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さまざまな臓器に作用する筋肉から出るマイオカイン

マイオカインというのは、骨格筋から分泌される様々な物質、例えばホルモンやペプチドなどの総称です。このマイオカインという概念は、ここ20年ほどで広く知られるようになり、これまでに数十種類ものマイオカインが特定されています。

マイオカインは、筋肉から分泌された後、筋肉自体に作用するもののほかに、血液を介して全身に運ばれ、さまざまな臓器に良い影響を及ぼすものも存在することが分かっています。また、運動によって生み出される「運動誘発性」のマイオカインもあり、これにより運動をすることが各臓器に良い影響をもたらします。

健康維持のために運動をすることの重要性は広く知られています。運動を行うことで、筋肉を動かす際に糖や脂肪がエネルギー源として消費されるため、肥満や糖尿病といった疾患の予防に効果があるとされています。これまでは、筋肉はエネルギーを使う「受動的」な組織であり、筋肉が物質を分泌して他の臓器に信号を送ることは知られていませんでした。しかし、マイオカインと呼ばれる物質の存在が発見されたことで、運動と健康のつながりがより明確になり、科学的根拠が強化されています。

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