採用短歌まとめ

短歌を投稿するようになり、いくつか採用していただけるようになったので自分の備忘録的にまとめておこうと思います(随時更新)。

1.新聞歌壇

ちょうどいい綺麗さだから盗まれるビニール傘も人の心も
読売歌壇 俵万智選 2021/3/1

深夜二時、律儀に赤信号を待つ Hey Siri, 生まれた意味を教えて
読売歌壇 俵万智選 2021/4/13

失恋のエンドロールに「この恋はフィクションです」と書いて強がる
読売歌壇 俵万智選 2021/5/3

ああこれはきみが最後に辿り着くぼくへの印象みたいな風だ
読売歌壇 俵万智選 2022/6/14

2.うたらば

肌色のクレヨンだけが見つからずこんがり焼けた褐色のパパ
月刊うたらば〈茶〉202011

この恋のスタートラインに立ちたくて聴くわたしらしくないJ-POP
月刊うたらば〈始〉202101

茄子に乗るじいちゃんよりもゆっくりと帰省したくて鈍行列車
月刊うたらば〈移〉202103

お別れを冬の香りのせいにした 会いたいは冬の寒さのせいに
うたらばフリーペーパーVol.29〈香り〉202104

散る桜落ちる過程のどこまでが桜でどこからが塵なのか
月刊うたらば〈散〉202105

ト書きには「悪人のような歩き方」つくられたワルはどこかかわいい
月刊うたらば〈悪〉202106

見どころはCMの後と焦らされて泣くに泣けなくなる名場面
月刊うたらば〈溢〉202109

高架下で電車が通る瞬間を狙って耳打ちするような恋
友達と友達でいるため開けたピアスの穴はもう閉じていた
月刊うたらば〈耳〉202110

お互いの話題カードが尽きてきて同じタイミングで水を飲む
月刊うたらば〈同〉202202

チーターの親子がガゼルを狩る動画ガゼルの気持ちで見る寝れない日
月刊うたらば〈草〉202204

閉店後ずっと光が漏れていて見えないところで世界はまわる
うたらばフリーペーパーVol.31〈光〉202204

3.たんたか短歌

空色のデニムで走る いつもより風の進路に足が馴染んだ
たんたか短歌〈空〉202202

中島が野球にさそう無邪気さをいつからか羨ましく思った
たんたか短歌〈島〉202203





サポートをいただいたら、本屋さんへ行こうと思います。