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「何をやるかより誰とやるか」の意味を履き違えない

『何をやるかよりも誰とやるか』っていう言葉を、みなさん1回は聞いたことがあると思います。

起業や就活の場面で、よく出てくる言葉ですね。

『事業や業務内容』と『一緒に働く人』の優先順位として、後者のほうを大事にするという意味です。

今日は、この言葉の是非についてではなく、『誰とやるか』の解釈も大きく分けて2パターンあるから気をつけたほうがいいなという話です。

結論から言うと、1つ目は狭義の意味での『誰とやるか』で、本当にその人と一緒に働きたいということ。

例えば、一次面接を担当してくれたAさんという人の人柄に惹かれて、『自分はAさんと働きたいです!』という場合です。

2つ目は広義の意味での『誰とやるか』で、誰か特定の人を指しているというより、会社のカラー、文化、環境を指して『誰とやるか』と言っているということ。

後者の『誰とやるか』は、『ぼくの求めているタイプの人たちがたくさんいる環境でやる』とも言い換えられます。

ここを混同して、会社側も就職する側の人も『弊社の強みは人です!』であったり、『ぼくの就活の軸は人です!』なんて言ってしまうと、それぞれいろんな場面で認識の齟齬がうまれる可能性があります。

どっちがいいとか悪いとかではないんですが、前者の誰か特定の人を指す『誰とやるか』という観点で入社してきた人は、その人と同じ部署なりプロジェクトなりで一緒にならないとモチベーションが大きく下がってしまう危険性があります。

ただ逆に、同じ事業部なりプロジェクトをやっていると、めっちゃ頑張ります。

モチベーションの浮き沈みが大きくなる可能性があるという点は、マイナスですね。

逆に後者の『誰とやるか』っていうのは、実質的にはその会社の環境、文化とマッチングしていることになるので、モチベーションの安定度は高いです。

確率論的に、特定の『誰とやるか』パターンは、魅力づけした人がその会社のカルチャーなり文化なりを体現しているかどうかの保証はできません。

ただここまでだと、前者の『(特定の)誰かと働きたい』が悪者みたいになってますが、決してそうではありません。

興味を持ってもらう『フック』として、(=まだ会社全体のカルチャーを感じてもらう前の段階で、)特定の人をきっかけにして会社全体に興味を持ってもらうパターンもあります。

なのでこれは、『入り口は特定の人フックで、出口は会社全体のカルチャーに興味を持ってもらう』パターンですね。

あと、特定の人フックで、そのまま特定の人が決め手になるパターンも、悪いことばっかりではありません。

ちょっと前に『一緒に働くイメージがわくかどうかだけで、判断すると同じような人しか入ってこない』という旨の記事を書きました。

ただ、会社のフェーズによっては新しい種が必要なときもあります。

そのときに、既存の会社カルチャーとのフィットを優先してしまうと、そういった新しいタイプの人材は切り捨ててしまうことになるので、そういったときは『特定の人』という飛び道具が有効になります。

なので、大事なのは『使い分け』という当たり障りのない感じになってしまうんですが、それ以上に『誰とやるか』という言葉が持つ2つの意味を、いまはどっちの話をしているのか?ということに注意して聞くことが大事です。

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