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部下が言いたいことを推測してはいけない理由 第一声の裏にある真実

「なぜコーチングを職場で使う必要があるのでしょうか」

How toではなくWhyを理解すること

コーチングを学ぶということを考えた場合、真っ先に思い浮かぶのは「技術をマスターする」という、いわゆる「How to」ではないでしょうか。
やり方や型を覚えて、それを現場で使っていく。

多くの学びの手法はそれを踏襲しているのですが、ことコミュニケーションに関しては「How to」を学ぶ前に、なぜ(Why)を理解する必要があります。つまり、目的を明確にしてから学ぶということが大切だということです。
今日はDELICオンライン、チャプター3から「なぜコーチングを学ぶ必要があるのか」についてお話していきます。

皆さんはなぜ、コーチングや優れたコミュニケーションを学びたいのでしょうか
一度時間を取って振り返ってみることをお勧めします。

私昇進できるでしょうか?

DELICオンライン、チャプター3でまず最初にご覧いただくのが、上司と部下の間の会話を再現した映像です。
このシーンは定期的な面談を会議室で実施しているという想定で、例えば1時間の面談時間の内45分ぐらいが経過して、話すべきアジェンダはあらかた話しきったという状態を想像してみてください。そこで上司が切り出します。

上司:よし、今日話したいことはこのくらいかな。これからも頑張ってくれよな。
部下:あ、部長、ちょっと今日は相談があるんですけどいいですか?
上司:うん、いいよ。何?
部下:あの、私、来期係長に昇進できるでしょうか



上司:(一瞬ドキッとした表情を見せてから)キミの今の成績なら問題ないんじゃないかな。あ、そうだ、この前社長と会ったんだけど、キミには期待しているって言ってたなぁ。ま、頑張ってくれ。なっ。
部下:は、はい。(と浮かない表情)
上司:にっこり

ぜひ実際のDELICオンラインで臨場感溢れる会話を見てほしいのですが、こういうシチュエーションって皆さんの生活や仕事の中でありませんか?

きっとよくあるはずなんですけど、よく考えるとこの会話には少しおかしいところがあるんです

実は言いたいことが別にあった

面談後の部下を直撃したインタビュー映像から、部下の言葉を抜粋しますね。
まずインタビュアーが「本当は言いたいことが合ったんじゃないですか?」と部下に問いかけます。すると。。。

【部下】
そうなんですよ。これ、ちょっと言いにくいんですけど、実はうちの会社、係長というか、管理職になると給料体系が変わって、残業代がつかなくなるんです。私結構残業代で稼いでるんで、これがなくなるともらえるお金が目減りしちゃうんですよ。昇進するのに。。
それで、それを妻に相談したら、それなら転職してよって言われて。でも、私はこの会社好きなんですよね。どうしたらいいかなと思って。今日それ、相談したかったんですよね。でも・・・できませんでした。

もし私が上司だったとして、部下がこんな事を考えていることをあとから知ったとしたら、かなりビックリするのではないかと思います。

そして、冷静に考えると、完全にその情報は取り漏らしていたということになります。

また、上司的には、「そういうことなら、言ってくれればいいのに!」とも思うかもしれませんよね。

コミュニケーションの齟齬はなぜ起きる?

こういったコミュニケーションの齟齬はどうして起きるのでしょうか
今度は、上司が抱える事情や思考パターンから考えてみましょう。

先ほどの会話の中では、係長に昇進できるかということが話題として部下から挙がっています。
上司としては、部下の働きぶりを常に評価していますし、部下を昇進させるかどうかにも直接関わっています

つまり、答えが出せる立場にいるということです

第一声につい反応したくなる上司

そして、私たちは、自分に知識がある場合や、相手より情報をより多く持っているとき、そして、すでに経験済みのことについて、相手の事情も聞かないうちから判断し、相手の第一声に対して答えを伝えたくなるのです。

これは「ソリューションモード」と呼ばれるもので、相手から「どうしたらいいですか?」と問われ、あなたがその答えを知っていたとすれば、思わず答えてしまいたくなるという反応のことを言っています。


私たちは、相手の問いかけに対して、自動反応し、答えを伝えてしまいたくなるという傾向があるのです。

第一声で真意を伝えない部下

今度は部下側の事情を考えてみましょう。
こちらもDELICオンライン、チャプター3で部下に対してインタビューしている映像から。


インタビュアーからの「なんで言いたいことを言わなかったんですか?」という問いかけに対しての部下の回答がこれです。

【部下】
いや〜、ちょっとそれを言う雰囲気じゃなかったし、社長とか登場しちゃうし。言いにくかったですね。なんか、こういうのって小出しにしたいじゃないですか。いきなり最初から全部言うんじゃなくて。。。わかります?

こういった事情があって、本来言いたかったこと、つまり「真意」を伝えることができなかったようです。

第一声で真意を伝えない理由は他にもあります。
例えば
簡単な会話から入りたいと思う傾向
相手に負担をかけたくない
何を伝えたいのか、本人もわからず見切り発進してしまう
会話のテンポを良くしたいという意向
戦術、戦略的な判断

皆さんだったらそのどれが当てはまりそうでしょうか。

このような双方の事情により、会話が噛み合わず、相手の本当に伝えたい真意に気が付かずに会話が進んでいることってあると思うんです。
まずこれに気づき、すこし立ち止まることができることが優れたコミュニケーションの第一歩です。

DELICオンライン、チャプター3では、この先コーチングを使って「相手の第一声から真意を引き出す」方法について解説しています。
是非ご覧ください。


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