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偉人伝に子どもの頃のことが必ず書かれているのはなぜなのか

偉人伝を昔よく読んだという方も多いだろう。

現在でも、テレビ番組やネットの動画などで、功成り名を遂げた人物の話が流れてくることも多い。

偉人伝やひとかどの人物の話を聞くと、成功して有名になった後はもちろんのこと、そこに至るまでの、生まれてからそれまでの人生がよく語られる。

どこで誰のもとに生まれたのか。いつどこでどんな人に育てられたのか。十代のときにどこでどんな教育を受けたのか。その場所はどんな場所で、その時代はどんな時代だったのか。その人が二十代だった時には、どこで誰とどんな生活をして、その場所やその時代はどんなものだったのか。

最終的にその人が成し遂げたものだけではなく、そこに至るまでのその人の人生に、かなり大きくフォーカスが当てられる。

それは、子どもの頃のその人の生活が、偉人になるために大きな影響を与えたからだ。

どこで生まれて、誰にどんな風に育てられ、どこでどんな教育を受けて、そこで誰と出会い、何を話し、何を見、何を聞き、どんなことをしたのか。その時代はどんな風が吹いていて、その場所はどんな匂いがして、そこにいる人たちはどんな輝きを発していたのか。

その時代、その場所、そこの人たちの、ほんのわずかな風や匂いや輝きが、その人に影響を与えた。その人の人生を変えた。

子どもの頃ふと見た光景が、学校の先生の一言が、クラスメイトの行動が、人々の噂話やニュースが、その一瞬の力が、人生を大きく変えたのだ。

だから、偉人伝には、生まれてからのことが、小さなエピソードが、詳しく書かれている。

そして、どこで生まれて、どんな人に育てられ、どこでどんな教育を受けたのかが人に大きな影響を与えるのは、なにも偉人に限ったことではない。

私たち市井の人々も、そんなものに大きく影響され、人生を変えている。

そして今は、十代のときにどこでどんな人たちと過ごし、どんな教育を受けるのかを、選べる時代になった。

どんな場所で、どんな時代に、どんな人々と一緒に過ごすのか。それがその後の人生に大きな影響を与えるのなら、そしてそれを自ら選べるのなら、そのチャンスを見過ごさないように、慎重にそして大胆に選んでいくのがいいのではないだろうか。


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