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アフターコロナと公園と商業の不思議な関係_宮下パークができた背景の考察

コロナで生活様式は一変し様々な社会変化を起こしている。その変化はきっと元に戻らず今まで眠っていた潜在需要をいっきに顕在化し当事者である私たちにもわからないほどの大きな変化が起きている。

商業と公園の不思議な関係性について話したい。中心市街地にある商店街衰退の原因が郊外立地のショッピングモールと言われおり(厳密には違うが)、中心市街地の保護を目的に2000年の法改正まで大規模小売店舗立地法によって規制がかけられていた。

そのため1980年代、1990年代は「街づくり型」と聞こえのいい言葉で公園と一体型のショッピングモールがいくつか開発され、「公園」をキーワードに言わば法規制のグレーゾーンを使って大規模なショッピングモールが開発されている。これが日本における商業と公園の不思議な関係性のスタートではないかと思う。

そもそも日本人は、外での食事は「行儀が悪い」と公園や屋外での生活が上手くない。おまけに公園法により日本の公園は、建物や商業的な活動に大きな規制をかけられている。その結果、どこぞやの建築系の先生達の作る面白くない公園(ランドスケープ)がいくつも出来上がってしまった。

時は2000年代以降になるが、経済の発展とショッピングモールの相性は良く法規制の緩和もあり、そんな不出来な公園を横目に、内部空間にいながら外のような大空間を有する大型ショッピングモールの開発ラッシュと繋がる。多くの余暇はショッピングモールで過ごすことであり、モノを買うことが豊かさにつながった時代である。

2010年代以降もショッピングモールの開発は続く。その数は全国に500SCを超える。しかし2010年代後半になるとショッピングモールの開発の鈍化と共に坪販売効率も著しく落ちていきテナントが商業施設を選ぶ時代が来ていた。そこに2020年にコロナによる大転換期が起きたのた。

この頃日本人の生活も随分と変わる。と言うか世界的に生活の質の向上は「モノを買う事」ではなくなってきていた。余暇の過ごし方として上位にランクする「ウィンドウショッピング」に大きな変化が現れたのだ。

丁度そのころ公園法の不都合(商業的な活用を抑制)を解消するかのようなParkPFI(公園法の改正)を活用した公園の商業化が行われはじめる。背景には余暇の過ごし方の選択肢に「自然豊かな環境で過ごす(公園)」が増加したからだ。もちろん行政財源の問題はあるが、私はこのニーズの変化が大きな要因だと思う。

2020年代に入り「公園への商業の付加」「経済合理性だけのSCの崩壊」この二つの傾向はコロナによって加速した。余暇過ごしの場を奪われたショッピングモールは1980年代・1990年代のような上辺だけの「公園」との関係性ではなく、本当の意味で「公園とモール」の融合を目指しはじめている。

※写真_宮下パークレイヤード_撮影2020年9月頃







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