見出し画像

不道徳教育のススメ

何日目かのゴールデンウィーク、みなさまいかがおすごしでしょうか。
私は早くもがっつり昼夜逆転しそうな生活をしております。
これじゃいけないというんで、今日は天気もいいので野外で読書をしております。(運動ちゃうんかい!)

いま読んでいるのが、三島由紀夫氏の「不道徳教育講座」です。
昭和40年代初頭に発表された本作ですが、
まったくもって現代においても「あるある」と楽しむことができる内容です。
また、著者の美しい日本語の言い回しも心地いいです。


おせっかい、世話焼き、出しゃばりと聞いてどんなイメージをお持ちでしょうか。
少なくとも、発信元である本人は良かれと思って行動しているに違いありません。
つまり善行だと思ってやったこと、言ったことが、受け取り手にとっては害であり、悪であるよくある話です。
こういう人は無料で他人に美しい心の贈り物を捧げることができ、
当人の人生はバラ色なのです。
なぜなら、他人の言動ばかり見ており、自らの言動は自分自身のことなのにまったく視野に入っていないからです。
自分のことは見ていない、見えていないんですね。

他人がそのおせっかいを振り払おうものなら、なんとけしからんとプリプリ怒り出す始末です。

このおせっかい。だれにでも起こりうる行動なのではないでしょうか。
上司は部下に良かれと思って、または指導のつもりで、
学校でだって、先輩から後輩へ、同級生の間だって存在します。
子供だって犬や猫におせっかいをすることがあるでしょう。

なぜか?

おせっかいの唯一の長所が、やっている張本人は正義を安全に振りかざすことができ、善いことをしたと自らが気持ちよくなれるからです。

この「ついつい」焼いてしまいがちなおせっかい。
だいたいは事後に気が付けばまだいいほうで、
本気で自分は善いことをしている。間違っているのは相手のほうだ。と思い込んでいるのが特徴です。
自分が先の感情に陥ったときには、物事を俯瞰して見つめなおして、
様々な視点で考えることができる大人になりたいものです。


この記事が参加している募集

新生活をたのしく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?