りの項で触れたが既にPCやスマホでアクセスできるコンテンツについてはすでに制限をかけている。が、正直これでも私の暴走を止めるには弱い。
そこでさらにいくつかの制限を加えることにした。
追加したのは「Pause - Stop Mindless Browsing」という拡張機能だ。
機能は以下のような感じだ。

  • 登録されたページを開くと任意の時間が経過するまでサイトにアクセスできない。時間経過後、本当にアクセスする?と警告が出る。

  • 任意の時間はデフォで5秒だったが、私は30秒に設定。

  • InstagramなどのSNSのほかにUsedファッションショップのRAGTAGも一時停止サイトの対象とした(サイト内を循環してお宝さがしを始めるのを防ぐため)
    ↓対象のサイトにアクセスすると下の画面が任意の時間表示される。

  • 一度立ち止まる時間を作る。この策のいいところは「アクセスはできる」という点だ。完全に遮断すると、暴走時はロックを解除してみようとする。だが、この機能は30秒待てば機能をオフにしなくても見ることができる。だから、解除しようとはしない。
    そして、30秒もすれば熱は冷める。大抵は待ち時間であきらめて引き返す。
    この機能を考えた人はメチャクチャ賢いと思う。

対処法[III]・・・の前に話すべきことがある

寝る前にやることはそう多くない。
夕食を摂る、シャワーを浴びる、歯を磨くの3つくらいだ。
だが、今の3つは細かいところを無視している。実際は細々した作業がとても多い。

意外と多いやるべきこと

私はシャワーが面倒と感じるが、それはご覧の通りやることが多いからだ。勉強と同じで始めるとさほど苦ではないのだが、如何せんやることが多いから見た目がイカツイ。なのでつい怯んでしまう。対策[III]ではこのイカツイ見た目におびえることなくスムーズに行動を進められるような行動デザインが求められる。

就寝前ルーティンとそのトリガーについて

就寝前の状況は大きく分けて2つある。「19時までに眠れる日」と「19時までに眠れない日」の2つだ。
19時までに眠れる日は就寝準備開始時刻の16:30に自宅にいる場合と言い換えられる。
逆に19時までに寝れない日は16:30時点で在宅でない状況ということだ。
これら2つの状況に共通する2つの問題がある。

  • ルーティン開始のトリガーがバラバラ。

  • 意志の力に頼ったRoutine遂行は不確実性が高く実効性に不安が残る。

この2つの問題を解決する行動デザインが必要になる。
デザインの内容自体はあとで話すとする。が、そのデザインに今まで一度も触れていない2つの行動が含まれるので、その2つの行動について先に軽く説明をしておきたい。
一つはマインドフルネス瞑想だ。
追加理由は以下の2点だ。

  • ADHDの衝動性に対して効果がある可能性があるとされているため。

  • 思考を意識的に止めて頭の中をクリアにするため。

瞑想前は下の画像の現実の方にいると考えればいい。意識は拡散していて一貫性が無い。不安定で、世界一信用できない精神状態だ。
だからマインドフルネス瞑想は有効だと考えられる。マインドフルネス瞑想は今この瞬間に「集中」する。
この活動を通して私は一時的に「理想」の状態になる。
瞑想を終えてもしばらくは「理想」の状態に近い精神状態になれる。
意志の力を使えない代わりに意思を必要とする要素の発生を抑えるようにするということだ。

もう一つは読書だ。
読書は私にとっては娯楽なので、取り掛かるまでの心理的ハードルは無いようなものだ。その上、ゲームやSNSなどその他の娯楽に比べて横道にそれる可能性が極端に低く、長くても20分くらいで集中が切れるので暴走しにくい。
瞑想はメリットが多い一方、始めたばかりのことなので習慣のトリガーとして取り入れるのはハードルが高い。なので、その点を補う意味も読書にはある。

今度こそ本当!対処法[III - A] 19時までに眠れる日のRoutine

さて、やっとこの記事の結論というか、ここまでの前置きを踏まえた答えを書くことができる。

:15:00~15:30の間にやること
ここでその日のスケジュールを必ず更新する。おそらくもう実行が望めないスケジュールがいくつかあるはずだ。そういうスケジュールは翌日に持ち越すようにする。さっき話した通りだ。
:16:30になったらやること
この時点でデスクトップPCは勝手にシャットダウンされる。読書開始までにやることは一つだ。来ている服を片付ける。パンツはパンツハンガーへ。シャツを脱いで仮置き場に片付ける。あとはルームウェアを着込めばOKだ。

:10分読書
上の準備が終わった時点ですぐ読書を始める。
チェアにおいてあるクッションを床に移してそれに座って読む。

:マインドフルネス瞑想
先に説明した通りだ。
言い忘れていたが、使用しているアプリはMeditopiaというアプリだ。
15~20分ほどのコースがあり、落ち着く声のナレーションの指示に従い、意識の向ける先を制御する努力をする。
自己流の瞑想を以前やっていたが、アプリに従う方が圧倒的に続けやすいし、体感時間も短く感じる。そして、より深く集中できる。

:食事の時間
食事の用意、食事を摂る、食器を洗うまでを含めている。
制限時間は30分で、それより早く終わった場合は前倒して次に進む。
:シャワー
シャワーとは言うがやることは多い。

  • 着替えの用意

  • シャワー浴びる

  • ボディクリームを塗る&ヘアドライ

  • 着替え

  • 歯磨き

  • その他細々したタスク
    これをすべて完了してベッドの上で入眠スタンバイの状態にするまでを60分で完了する。
    食事同様、早く終わったら前倒して次に進む。
    :入眠前の読書
    図に書いていないが、入眠前にも本を読む。入眠前に読む本は決まっており、「愛するということ」という本だ。
    私にとってこの本は私の人生を変えた本であり、経典だ。人とのかかわり方、世界とのかかわり方を教えてくれた。
    少しでも興味があれば読んでみてほしい。

余談:「外出から家に戻った時」という状況をキーとしたRoutine

次項で19時までに寝れない日のRoutineに触れるが、その前に軽く「帰宅後Routine」について話しておきたい。
このRoutineは「外出から戻った後時間を浪費しやすい」という問題への対処法として考案したものだ。
流れは「アウターを片付ける→手洗いうがい→持って行ったボトルを洗う→読書(10分)」という流れだ。
入眠Routineに読書を入れたのは、外出から帰って来たケース、即ち「19時までに寝れない日」のRoutineと帰宅後Routineをシームレスに繋ぐために追加したという側面もあったりする。

閑話休題。

対処法[III - B] 19時までに眠れない日のRoutine


:帰宅後Routine
余談で書いた通り、「アウターを片付ける→手洗いうがい→持って行ったボトルを洗う」までを10分で完了させる。
:10分読書
19時までに寝れる日と同様。
:マインドフルネス瞑想
19時までに寝れる日と同様。
:食事の時間
19時までに寝れる日と同様。
:シャワー
19時までに寝れる日と同様。
:入眠前の読書
19時までに寝れる日と同様。

終わりに

すごく自信満々に難しい事への対処をツラツラ話しましたが、これを読んだ大半の人は「日常生活はそんなガチ攻略するようなもんじゃねぇだろ」と思うのではないでしょうか?
私もこの記事を書いている時何度か思いました。私は一体何にリソースを割いているんだろうか?と。
この記事を書いている今、諸事情あって昼夜が逆転しているのですが、この方法は必要だと感じました。早く理想の生活に戻りたいです。

最後に、この方法はおそらく誰の参考にもならないと思います。が、この方法の哲学の部分、つまり、「認知リソースに頼らない仕組みを用意して行動を制御する」という考え方は使う人の数だけその活用法がある汎用的かつ効果的な方法だと思います。
なので、もし自己制御に困っているのであれば、この考え方をうまい事使ってみてください。たぶん、役に立つと思いますから。

それでは、今回の記事は以上です。
またお会いしましょう。

あ、最後に!
この記事を書くのにかかった時間を発表します!!!

1  2  時  間  2  0  分  !  

長かった・・・。


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