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シロが歯の治療をした-猫と暮らして(14)

シロの定期検診で

シロが年齢的に折り返し地点になったため、定期検診の回数を年に1回から2回に増やした。
検診をすると一回に1万前後の費用がかかる。吝嗇なあたしだが、シロの健康は最優先。ここはケチらない。

先日、定期検診を終えて、色々と結果を聞いた。尿も血液もレントゲンも異常無し。体重が減っているので少し多めにご飯やおやつを与えてよいらしい。概ね問題無しだった。
ただ、気になる点もあり、奥歯の歯肉がやや赤くなっているとのことだった。

以前から歯のことが気になっていた。
人間の健康寿命は歯の調子と直結している。どうやら猫も同じようで、そのうち歯の治療が必要だと思っていた。

先生と相談して、数週間後に治療をすることになった。

手術まで、手術、術後

手術当日の午前0時から朝まで絶食しなければならず、ご飯を食べられないシロは何度も鳴いていたり、あたしのところに来てあたしのあごをなめて手で顔を叩いたりして「ご飯ちょうだい!」とアピールしてきたが、心を鬼にしてそして心で誤りながら、餌を与えなかった。辛い。

猫の歯の治療は人間のように簡単ではない。
まず暴れないように全身麻酔をかける。このとき、吐き戻しがあると喉に餌がつまり呼吸困難になる恐れがある。絶食はそのためだった。

手術当日。術後に何かあった際の対応のため、手術は午前の早いうちから始まる。シロをキャリーケースに押し込めて、自転車で病院に向かう。押し込めるときも外移動のときも、シロは低い声でずっと泣く。
病院に着くと観念するのか、泣きやんでケースの中で丸く固まっている。飼い主の匂いがついたものがあると安心するので、ケースにあたしのパジャマを詰めている。パジャマに顔を埋めるシロ。

手術直前。手術の同意書を先生に渡して、最後の説明を聞く。大丈夫だと思いながらも、お世話になっている病院を疑うわけではないが、やはり飼い主としての不安は完全には消えない。

手術開始。手術は数時間かかる。一旦帰宅して昼飯を食べた。食べながら無事に事が終わってほしいとずっと考えていた。確か昼食は昨晩の残りの野菜炒めだった、と思う……。

手術が終了の連絡がきたため、病院へ向かい、手術結果を先生から聞いた。

歯石を取り、歯肉を良い状態に戻すため、レーザーで焼いた。奥歯がぐらついていたため、抜歯した。対にある奥歯もバランスを取るために抜歯した。軽い虫歯が見つかったが今回は様子見。麻酔による後遺症などは無い。

歯はひどい状態ではなかったものの、良くもなかった。
シロはしっかり歳をとっていた。
猫の年齢を人間に当てはめると、人の約4倍になる。シロは中年であたしと同じくらいの年齢だが、来年はあたしの歳を超えることになる。

抗生物質と痛み止めの薬をいただき、治療代を払ってシロと帰宅した。

帰宅後シロは、部屋の奥で丸まり元気が無かった。そりゃそうだろう。
少し時間がたってから、薬をあげてみた。そのまま飲むのは難しいので、餌に練り込んだ。
チュールポケットという餌があり、文字通り粒の中央が凹んで「ポケット」になっている。この「ポケット」に薬を埋め込む。
食べるか心配だったが、うまく薬を飲み込んでくれた。少量だが餌も食べた。まずは一安心だった。

次の日も、その次の日も薬を飲んでくれたし、餌も食べてくれた。

ところが、手術から三日後の夜に、餌を食べすぎたせいで餌と薬を吐いてしまい、それ以降薬も餌を食べなくなってしまった。
歯を抜いたせいで、餌が口から落ちてしまう。最初の二日間はなんとかうまく食べていたのだが、吐いたことをきっかけに、餌をうまく食べることができなくなってしまった。試しに新しい餌を与えても興味を持たない。水分補給も怪しくなってきた。
不安に思い、病院に連絡すると「検査するのですぐに来てください」と言われた。急ぎシロをキャリーケースに入れて病院に向かった。
先生から歯の様子を見てもらったところ、

ひどい腫れや赤み、出血は見られない。あと数日抗生物質や痛み止めの薬はあるが、今回点滴で薬と水分を補給して、いったんお薬は終了。体重が減っている。家に帰って総合栄養食でもおやつでもいいのでとにかく食べやすいものを与えてほしい。また様子がおかしくなったらすぐに連絡すること。

という診断が下った。

シロと一緒に帰宅した後、近くのスーパーで、シロが好みそうなフードを何種類か購入した。そして、色々試しながら餌をシロにあげた。
点滴のおかげでわずかに元気になったシロは、少しずつ食欲が戻り、口からの食べこぼしも減ってきた。新しい食べ方を覚えてくれたようだ。

手術から数日で約200g体重が落ちたのだが、まめに餌を与えることで、元の体重に戻った。ただ、理想の体重はさらに+200〜400gなので、引き続き好きな総合栄養食とおやつを交互に与えている。頑張れよ。

手術から数週間後。体重がさらに少し増えて、腰の辺りの骨ばった感じが消えた。あいかわらず、餌とおやつを交互に食べている。お昼は人間の布団で丸まっていて、ときどき「遊ぼう」と声をかけている。つまり、術後の経過は良いようである。

今後は食後きちんと歯のケアをしてあげて、シロの健康寿命をできる限り伸ばしてあげたい。これからも食べて寝て少し遊んで一緒に暮らしていく。

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