見出し画像

優れた会社と残念な会社:シンプルなルールが鍵

僕は長年にわたって営業の仕事に従事してきました。その経験を踏まえて、営業マンの視点から見た営業系の会社における「優れた会社」と「残念な会社」の特徴を比較してみました。その結果、両者の間には明らかな違いが存在することが分かりました。


優れた会社

シンプルなルール

上層部が、社員の働きやすさを最優先に考えています。さらに、働きやすい環境が業績向上に繋がることを理解しています。

ルールはシンプルに設定され、基本的なガイドラインのもとで社員に自らの判断を委ねます。これにより社員は自分で決断し、行動する能力を育み、結果として意識レベルと志向性が高まります。そして、社員全員が同じ方向を向くようになります。


無駄なことはしない

社員全員が同じ方向に向かうことで、無意味な打ち合わせや無駄な会議がなくなり、時間の無駄もなくなります。その分、社員は営業に打ち込むことができて成績につながります。

事務作業でも、不要な確認作業や上司への打診を排除することでスムーズに業務が進み、効率が上がります。

無意味な研修を行わず、実践的な経験から学ぶことを重視することで、社員は自らスキルを獲得し自信を持って商品を提案できるようになります。


社員を応援する

社員が特定の商品の販売に意欲を示した場合、上司はその取り組みを支持して積極的に応援します。このような肯定的な姿勢は、上司にとって自然なことです。

また、上司は社員の長所や成果を認識して称賛します。重要なのは、社員の良い面を見つけて評価することです。このような姿勢により、褒め言葉は表面的なものではなく、心からのものとなります。この肯定的なアプローチは、上司のポジティブ思考に基づいています。上層部もまた、ポジティブな考え方と肯定的な態度が最も良い方法であると認識しています。


残念な会社

複雑なルール

上層部が、社員の働きやすさが業績向上へ影響を与えることを理解していません。

ルールが複雑で細かすぎるため、社員は自由に動けずルールに縛られた働き方を強いられます。これにより、社員は自分で考えることをしなくなります。


マニュアル化で社員を型に嵌めようとする

マニュアル化が行き過ぎています。複雑なマニュアルが数多く存在し、一見すると業務の効率化を図るための手段のように思えますが、実際には社員を過度に制限してしまいます。

社員を一定の型に嵌め込もうとするこれらのマニュアルは、仕事の内容によっては効果的に機能することもありますが、しばしば柔軟性を欠き、逆に社員のパフォーマンスを低下させる結果となります。特に、マニュアルに縛られ過ぎると、社員は自らの判断力を失い、「マニュアル通りに動くこと」に集中するようになります。これにより、社員は効果的な働き方を考えるよりも、マニュアルを正確に守ることに注意を向けるようになり、結果として意識レベルが低下します。

また、上司からの指示で動くのが当たり前の感覚に陥りますので、社員からは積極性が失われます。

このような状況では、チームとしての一体感が損なわれ、それぞれの社員の心はバラバラになりがちです。組織全体のパフォーマンスにも影響を及ぼすことになります。


無駄な会議、不要な確認、無意味な研修

社員全員が同じ方向を向いていないため、意思確認のための打ち合わせが多くなります。

無駄な会議も多く、多くの社員がこれらの会議を単なる形式的なものと捉えています。その結果、参加者は積極的に発言することなく、ただ早く会議が終わることを願っています。

事務作業では、不要な確認作業や上司との相談が頻繁に必要となり、これが作業の中断を引き起こすことが多いです。

社員への研修が過剰に行われています。とにかく社員に知識を詰め込ませようとします。しかし、多くの研修が実務に直接結びつかず、結果として時間の無駄遣いとなります。このため、社員は本来の業務に専念できず、効率が低下してしまいます。営業マンの中には、「会社のせいで仕事が進まない」とか「会社に邪魔をされている」と不満を漏らす人もいます。やはり身になるのは実戦です。無意味な研修よりも実践に時間を割く方が、はるかに効果的です。


会社の方針の過度な押し付け

社員が特定の商品の販売に意欲を示して営業の成果を上げていても、それに対して肯定的でなく、会社の方針として別の商品の販売を促すことがあります。これにより、社員の積極性が阻害されることがあります。

人間の心理として、何かを行いたいという意欲があるときにその行動が妨げられると、大きなストレスを感じるとされています。悲しいことに、このような状況は残念な会社でよく見られることのようです。


社員のマイナス面に焦点を当てる

社員が成果を挙げたことを評価するよりも、目標達成できなかった点に焦点を当てて批判することの方が多いようです。

せっかく成果を挙げたにも関わらず褒められないと、社員は自分の努力が認められていないと感じて不満が溜まります。このような状態が続くと、社員はモチベーションを下げ、働く意欲が失われていく可能性があります。


まとめ

こうやって比較してみると、優れた会社と残念な会社の違いは、社員の自主性と意識レベル、業務の効率化に対する上層部の理解度に大きく依存することがわかります。優れた会社ではシンプルなルールと肯定的な環境が社員の成長と業績向上を促し、残念な会社では複雑なルールと非効率なプロセスがその障害となっているのです。

それにしても、非効率な運営をする会社が存在する理由は何なのでしょうか。これは実に不思議なことです(笑)。恐らく、上層部の知識不足が原因の一つではないかと考えられます。特に大企業の場合、中小企業に比べて経済的な余裕があるため、問題点を放置しやすいのかもしれません。さらに、上層部が現場の実情を把握していないことも、机上の理論だけで方針を決定してしまう原因となっているようです。このような状況は、会社側の自己満足につながっているとも言えるでしょう(笑)


この記事が参加している募集

この経験に学べ

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?