子どもが出てくる映画の話をしよう。その1『ザ・チャイルド』

子どもの映画がすきだ。

子ども向けの映画というよりも、子どもが出てくる映画がすき。子どもがすきだからとか、かわいいからとか、純粋だからとか、そういう感じではない。だって、基本的に子どもは「不思議な」「コワイ」存在だと思っているから。

なにしろ生まれてはじめて、自分のお金で、自分の好みで、たった一人で映画館にいって観たのが、その名もずばり『ザ・チャイルド』(1976)である。ジャンルでいえば、ホラーだ。この映画を知っているというひとは、今まで一度しかあったことがない。そのくらい古いし、やっぱちょっとマイナーかな。

映画は、とある小さな島に観光で訪れた夫婦の話。そこには無邪気そうな子どもたちがいっぱいいて……じつにたくさんいて……てか、子どもしかいなくて。最初は子どもたちをほほえましいと思っていた夫婦は、次第に島の異常な事態に気づいていく……。ホラーでありながら、イタリアだかどこかの地中海の明るい日差しのなかでくりひろげられている。その点は、今思えば珍しいっちゃあ珍しいような気がする。

この映画、実はむかぁしテレビでも放送された。かなり昔ね。でも冒頭部分が丸まるカットされていた。それは、実際の戦争のひときわ残虐な記録映像だ。その記録映画が流れているテレビを夫婦が島へ行く前にカフェで観ている・・というふうにはじまっていたような。この冒頭の映像が「・・・」と思うほど長いのだが、それがその後の物語のテーマだか伏線(らしきもの)となっている。

『ザ・チャイルド』さくっと調べると、じつはスペイン映画だと知り、今驚いた。原題は ?QUIEN PUEDE MATAR A UN NINO? ~誰が子どもを殺せるか?~ 考えてみると、この原題が一番怖い。

こうして、人生初の映画館体験は、子どもがでてくるホラー映画だった。今はもうないだろう、おばちゃんがキップのもぎりをやっているような町の映画館で。

そうしてその後も、気がつくと子ども映画を好んで観ている。そんな話をつらつらと書き連ねていければと思っております。














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