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美しくも悲しい歴史を持つDiplomat hotelに行ってきた


こんにちは、今回は、フィリピン・バギオの暗い歴史に光を当てていきたいと思う。

今でこそ、フィリピンでは韓国人が増え、バギオでも多くの韓国人を目にする。しかし、かつてバギオは日本ととても縁の深い場所だったのだ。

例えば、バギオにあるケノンロードという主要道路は、日系移民が道の整備に携わったそうだ。現在でも日系移民の子孫の方々がバギオに居住している。


しかし、フィリピン及びバギオの歴史は、明るい部分だけではない。第二次大戦時には、フィリピンは日本の植民地となった。


よく、日本が西欧諸国に立ち向かったことで、アジアの植民地は解放された、という主観を持つ方がいる。ただ、ここフィリピンではそれは例外だったようだ。なぜなら、フィリピンは日本に占領される前、宗主国であったアメリカから独立が約束されていた。しかし、そのアメリカを追い出して、日本の支配が始まった。


日本の占領政策はうまくいかなかったようで、フィリピン国民の反日感情は高まり、ゲリラなどが日本軍に抵抗していた。今でこそフィリピンは新日の方が多いが、かつては反日感情の高い国だった。


そして、ここバギオはフィリピン戦における総司令官、山下奉文率いる日本軍が降伏した地である。勿論、バギオは当時戦火に巻き込まれ、甚大な被害を被った。


そして、そんなバギオの悲しい歴史を背負って、今なお現存する建築物がある。それが、Diplomat hotel である。

Diplomat hotel とは?

Diplomat hotel は、かつて、戦時下において避難所として開設された。しかし、日本軍がそこを占領し、残虐な行為を行なったそうだ。その後、ホテルとして利用されたが、現在は閉鎖され、廃墟になっている。

ホテルは街から少し離れた、丘の上にあるそうだ。実は、私も前まで存在を知らず、バギオの中でもその周辺地区は足を伸ばしたことがなかったので、是非行きたいと思い立ち、家を出た。

道中にあったマリア像


ホテルまでは、街の中心部から歩いて行くことにした。正直、かなり遠いので私みたいな変なやつ以外はタクシーを使った方が無難だろう。

街を抜けると、長い坂を登る。これが結構長く、緩やかで体力を奪われる。ここバギオに来て、確実に下半身が逞しくなっているのを感じる・・。

丘と国旗 フィリピンの国旗かっこいいよね


そして、丘の頂上付近にくると、上の方に怪しい雰囲気漂う廃墟が見えた。

腹ごしらえにトゥロンを屋台で購入。これはバナナの春巻きのようなお菓子で、一個10ペソ前後で売られている。フィリピンは小腹を安く満たせるから最高だ。ごめん、食べちゃって写真撮るのを忘れた・・。

ネットでは入場無料とあったが、入場料10ペソ取られた・・まぁトゥロン一個分と考えると安いもんだ(日本円で20円くらいで格安)。

ホテル前にたったが、なんというか独特の雰囲気を感じた。建物自体は古いものの、状態は良い。しかし、歴史的背景を知ったからか、どこか暗いような、ジメジメしたようなものを感じる・・カンボジアでポルポト政権下の処刑場(キリングフィールド)を訪れた時と、何か似ているような雰囲気・・。

状態はかなりいい 綺麗
ア◯ベルの映画で見たような建物

ネット情報では中に入れるとあったが、入り口が閉まっていて中に入れなかった。他の観光客も、中に入ってる人は一人もいない。ホテルの上からの景色は絶景だそうで、残念だ。ただ、ホテル横の木の間から、市街地が全て見渡せる。私はいつも、バギオの山の景色を見ていて、山から市街地を眺めたのはこれが初めてである。こうしてみると、意外と都会だ。

こうしてみると
結構都会。軽井沢より都会かも


ここでは、心霊現象の噂が絶えない。日本軍に殺されたクビのない人の霊を見ただとか、日本兵を見たとかいう噂があるそうだ。実際、心霊現象を信じていない私でも、バギオには幽霊がいたりして、と思ってしまう(実は私が働いている学校でも、生徒から霊を見たとの噂を聞いたことがある)。

私はこのブログではディープスポットに飛び込む命知らずみたいなキャラだが、実際かなりのビビりで、夜はとてもじゃないがここに行って肝試しをする勇気はない。昼間でさえも、不気味な雰囲気を漂わせているのに・・夜は流石に行きたくない。

ぐるっと建物を回ってみたが、特に廃墟以外は何もなし。崩れかけた窓から中が見えるが、不気味な絵画があったり、なぜかテレビが置かれてあったり・・カオスだった。もしかしたら、避難所として利用された後、ホテルとして営業していたから現代チックなものも置いてあるのかもしれない(閉鎖したのは1980年代でだいぶ昔だが)。

大理石の床
柵があり、中に入れず
この絵、気持ち悪すぎないか?
謎のテレビ

ホテル自体は暗い雰囲気だが、観光客のテンションは思ったより高く、皆笑顔で記念撮影をしている。ここは正直、ダークツーリズムの一環として訪れる人はあまりいないのかもしれない。丘の上の美しい廃墟をただ見たいだけなのか・・?。

謎の南京錠軍団

とりあえず、ホテル以外見る場所も特にないので、帰路に着く。ちなみに、帰り際に食べた日本料理店が過去最悪に不味かった・・豚骨ラーメンを頼んで、残してしまったのは人生で初めてである。麺はボソボソでほぼ煮麺、スープは味がしないただのドロドロしたお湯だった。普段、金欠で屋台飯ばかり食べている私が、奮発して食べたものがこれである。私の980ペソ、返してくれ・・泣。

海鮮丼 んー、まぁまぁかな・・
例のゲロまずラーメン
10時間煮込んだ素麺より酷いと思う


Diplomat hotel は美しくも悲しい歴史を背負う場所だった

次来た時、中に入れたらいいな


正直建物の中に入れなかったのは残念であるが、それでも行く価値はあった。丘の上はバギオ市街地が見渡せる絶景ポイントにあり、少し気分転換をしたい人にもおすすめの場所だ。ただ前述したように、市街地から距離があるので、タクシーの利用をお勧めする。

また、是非この場所を訪れる際には、悲しい歴史を知り、犠牲になった人々に心の中で合掌していただきたい。雰囲気はかなり怪しいので、霊感が強い自覚がある人は避けた方が無難なのかも・・しれない。

現在、日本とフィリピンの仲は良好で、日本が好きなフィリピン人も多い。これからも、この良い関係が末永く続き、明るい歴史を共に歩んでいってほしい。




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