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アフリカに熱い食の場を続々生み出すフードカンパニーになりたい話

今、ガーナのからあげ屋さんの2階テラスで、気持ちいい風を浴びながらパソコンに向かっている。向かいを見れば綺麗な住宅街から出入りする高級車が目に入り、後ろを向くとヤギやらニワトリやらがぴょこぴょこ歩いていて、トタン屋根の前では子供達が裸足で駆け回っている。たった数メートル離れただけで全く時空の違った暮らしが繰り広げられているのがここアクラ。

そんなガーナの都心部で、去年からずっと書こう書こう思ってたnoteにようやく手をつけ始めている。



カーネルサンダース目指すのを辞めました

僕らのお店YOOFINは、「からあげ屋さん」と言ってイメージするような専門店というよりも、「からあげ酒場」だ。日本食を楽しめる大衆酒場のようなお店で、からあげは一押しメニューであり、シンボルのような存在。

昔から僕の投稿を見てくれている方には少し違和感があるかもしれないが、ガーナのローカルで屋台を始めたときは、いわゆるファストフード的なからあげ専門店だった。日本発のフライドチキンファストフードで打倒KFCを目指す!と言ってたかと思う。

けれど昨年末くらいからはKFCという言葉を使っておらず、ファストフードという文脈からはシフトチェンジしている。


ーーなぜ、カーネルサンダースの土俵で戦うのを辞めたのか。

いくつか理由はあるが、特に大きいのは、あらためて日本の食に圧倒的な魅力を感じているから。

もちろん日本にいる時から日本食がすごいのは感じているし、これまで様々な国を訪れるたびに日本の食のレベルの高さには驚かされてきた。

けれど、それでもまだまだ自分たちが一番過小評価していたなと思わざるをえないくらい、実際に海外で屋台をやったりイベント出店をしている中で、日本の食のポテンシャルを感じずにはいられなかった。日本食が大好き!と言う言葉を聞き飽きるほど言ってもらえた。東南アジアや欧米諸国で日本の各カルチャーが大人気なのは言うまでもないが、こんな遠い異国のガーナにまでも日本のそれは轟いているのだ。

食もアニメも○道も祭りも、日本のカルチャーはとにかく多様で異様で奥深い。これだけインターネットで負けていてもカルチャーではいまだ世界最強だ。にもかかわらず、言語の壁などあって供給側はまだまだ少ない。可能性しかないのだ。せっかく日本人なんだから、このアドバンテージを活かさない手はない。日本人として生まれてる時点で、食の英才教育を受けているのだから。

そうして日本の魅力を生かそうと思った時に、やっぱりファストフードとの相性は良くないなとつくづく感じた。

からあげファストフードでやっていくと、どうしても単価低く万人受けする方向に持っていかなければならない。こだわりたいのに、もっと面白いと思うものがあるのに、そこにこだわりきれない、こだわるべきでないケースが多々出てきてしまい、日本の食の強みを活かしづらくなってくる。なにより、自分の心が踊らない。

ビジネスとして見ても、薄利多売の戦いになっていくので、小さな弱小企業がやっていくには当然厳しいものがある。日本のように日本食が飽和している状態からはかけ離れているガーナでは、からあげ一本足打法だと機会損失だらけでもある。

ーーもちろんこんなのはすぐに思いつくことかもしれないが、最初はあくまでローカルから日本のおいしさを拡げていきたいという思いがあった、また打倒KFCという響きはワクワクした、そのため、からあげ屋台からスタートした。

そんなこんなで、今はからあげ専門店というよりも、カジュアルに日本の食を楽しめる大衆からあげ酒場を営んでいる。

詳しいことは後ほど書くけれど、変にからあげに固執しないことで、もっとワクワクする未来が見えてきたのだ。



からあげってすごい

とはいえ、やっぱりからあげってすごい。からあげは世界中の誰しもにとって身近な料理だし、みんな大好き。

それはガーナにおいても同じで、Fried Chieckenを嫌いな人なんてなかなかいない。

いきなり日本食と言うと、好きな人は好きだし、良い印象を抱いてる人も多いけど、やっぱり基本的には縁遠い存在。日本人ほど多様な食を受け入れる民族は世界的にはかなり希少であって、ガーナの人も多くは食に対して保守的。そんなガーナ人でも「(Japanese) Fried Chickenだよ!」と言えば、敷居はグッと低くなる。

どんないいものでも手に取ってもらわなきゃ意味がない。ポピュラーで馴染みやすいからあげをフックに、その先にある日本の食の奥深くへと繋がっていく。からあげは、JAPANESE FOOD EXPERIENCEへの入口であり、ガーナと日本をつなぐ架け橋みたいな存在なのだ。

いや~からあげって最高だね。

世界一の日本の食というブランドを、からあげを起点に拡げていきたい。



アクラクラスも面白いぞ

これまでたくさんの方が応援してくれたからこそ出来たのが今のお店。「アフリカのカーネルサンダースになってね」って言ってくれた方も多い。なので、打倒KFCという野望にワクワクしてくれていた方はごめんなさい。

今は、打倒、、なんだろう、あんまり思い浮かばないけど、イテウォンクラスみたいな物語には憧れがある。小さな1軒の居酒屋から、韓国を代表する飲食グループになったドラマ。

小さな屋台から、まずはアクラを代表するおいしいフードカンパニーを目指したいという意味では、アクラクラスって言ってこうかな。笑

実際、屋台を始めた頃はたった1人だったけど、今は少しずつ仲間も増えてきた。まだまだ小さなお店だけど、愉快な仲間たちと一緒に、いつかアフリカを代表するフードカンパニーになれるよう、一歩ずつ「おいしい」を増やしていきたい。



フードカルチャーに風を吹かせたい

韓国といえば、今かなり参考にしたいと思っている会社が1つある。

Ichi corporationという名前で、ソウルに熱い食の場を続々生み出しているフードカンパニー。

モダンタコス屋さん『tac』やチュロス屋さん『Bonilla churros』、つけめん屋さん『menmen』など10店舗ほど運営していて、ソウルのフードカルチャーを牽引し始めている。

YOOFINでも、日本の食を軸に、そんな風に多形態の店舗を展開していきたいと思っている。現在のからあげ酒場をはじめ、焼肉、お茶カフェ、ラーメンなどなど。

軸をからあげから、日本の食という上位のレイヤーに移して、アフリカに熱い食の場を続々生み出すフードカンパニーになっていきたい。日本発のフードカルチャー旋風を巻き起こしたいのだ。

現実的にも、ガーナのアクラはサブサハラアフリカの中ではビジネス環境が熱く、購買力のある人口は多いと言えど、それでもまだまだ消費者の規模には限りがある。

からあげ酒場だけで店舗を増やそうと思っても、どこかでカニバってしまい、展開の難しさに行き詰まってしまう気がするのだ。



思い描く全体像

もう少し詳しく、YOOFINというブランドの全体像を考えてみる。まず、YOOFINを一言で形容するとしたら、

JAPANESE DELICIOUS COMPANY
日本のおいしいを拡げる会社

シンプルど直球にこれを目指す。”日本のおいしい”をコアバリューに、KARAAGE、YAKINIKU、MATCHA、RAMEN、GYOZA、HOZON、SAKE、などなど展開していきたい。

(今思えば会社の名前もシンプルにOishiiにすれば良かったかもしれないけど、YOOFINに愛着湧いてるのでこのままの予定。)

各テーマに無限にプレイヤーがいる日本ではこんな広い軸ではやっていけないけど、ガーナ、アフリカという地では、これが良いのかなと。日本の食という、これから絶対伸びていくであろう概念で最初に思い浮かぶ会社でありたいし、チャンスを感じた時に不必要に軸を狭めて身動きしづらくなるのは良くないなと。

”日本のおいしい”を軸に、土地に合わせたポイントは押さえつつも、変にローカライズしていない、日本そのまんまの魅力。そんな体験をどんどん生み出していきたい。

ガーナの人にとって敷居の低いからあげから始めて、そこでブランドの信頼を作り、「YOOFINが作った他のジャパニーズフードだからおいしいに違いない。やっぱりおいしい!じゃあ次はあっちにも行ってみよう。」そうやっていつしか、アフリカ中で愛されるJAPANESE DELICIOUS COMPANYになっていく。

そんな世界線が理想だ〜

ーーちなみに、屋台は今どうなってるの?という声もあるけど、屋台のある路上一帯は国の区画整理で現在工事中なんです。それが終わったら、焼き鳥屋台か、たこやき屋台、たまごサンド屋さんあたりにしたいなと思ってる。

また、鶏たちが元気に走り回っている養鶏場もあるので、日本クオリティの安心安全おいしい卵にも力をいれていきたい。

もうすぐYOOFINの自家製マヨネーズも販売予定



バランス感覚がすべて

日本とは全く食文化の違うガーナ、アフリカに、どうやって日本の魅力を拡げていくのか。

この手の話になると、プロダクトアウトかマーケットインかみたいな、二項対立で語られることも多い。自分自身が心から欲しいと思うものをエゴに生み出していくのか、今ガーナの人々が求めている市場に合わせて提供していくのか、みたいな。

けれど僕にとってはどちらも大切であり、決してトレードオフではない。自分自身がガーナにいて強烈に欲しいと思うもの、かつ、この土地で受け入れられそうなもの。それを生み出したい。プロダクトアウトで出てきたものでもあり、マーケットに寄り添ってインしたものでもある。自分自身がマーケットの中の一人とも言えるし、5年後のマーケットにインしているとも言えるし、自分たち自身でマーケット
をつくっていくとも言える。とにかく、ボーダーなんてないのだ。

ニッチな熱狂を生むこだわりと、拡がりを持たせるビジネスが両立することは、Appleを筆頭に、この世の素晴らしきブランドやクリエイターたちが証明してくれている。

大好きなSANUのポッドキャストで語られていた言葉を使うと、良いブランドは円錐型である。突き詰めるところはエゴでシャープだけど、入口は広いブランド。そのバランス感覚を研ぎ澄ましたブランドこそが、良いブランドなのだ。

そして、トレードオンで生み出されたブランドの最大の恩恵は、自分たち自身が、ブランドのことを愛し、誇りを持てることだと思う。その愛や誇りは確実にお客さんにも伝わるし、拡がっていく。

YOOFINも、そんな良いブランドになっていきたい。



EXPAND DELICIOUSNESS IN AFRICA

せっかくなので、読んでくれている皆さんに、YOOFINのミッションについてもお話したい。実際にガーナで活動してみて、いろいろ見えてきた中で、当初とは少しずつ変わってきた部分もある。

EXPAND DELICIOUSNESS IN AFRICA -アフリカにおいしいを増やす
これが、YOOFINの存在意義、ミッション。

そしてそのおいしいを増やす全ての活動の先に、BE LIVELY IN BODY AND MIND -心も身体も健やかな社会 を目指している。

日本の食のパワーで、アフリカに「おいしい」を増やす。そしてその「おいしい」を囲むことで、あるいはYOOFINというブランドと接続することで、心身ともに充たされ、生き生きとBe Livelyになっていく。

初めてのおいしい!という感動で生き生きするかもしれないし、お家で栄養たっぷりな卵を不安なく食べられることで健やかに暮らせるかもしれない。あるいはSNSにYOOFINを載せることで充たされるかもしれないし、YOOFINのロゴを身にまとうことで気分が高揚するかもしれない。

「このYOOFINっていうブランドが最高なんだよ!」ってファンの皆さんが熱狂してくれるような、どっちがYOOFINを拡めていく主体者なのかわからないというか。大げさかもしれないけど、自分の人生と一体化している、これがあったから自分の人生を好きになれる。そんな存在になっていきたい。


憧れはスーパーマリオ

これまで50以上の国を訪れてきて、あらためて僕が思っていること。それは、僕は日本が大好きだということ。そして日本は世界最高に面白いということ。世界を知れば知るほど、これを強烈に感じる。

特に最近、ガーナの街中でトヨタやホンダが走っているのを見たり、乗合バスでたまたま隣に座ったガーナ人のヘッドホンがソニーだったりすると、なんだか無性に嬉しくなる。

映画館でスーパーマリオを観たときも、外国人でごった返している渋谷のポケモンセンターに並んだ時も、これが日本発のコンテンツだと考えると胸が熱くなる。

海外で日本のカルチャーが実際に愛されてるのを目の当たりにすると、日本に誇りを持てるし、日本を好きになるし、日本人で良かったとさえ思わせてくれる。

そして、日本の食にも、絶対そのパワーがあると思うのだ。だから僕は、こんな異国で日本のフードカルチャーが愛されていることで、それを見た日本人にとっても、日本をあらためて好きになるようなブランドを作りたいのだ。



3つのおいしいを増やす

僕らのミッションについて、もう少し話を続ける。

"EXPAND  DELICIOUSNESS IN AFRICA -アフリカにおいしいを増やす” には、3つの意味を込めている。

1つ目が、これまで話してきたように、日本の食のパワーでアフリカにおいしい選択肢を増やす、というもの。2つ目は、農村部の孤児院や小学校にて、栄養満点おいしい給食を届ける、というもの。3つ目は、雇用を増やし、おいしく健康的な暮らしを増やす、というもの。

これら3つのおいしいを増やす活動によって、1人でも多くの人の、心も身体も健やかに(BE LIVELY IN BODY AND MIND)していきたい。これがYOOFINのミッションだ。


ーー話は逸れるが、もともと僕がガーナで活動しようと思ったきっかけは、農村部の人々の栄養不足にある。これまで、からあげ×養鶏で栄養改善をしていきたいと言ってきたけれど、持続的なビジネスにできなければそんなの綺麗事で終わってしまう。

鶏肉加工は現実的に初期投資がかなり必要になってしまい、また昨今の飼育飼料やガソリン価格の高騰もあり、正直まだ進めることができていない。

そこで今は、養鶏は卵に集中し、しっかりビジネスとして店舗や商品開発で利益を生んで、それを農村部の栄養改善に回していく。そんな循環をつくっていきたいと思っている。

人生はプランBの連続だ。


おいしい卵で給食づくり

僕は以前ガーナ農村部の小さな村で、そこに住む家族たちと一緒に暮らしていた。

農作業をしたり、料理をつくったり、子どもたちと遊びまわったり。そんな暮らしを2ヶ月ほどする中で、いつも家族仲良く楽しそうな姿を見せてもらったと同時に、安価な主食に偏った栄養不足を強く感じた。

実際、全世界の5歳児未満の子どものうち22.9%、約1億5,500万人という子どもが栄養不良による発育阻害で苦しんでいるというのが現状。

特に不足しているのはタンパク質。農村部の孤児院を訪れた際にも、民間や個人からの寄付でなんとか食事は提供できているが、タンパク質豊富なメニューは週に1回の豆料理の日、動物性タンパク質を摂れるのは極々たまにとのことだった。

タンパク質を充分に摂らないと免疫が低下して病気にかかりやすくなったり、発育阻害に陥ってしまったりする。

そこで、栄養たっぷりなYOOFIN卵などを使い、僕らがおいしい給食を提供することで、健全な体の成長に必要な栄養を子どもたちに届けたいのだ。

さらに、学校においしい給食があることは、子どもにとっても親にとっても、学校に通う/通わせる理由になる。栄養を届けるだけでなく、子どもの就学率向上にも少しでも貢献できたら嬉しい。


ーーからあげ×養鶏は一旦保留だけど、ガーナで過ごす時間も長くなってきて、孤児院の子どもたちと触れ合ったりもした中で、自分に本当にできることは何なのか、やる意味を感じられるのは何なのか、何がやりたいのか、それをしっかり見つめなおした時に、強く心に浮かんだのが給食だった。(もちろん、どっちが正解なんてなくて、自分がどっちを選ぶかでしかなく、選んだ方を実現させていくことにしか価値はない。)

とはいえ、僕らみたいな小さい会社にできることなんてまだまだ限られている。毎日給食を提供できるほどの財務体力はない。最近は自分の小ささに無力感を感じることも多い。

それでも、自分たちのペースで少しずつ、給食の頻度、届けられる範囲を広げていきたいなと思っている。

ご縁があった農村部の孤児院から、おいしいを増やしていく。

世界を変えるとか、社会問題を無くしたいとか、そんな大それたことは言えないけど、自分の周りの1人でも多くのおいしいを増やしていくことはできる。

理不尽で、権威主義的で、賄賂も無くならないこの社会の流れに上手く乗っかって、1人でも、これならやっていけるよねっていう生活をおくれるように、働きかけていきたい。

(もしもサポートしていただける企業様や個人様がいたらご連絡ください。一緒に、栄養たっぷりなおいしいを増やしていけたら嬉しいです。)



結局、雇用が大事

「ニーハオ!仕事くれ!」

ガーナの田舎町を歩けば、そこら中からこう話しかけられる。都心でお店をやっていても、「働かせてほしい」という方が頻繁にやって来る。

この国では、まだまだ雇用機会が圧倒的に足りていない。

灼熱の道端で物売りをしている方たちについてUberの運転手と話した時も、「彼らだって当然クーラーの効いた綺麗な店内で働きたいとは思ってる。けどそんな席はみんなが欲しいから、多くの人はあぶれてしまう。だからしょうがなく、暑い中路上で仕事しているんだ。」と。

AIなどで生産効率を上げることが求められる今の世の中だけれど、この国ではまだまだ労働人口に対する雇用機会が全然足りていない。だからスーパーマーケットとかレストランとか、労働集約的で雇用人数を増やせるビジネスは求められている。

将来的にはこの国も生産性向上の方に進んでいくとは思うけど、まだまだ当面は、雇用の絶対数を増やすことが圧倒的に大事なのだ。


だからこそYOOFINとしても、ビジネスを拡げ、雇用を少しでも多く生み出すことが使命。特にガーナでは、女性が仕事を見つけるのが難しいので、女性の採用には積極的に力を入れていきたいと思っている。

雇用を通じて、おいしく、健康的に暮らせる人数を増やしていきたい。



新しいロゴが完成

ここまで話してきたように、この1年で、目指す先が少しずつ変わってきた。それに伴って、YOOFINのロゴもリニューアル。

ロゴデザイン : タカキアキラ

よーふぃんの「よ」みたいで、YOOFINの「y」みたいな、和な柔らかさのあるロゴ。一膳のお箸と箸置きっぽさも。上部の"シズる感"をお箸が支えている裾野のような役割もあって、おいしいの裾野を拡げていきたいという意味も込めた

「きゅんです」っぽさもあるから、写真撮影の定番YOOFINポーズは指ハートにしようかな?笑

多くの人がこのロゴに愛着湧いて、身に付けたくなるブランドにできるよう、精一杯おいしいを増やしていくぞ〜



理想と現実の間で

ここまで、YOOFINが目指す先について話してきたけれど、現状は全くもって実現できてはいない。まだまだ口だけで、小さなお店を1つ運営しているだけでも、やりたいことが全然できていない。改善しなきゃいけないことだらけだ。

そもそも、この国では思い通り進むことなんて無いに等しい。

昨年の冬、からあげ酒場の工事は始まった。工事が始まるまでにも半年間奮闘していたので、ようやく前物件の解体が始まった時には心の底からホッとした。工事開始後も、政府機関の圧力と戦い続け、何度も白紙に戻されそうになりながら、ようやく春に無事オープンできた。

少ない予算でローカル業者さんと工事したのもあり、数えきれないくらいのトラブルが発生して、イメージ通りにいかないのが当たり前、後出しジャンケンばかりで妥協せざるを得ない箇所だらけ。プランBの連続ながら、なんとか形にしたのが今のお店。

この土地では、何をやるにも時間がかかる。タイムパフォーマンスは信じられないほど悪い。納得できない障壁ばかり。妥協の連続。心身ともに不調にもなった。もう全てめんどくさくなって普通に日本で事業したくなったこともある。そもそも多くの人はガーナに行こうなんて思わない。


ーーけどだからこそ、それが参入障壁になって、乗り越えた先にはチャンスが待っている。そんな気もし始めている。

現に、何人ものお客さんが「お店を作ってくれて本当にありがとう」と言ってくれたり、「ガーナで一番最高なお店だよ!」とロゴグッズを大量購入していってくれたり。把握してるだけでも5〜60以上の国籍の方が来店してくれていて、国際色豊かな空間にもなっている。TikTokなどでのYOOFINコンテンツもたくさん生まれていて、ありがたいことに、少しずつファンも増えてきている。

やっぱり、お客さんからの「ありがとう」ほどモチベーションになるものはない。まだまだ千里の道の2歩目くらいだけど、着実に手応えを感じてきている。戦う場所ってほんとに大事だ。もっともっと、おいしいを増やしていくぞ。

ここまで時間がかかってしまった分、もう一段ギアを上げていこう。



YOOFINに遊びに来てね

あぁ、やっと書けた。

ガーナでの暮らしが長くなるにつれ、自分ができる/すべき/やりたいと思うものが少しずつ変わってきて、けどそれを全然説明できていなくて、ずっとどこかモヤモヤしていた。ようやくシェアすることができて良かった。

YOOFINがあるからガーナに遊びに来た。そんな人が一人でも増えたらいいな。

小さな屋台から、アフリカで愛される”おいしい会社”へ。これから、もっともっと”おいしい”を増やしていきます。いつも見守ってくれている皆さん、本当にありがとうございます。未熟者ではありますが、引き続きよろしくお願いします!


ーーいつの間にか外は暗くなり、”からあげ”と書かれた提灯が明るく灯されている。半袖だと肌寒いこの時期のガーナ。友人たちが載せる長岡花火の様子を羨ましく眺めながら、日本の暑い夏に思い焦がれていたら、なんだかお腹がすいてきた。

今日の夜ご飯は、からあげとチャーハンにしようかな。


読んでいただきありがとうございます!サポートしていただいたお金は、今後のガーナでの活動資金に大切に使わせていただきます!