抱きしめたい
きみの笑顔。
笑い声。
頭皮の匂い。
思い出しては胸が塞ぐ。
また、きみを抱き締めて、頭皮の匂いを思い切り吸い込みたい。
小さなきみのふとももを握って、この足でこれから歩いていく道のりに思いを馳せたい。
全部わたしが手放したもの。
きみの笑顔の先に、もう、わたしはいないんだね。
無邪気に駆け寄ってきてくれるきみにはもう会えない。
地面の小石を渡してきてくれるきみにも、もう会えない。
この瞬間も成長していくきみに、もう、会うことはない。
わたしがいなくてごめん。
わたしがいない方がよかったかな。
わたしがいなくてよかったかな。
きみの幸せのためなら、忘れられても、いいよ。
わたしはずっと忘れないからね。
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