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栃木県北部へ移住したら都会より便利だった話。

生まれも育ちも東京のぼくには持ち家があり、ありがたいことに家賃はほぼゼロの状態だった。転職をしたおかげで収入もあがり、生活にも余裕がある。正直、わざわざ東京を離れる必要はなかった。離れない理由のほうが圧倒的に多い。きっとぼくと同じ状況だったら、ほとんどの人が移住なんて1ミリも考えないだろう。

まわりには「子供を自然のなかでのびのびと育てたいから」とそれっぽくいってはいるが、本当はなんとなく環境を変えてみたいという漠然とした理由だった。

そんな本音よりも子育てを理由にしたほうが印象がいいので、基本的にはそっちで通している。おかげでまわりにはステキな父親像を植え付けることに成功した。

移住先は栃木県北部。都心からもそこそこ近く、東京通勤でもギリギリ通える距離。観光地には移住者が多いらしく、それぞれが好きなテイストのお店を出している。車を走らせていると、クラシックカー博物館フィンランドの森インドとタイとネパールを複合させたテーマパークヨーロッパの輸入家具店やなんかが立ち並んでいる。ここら一帯にコンセプトなんてものは存在しないのだろう。

そんな観光地から車で数十分走らせたところに、ぼくは今年の4月に移住した。築40年の戸建ての賃貸で、簡単なDIYなら大丈夫という好条件。すでに壁が穴だらけだったり、壁から釘が飛びでてたり、ネジが埋め込められたりしているので、こちらもありがたく家中に穴をあけまくっている。

さらに、近くには大型スーパーや都内ではお目にかかれないサイズのダイソーもある。TSUTAYAには東京ではほとんどなくなった「漫画レンタル」も健在だ。アウトドア用品店の品揃えも充実しているし、アウトレットも近い。スタバも、マックも、ニトリもある。これらが自転車でもいける距離に点々とあるので、生活にはまったく困らない。

むしろ便利すぎる。

「こっちじゃ車がないとコンビニにもいけないよ」とか言ってみたかったが、残念なことに最寄りのコンビニまでは徒歩5分だ。向かいには大きなドラッグストアもできるらしい。

もう一度言うが、便利すぎる。

トイレやお風呂に物足りなさはあるものの、1ヶ月もいれば慣れてくるし、夕方から日の出まで鳴きつづけるカエルの大合唱も、今やBGMに感じられるようになった。

驚くような体験がひとつもできなさそうな移住生活が始まり、早1ヶ月。あまり大きな刺激を期待せずに、ひとまずはのんびりと過ごしていこう。

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