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中国の観光ビザを自分一人で取りに行った話

2023年10月、僕はエージェントなどに頼まず、自分だけで中国の観光ビザを取得しました。
また、取得後に実際に上海を訪れることができました。

今回は備忘録も兼ねて、ビザを取った時のことをまとめてみたいと思います。

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年末年始に上海に行くことを決め、僕はうきうきした気持ちでした。
しかし、ふとネット上でとある情報を見つけ、一気に冷や汗が出てしまいます。

それは、中国はコロナ禍が始まって以降、日本を含む多くの国に対して入国のためのビザを求めていること。

少なくとも観光ビザがないと中国に入国することができません(トランジットなどいくつかの要件を満たした時のみ例外措置あり)。
コロナ禍が落ち着き、現在までに多くの国に対してこの措置を免除したようですが、日本は未だに継続されています(2024年1月時点でも引き続き継続中)。
おそらく、米中間の緊張関係が背後にあるからではないかと推測します。

僕はもうすでに航空券を買っていたし、宿も決めていたので、今更引き返せません。というか引き返したくありません。
そのため、仕方なしに観光ビザを取りに行くことにしました。

コロナ禍により、世界中で電子化という波が訪れました。
かねてよりハイテクを推進している中国でも、この波には乗っていたようです。
中国ビザも、あらかじめネットでいろいろと入力することで、実際の申請時にその負担を減らしているようでした。

調べたところ、中国のビザ申請は大使館ではなく、ビザ申請専用の「中国ビザ申請サービスセンター」に行く必要があります。
東京・名古屋・大阪とあるうち、僕は東京に行くことにしました。

そこに予約の上、必要書類等を持参することで、ビザを申請できるとのことです。(予約制度は2023年12月に廃止)

代理店に頼むこともできましたが、余計な費用をかけたくなかったため、僕は自分一人で申請をすることにしました。

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申請の流れは以下の通りです。

  1. ビザ申請フォームに記入

  2. ビザ申請センターで申請

  3. ビザ申請センターで費用の支払いとパスポートの受取り

観光ビザを申請する際の必要書類は以下の通りです。

・パスポート(有効期間が申請日から6ヶ月以上で、余白のページがあるもの)
・ビザ申請表
・証明写真(48mmx33mm)
・航空券のコピー(入国・出国)
・宿泊場所の予約証明

外国から申請する場合は居留証明、招待されて申請する場合は招待者による招聘状など、状況が特殊な場合はさらに必要となる書類があります。

1.ビザ申請フォームに記入

ビザ申請表を発行するには、ビザ申請センターのホームページに必要事項を記入する必要があります。

ネットの情報に従いながら、書類を揃えます。
サイト内の「申請の流れ」>「査証高速リンク」>「申請表入力」でフォームのページへ飛びます。(以下にショートカットページを貼り付け)

記入自体は楽なものの、個人情報がかなり抜き出されてしまう、という怖さはありました。
しかし、ビザを取得するために仕方なく情報を入力していきます。

入力が終わると、ビザ申請表がダウンロードできるようになります。
ダウンロードした上で、A4の用紙にプリントアウトします。

2.ビザ申請センターで申請

僕が申請した時は予約が必須だったため、予約をしてからビザ申請センターに向かいました。

場所は、東京・有明にあるビルの最上階です。
ビザ申請センターは大使館同様、土日だけでなく、日本の休日と中国の休日のどちらも閉館するため、行ける日は限られます。

僕は会社で午前休を取った上で、9時の開す館時間に着くように向かいました。
エレベーターを降りた瞬間、大勢の人。
中国のビザを取得する人がこんなに多いのか、と驚いた覚えがあります。

一旦最後尾に並ぶも、この時僕は、航空券とホテルの予約票を印刷し忘れていたことに気づきます。
そのため、いそいでビルの1階にあるコンビニのコピー機に行き、印刷をしました。

列はスムーズに動きました。受付で書類の不備がないか確認します。
その後、番号札を渡されて、再び待機します。

番号が呼ばれ、窓口に向かい、書類一式を提出します。
人がやっているものの、単純作業が多いため、すらすらと進めていく、、はずでした。

担当者は僕のパスポートのスタンプをひとつひとつ確認して、なかなか申請を進めてくれません。
そして、ひとつのスタンプを見て、首を傾げています。

それはトルコの入国スタンプです。
担当者は僕のトルコへの渡航について、情報が欲しいと伝えました。

トルコの出入国スタンプページを別途印刷した上で(印刷費用は自分持ち)、追加でトルコへの滞在日程、目的を伝えなければなりませんでした。
そして、正確な滞在日程のメモとともに、簡単な宣誓書を書きました。

このことについて、ネットで調べてみました。
中国へのビザの申請の際「トルコ、イラン、パキスタンなどの渡航スタンプがある場合は査証審査に通常より時間が掛かる場合がある」と書かれていました。

おそらく、これらの国交間の軋轢によるものなのでしょう。
イラン、イラク、スーダンなどを訪れるとアメリカに入国できない、といった話が有名ですが、その中国版だと考えれば良いかと思います。

正直、この時本当にビザが下りるのか、とても不安でした。
自分は何も悪いことをしていない。そう信じるしかありませんでした。

なんとか申請が完了。パスポートは預けることになります。
後日パスポートを受け取る際の確認票をもらいました。だいたい申請期間は1週間です。
ビザ申請費用は受け取る際に支払うため、この日は1円も支払いません。

かかった時間はおよそ1時間。緊張からクタクタになってしまいました。

3.ビザ申請センターで費用の支払いとパスポートの受取り

パスポートの受け取りは、本人でなくても可能です。
僕は会社を休めなかったため、妹に代理でお願いしました。

申請期間が過ぎた後、いつでも受け取りは可能です。
申請をした時と同じビザ申請センターに行き、「受け取り」と伝えます。
受取り用の列に並び、確認票とビザ申請費用の8,500円を支払い、パスポートを受け取ります。
パスポートの名前を確認しつつ、ビザが貼付されていることを確認します。

これで全て終了です。
僕はトルコへの渡航歴があったものの、無事にビザが下りました。

後日、妹からパスポートを受け取りました。
受け取った瞬間、申請が終わった、とまだ渡航していないのに達成感を感じてしまいました。

***

以上、中国の観光ビザの申請についてまとめてみました。
僕はこのビザを持って、実際に中国に入国することができました。もちろん、入国時にはビザを確認されています。

ビザの申請は大変だし、お金がかかるし、正直面倒です。仕事であれば仕方ないものの、娯楽目的だけでこれらの煩雑な作業を自分で行う人は少数でしょう。

しかし、一度やれば勝手がわかって、二度目はスムーズにできるようになります。
実際、僕は2017年にロシアに入国した際、同じように観光ビザを取得しました。今回、その時に経験したことを思い出しながら、進めることができたため、イレギュラーはありつつもスムーズに進められました。

世界一のパスポートと言われる日本にとって、ビザの申請はかえって貴重な経験でしょう。
しかし、経験してみると意外になんとかなるため、皆さんもよかったらどうですか。

では。

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