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[すこし詩的なものとして]0151 100マイル先の憂鬱

地下のホームがわからなくて
ウロウロしながら
人の流れについてゆく
一度は降りた階段を
また登ってみると
息がハアハアとあがってしまった
やっとのことで切符を通すと
また階段を降りる
ここはどこの駅だろう
もう目の前がどこなのか
位置情報が崩れてゆく

警音がなると
笛の音とともに扉が閉まる
奥は紫色の椅子に座って
外を眺めた
地下の暗くないホームには
地底人が(ように人たち)がたむろする

進めばそこは折り重なった世界
轟音はリズムよく明滅が闇夜を照らす
潜っては浮き上がり
僕らは90度の位置で左右する

夕焼けが山の谷間に消える時
スピードはスリルにかすんで
眠れない夜をよこす

手を振ることは空の彼方へ
見下ろしはしない
眠れない夜に
退屈なんて集めても
疲れる朝が来る前に
時速100マイルの速さで
君に会いにゆこう

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普段乗らない夜の電車に乗っていると、あてのない果てしない道中にいる気がしてくる。
決してそんなことはないはずなのに、それが永遠の揺れのような気がする。

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