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強烈に出口戦略を考えて行動していた時の話

今、漫画「インベスターZ」の各巻書評マガジンを執筆しているのですが、

その第2巻で、「出口戦略」についてのコトバがありました。

株に限らず物事には出口戦略が絶対必要だよ
結果が欲しいなら入り口ではなく先に出口を考える 
ーー月浜 蓮

出口戦略を考えた経験が僕にもなかったかなーと昔を思い返したら、強烈に出口戦略を考えて行動していた時期がありました。
もう、10年ほど前の話になりますが。。

強烈に出口戦略を考えて行動していた時

高校の野球部の時です。
このときほど、強烈に出口戦略を考えて行動していたのはなかったかなと思います。(なおかつ結果が出た)

経歴

野球をやっていた3年間のなかでも、特に高校2年の冬ー高校3年生の夏にかけてです。

ちなみに僕の野球歴は
・小学4年生で野球を初める。ポジションはサード・ピッチャーで打順は1番打者
・中学校では、入学当初野球部が無かったため、ソフトテニス部に一年間入部。二年の春に野球クラブが出来たので参加し、ポジションはピッチャーで5番打者。
・地方の県立進学校硬式野球部に入部。
といった流れです。

中学校までのチームでの立ち位置を考えると、おこがましくもありますが、「主力」と言われる存在だったのかなと思います。
正直言って、試合をベンチから観戦していた記憶があまりありません。
試合に出るのが当たり前な状態でした。

ただ、この状況は高校になって一変してしまったのです。

入部してみると、地方の県立進学校といっても、とても選手層が厚かったです。先輩には硬式のクラブチームで活躍していた人がいたし、同期にも、県内で有名な選手がいました。
そんな中、高校1年時の夏の大会にはベンチ入りすることすらできませんでした。軟式野球部出身の僕には、まずは硬式の球に慣れることが大前提で、間に合わなくても「あと二年ある」と思っていました。


高校1年の夏の大会が終わってからは、投手として、ベンチ入りができ、試合にも出場できる機会が増えてきました。このまま、投手としてこのチームで活躍できると思っていたのですが・・・

怪我

高校1年の冬、投手の生命線である肩を故障してしまいます。もともと、小学生の頃から、肘に負担をかけてしまっており、痛みと戦ってはいたのですが、この時、肩に故障を抱えてしまいました。

原因は、おそらく過度な投げすぎによるもの(ケア不足もある)だと言われました。練習時からバッティングピッチャーなど、過度に投げすぎていた感は正直否めないです。

ボールを投げると、針に刺されたように痛いのです。絶望しましたね。

そこからリハビリにかけた時間は約半年。その間、皆の練習の手伝いや、試合のビデオ撮影などマネージャーのような形で日々過ごしながら、傍らでリハビリを続けていました。

野球をやってきて初めて、試合に参加できない、外から見るというのを如実に感じていました。
もちろん、この時裏方に勤めてやったことや感じたことは貴重な経験でした。
しかし、やっぱり試合に出れないのはとても辛かったです。

高校2年の夏も結局ベンチの外から応援して、いよいよ最後の一年間がスタートしました。

出口戦略を考える

おまたせしました、前置きが長かったのですが、ここから本題です笑。
高校2年の夏、リハビリの甲斐あってようやくボールが投げれるくらいには回復していました。

新チーム始動にあたり、ポジションの適性を見るため、テストが行われました。僕は、投手のテストに参加しました。

結果・・・案の定試合で投げれるような状態では無かったです。かろうじて内野手ならなんとかこなせるレベルでした。
ここから、僕は内野手として生きていくことになります。

僕にとって久しぶりの内野手です。しかも、実践で守備につくのは、2年ぶりだし、打席に立つのも1年半ぶりくらいでした。

もう、試合を外から見ていたくない。試合に参加してチームに貢献したい!!!と強く思っていたので、この時、

「何か考えないと試合に出れないな」

って思いました。

まず最初にやったこと、それは、

チームの部員の特性とその構成を考える

ことでした。

周りの部員を見渡して気づいたこと


右バッターは多いが、左バッターが少ない

だったんです。


野球では、打者のラインナップに、右バッターのみ、左バッターのみが並ぶことは珍しいです。
状況に応じて、右打ち・左打ちの選手を使い分けることがあります。
相手投手が右投げか左投げかによって、相性の良さというものもあります。右バッターが多いチームの中で、左打ちというのはそれだけで貴重な存在と言えるのです。(チーム環境によりますが)
右バッターが多い中で、僕のようにほとんど練習もしてきていない、実践感覚もない右打者は絶対に埋もれてしまう。と感じたんですよね。

このチームで「希少価値の高い左バッターのほうが、起用されるチャンスが多い」
と仮説を持ち、戦略を立てたんです。

もちろん、限られた時間の中で左打ちに転向するということは相当な努力が必要になります。(当時の監督からもそう伝えられました。)
ただ、この時僕はリスクをとってでも挑戦する価値があるなと考えて、左打ちに転向しました。

もう一歩踏み込んでみる

チームの中で、「試合に出ているメンバー」を見た時、体格がよく、長距離バッターが多い。バントなど、小技ができる選手が少ないことに気づきました。

この時、僕が試合に出るための出口戦略が完成するんです。

左バッター + バントなど小技ができる

これで試合に出れると確信しました。

それからはきれいなヒットを打つ、長距離のヒットやホームランを打つ努力よりも、バントの練習やファウルで粘って球数を稼ぐ練習に時間を費やしました。
結果、高校3年の夏の大会では試合に出場することができ、僕が立てた出口戦略を証明することが出来ました。
チームの中で、最低限自分の役割は果たせたかなと思います。

まとめ〜出口戦略を考える上で大事なこと


・結果を定義する
自分にとって達成したいことや、その結果の状態を明確にすることが大切だと思います。
私にとっては、この時「試合に出場する」ということが一番にあり、
もっと戦略としての中に落とし込むと、
「チームに希少な、「小技ができる左打者」として試合に出場する」
と言えると思います。


・周囲、状況をよく見る
これは、何かの団体・職場・チーム単位かもしれませんし、社会や経済というもっと大きなものかもしれません。
周囲をよく見ると、相対的に自分がどの立場にいるのか、や、挑戦する相手、ライバルの特徴がよく分かります。
また、どのくらいの期間で結果を出さなければならないのか、など出口までの距離も図っておいたほうが良いと思います。


・戦略と自分の特徴・特性とのシナジーを考える
ここも、見落としてはいけないと思っている所で、
自分の例で表すと、
(*補足事項「僕は体の線が細く、バッターとしてはパワー不足」だったんですよね。)
いくら頑張っても、体格が良く現時点でパワーが有る選手と比べても勝てる確率は低いと思ったんです。
それよりも、パワーがない僕でもできること「バント」や、僕にしか出来ないこと「選球眼がよくて打たなくても塁に出れる」ところに着目し、
より目立てる所、競合がいない所かつ、「自分でも達成可能な所」で頑張ろうと思っていました。
仮に僕が立てた戦略が、「パワー系のバッター」になることだとしても、実際に僕の状況や持てるスキルと照らし合わせて、その戦略が達成可能か?ということを冷静に考えないと失敗すると思います。

こんなことを考えながら、高校2年の夏から3年の夏にかけて過ごしていました。今思えばよく考えて行動に移せたなと思います。
ただ、10年前の自分にできて、今の自分に出来ないのでは自分が退化していますよね。

出口戦略、以前に出来たことを踏まえつつ、その時から今まで生きてきた中で得られた知見をプラスしてもっとブラッシュアップしていきたいと思います。

長文失礼しました。
読みにくいところは適宜加筆修正していきます。



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