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札幌ラーメンは、なぜちぢれているのか?

ラーメン。

札幌のラーメンといえば、
味噌ラーメンを思い浮かべる方が多そうだ。

小さなころから味噌ラーメンに親しんできた生粋の道産子どさんこの私であるから、これが比較的特別なものだと知ったのは、大人になってからであった。


どういうことかというと、それぞれの地域で食べられるラーメンの種類は異なるということである。味噌ラーメンは全国では当たり前ではないらしいのだ。


福岡ならとんこつ? 麺はストレート? 
一風堂とか一蘭あたりが代表格だろうか。


東京、大阪、名古屋でよく食べられるラーメンの種類がなんなのか、私は知らない。


ラーメンといえば、味噌、醤油、塩、そしてとんこつ、というこの4種類が最もメジャーなのかな、と思うが、札幌人の私の場合、ラーメンは味噌一択である。


各地域で好まれる味が異なると書いたが、めんの種類も違うらしい。全国的にはストレート系の麺が主流を占めるとか占めないとか。

真偽はわからないけど、そうらしい。

いまこれをお読みの方が脳裏に思い浮かべるラーメンも、それぞれできっと異なるはず。


「そうか、ラーメンは味噌一択ではないのか」


と気づいたのは、東京に出張に行き、関東にいる会社の仲間たちが、それぞれ思い思いのラーメンを食べている様子を見たときであり、


同時に、

「なるほど、ちぢれ麺も、当たり前のものではないのだな」

と、思ったものである。





さて、


札幌のラーメンは、ほとんどがちぢれ麺だ。

画像で見ればよくわかる。

ちれぢれ〜


私にとっては、ラーメンの麺はちぢれているものである。が、どうやら全国的に見ると違うらしい。

これは、札幌特有の事情があるらしいのだ。



ちょっと、スクロールの指を止めて
考えてみてほしい。




札幌ラーメンは、なぜちぢれているのか?




なぜ札幌のラーメンはちぢれているのか?




なぜだ?



もうちょい考えてみて。




……

..
.




(考えた?)




今から5、6年前の暑い夏。
私は営業活動をしていた。

札幌市内の最も有名で、
老舗の製麺会社に営業に行ったのだ。

ここの創業家一族のおじいさん役員に会いに行った。直接電話をかけて話をして、アポイントを取った。

あっつ〜い夏だった。

社内の商談テーブルには冷房がなく、その役員は「暑くてごめんね。後ろの窓をあけてもいいからね」と言ってくれたからお言葉に甘えた。


まぁ、普通に仕事の話をした。
商談、打ち合わせである。


札幌ラーメンの歴史はこの会社が作った。

と、いうことは商談前の事前調査で調べ尽くしていた。札幌ラーメンの原型は、この会社が作ったのだと。


創業時のエピソードを聞いた。
おじいさん役員は様々な思い出話をしてくれた。


その中で、こんな質問をされた。

「ときにイトーさん、札幌ラーメンがなぜちぢれているのか、ご存知ですか?」


これに関しては知らなかったので、興味津々である。実際に作った人たちから直接話を聞ける機会というのは、そうそうない。

なぜだ、なぜだ?

なぜちぢれているんだ?


「それはね、イトーさん。麺がちぢれていれば、お箸から麺が落ちづらくなるからですよ」



「ほう! と言いますと?」

「昭和の時代は屋台ラーメンが主流でね。みんな外でラーメンを食べていたんです。寒い冬でも外で食べていたんですよ」


「なるほど!」


「寒いですから手が震えるでしょう。手袋をしてる人もいましたから、ストレート麺だと食べづらいんですね。だったらちぢれていればいい。そうしたら麺がお箸にからまってくれる」


「そ、そういうわけなんですか!」



なるほどなぁ〜とヒザを打ったもので。

この話は、札幌に住む人でも
そう多くは知らないのではないか。


考えたこともなかったなぁ。

当たり前すぎて疑問をもつことがないことって、まだまだあるなぁ、と思いながら帰った記憶がある。


とっても暑い夏の思い出である。


<あとがき>
きっと、いやいや実はあの会社が発祥なんですよ、だとかはあるかもしれません。が、その会社というのは札幌市内では本当に有名な会社なもんですから妙な説得力がありました。ちなみに製麺会社というのは、ラーメン屋さんが繁盛店になるためのコンサルみたいなこともしてくれるらしいです。それも知らなかったなぁ。今日も最後までありがとうございました。

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