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[すこし詩的なものとして]0155 さざなみ

なんだろう
たまに急に
乾いた気がする
かさかさに
潤いがなく
怒りっぽい

海に行くと
やけに心が高鳴って
渚まで走り出したことを
なぜか思い出した

夜更けのビル街は
すきま風がひどくって
孤独のやけどがヒリヒリと
うずいてくる
とてもじゃないけど
やってられない

渋谷のWAVEで
ドキドキしながら
待ち合わせをした
あの時のときめきが
昼間に飲むビールのように
心に潤いを与えてくれた

気難しくなるのは
なんだろう
乾きのせいだろうか
年齢のせいか
友人のせいか
いや、そうじゃない
暮らしのせいでもない
家族のせいでもない
そもそも
自分に立ち返ることがあっただろうか

夏空の中に振り撒いた
ホースから出る水のように
キラキラとしていたいと思った
少しはずかしいけれど
夜中の2時に思ってしまった

もうダメかもしれないし
そうじゃないかもしれない
でも
自分を守れるのは自分だけじゃないか

—————————————

昨夜は、風の強さに季節が去っていくような気持ちがして少し寂しくなった。
夜のビル間を歩くと異様な孤独感に苛まれる。伸びに伸びた髪の毛が唇に引っつく。
嫌になるね。

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