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西加奈子さん「さくら」を読んで

出版された頃、一緒に働いていた人から教えてもらった西加奈子さん「さくら」。約20年(!)たってやっと読んだ。せっかく教えてくれたのに、読むのこんなに遅くなってしまった。

物語の中判まで、すらすらと読み進むことが出来なくて、ゆっくりゆっくり読んでいた。
でもそれまでのことがあって、そうなった今のことに物語が進むと、時々涙ぐみながら一気に読み終えた。

両親と三兄弟と雑種犬のさくらにまつわる物語。ごくごく平凡な家族なのだけど、その中にはいろいろある。
それは多分誰でもそうなのかも知れず、幸せそうにいつも楽しそうに見える人も、大小様々ないろいろがあって日々を楽しく過ごすようにしているのかも知れず、その人のことを知らないと、話さないとわからないよなぁと思う。

西加奈子さんのあとがきにあった「悲しい時もうれしい時も素直な気持ちに任せて犬のようにぶんぶん尻尾を振るように生きたい」というようなこと(あとがきの本文ままではありません)が書かれてた。

私も自分の気持ちを思いきり感じながら、それを恥ずかしがらずに表現したいなぁと思う。
でも、時には愛のある嘘が必要な時もあるよね、と心に残る台詞の中にあった。

そして、今私が大事にしたいと思ってる気持ちと同じようなことが、ここにも書かれていた。
伝えたい気持ちはすぐに伝えなくては、いつ伝えられなくなるかわからないから、ということ。私には簡単ではないことだけど、最近そのことを気持ちの中心に置いているからか、同じような言葉を何度もいろいろなところで目にする。

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