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学生スタートアップ・チームの思いを言語化するワークショップーレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドを使って

 勤務先の学生(OBを含む)のスタートアップから相談を受けました。
 フルタイムのチームではないので、各メンバーのチームへの関わり方をしっかりと擦り合わせてチーム力を高めたい、とのことでした。また、自分達の考えているプロダクト(サービス)を改めて見直したいとのことで、テーマにしていることを「そもそも論」まで遡って、プロダクトのイメージとチームのミッション・ビジョンを明確にしたいとのことでした。
 2つの狙い、あわせて6時間のワークショップを行いました。

 最初に1時間ぐらいの練習セッションをした上で、まずは自分が充実感を最大限に感じるようなチームへの理想の関わり方を作ってもらいました。
 一人一人の作品を作ってまずはじっくりお互いの作品について語り合います。

作品をつくっているところ

 その後、それぞれの作品の中から最も大事な部分を抜き出して、一つのモデルへと収斂させるように進行しました。

チームで共有した「理想とするチーム活動」のモデル

 ワークでは、このモデルを全員が同じ言葉で語れるようにして終わることも多いのですが、その言葉をより大事に抱えて進んでほしいと思い、改めて文章化するところまで行いました。

改めて書き出してみる


 実際に文章化をしてもらってみると、語っていたときとは、わずかに違う表現になっています。ただその違いが大きなずれになっていくので、モデルの表現と文章の対応が綺麗に一致するように時々指摘を加えながら、言葉を整えていきます。

完成形

 30分ほどかけて上記の写真のようになりました。
 実際にモデルには言葉になっていない要素同士の相互配置とか、モデルの動き(上記の写真でいうと状況に応じた車部分の動き)とかリッチな意味がくっついているのですが、写真だけ見て意味を思い出すという習慣をほとんどの方は持っていないので今回は文章化までワンセットでワークのアウトプットとしました。

 また、文章にするプロセスで、改めてモデルのどの部分がより重要な表現なのか、モデルの表現から出てくるキーワードはその表現でいいのか(例えば「情熱」なのか「想い」なのかなど)など、単にモデルを文字起こしするだけではなく、改めてモデルと言葉を往復して、さらに意味を深める時間になっていました

 後半も同じように、事業のコンセプトに深く関わる問いを出し、共有モデルを作って言語化を行いました。個人でのモデル作成、他のメンバーへの説明から、一つのモデルへと取りまとめていきました。その後、文章化を行いました。
 「理想とするチーム活動」のパートと、大体同じくらいの時間(2時間半ほど)で全員が納得するところまで落としていきました(プロダクトのアイデアが入っているので写真は載せませんが)。

 参加チームの皆さんは2つの狙い(チームの在り方とプロダクトの在り方)に対するアウトプットに対し、大いに満足してもらえました。また、これもレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドならではですが、お互いの個性活かせて、かつ想像力をフル回転して議論できたので非常に楽しかったとコメントをいただきました。

 私としても、ブロックで作られたモデルを文章化してその後の日々の活動へと接続していくということについて課題感をもっていましたが、上述したとおり、その移行プロセスの中に独自の価値が存在するとも感じられたので、今後もモデルの記録や文章化のポイントについて考察と実践を重ねていこうと思いました。

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