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「編集とは」。vol.16...編集長の書き置き。

終わるんだろうか、この連載、と不安になるくらい書くことが次から次へと出てきますね。それだけやることの多い仕事ってことですね、雑誌編集。ありがたや。

編集とは。続きです。これまで同様に、月刊誌のさらに情報誌の編集ってことで、具体的な内容になります。

約束していた、外注の際の留意点について、今日は制作スタッフへの依頼についてです。弊誌では制作スタッフが社員として働いてくれているので、コスト意識が希薄になりがちですが、外注と同じように費用がかかっていることを認識するべきだと思います。

制作スタッフは大きく分けて、デザイナー(グラフィックデザイナー)とDTPオペレーターに分けられます。大きな会社なら、その上にクリエイティブディレクターがいます。

編集者がDTPまでやる編集部もあるようですが、私が経験してきた会社では、明確に役割が分かれていました。

マッキントッシュ(Mac)上で、Adobeのソフト(Illustrator、Photoshop、インデザイン)を使ってページを組み上げます。

Windows版のIllustrator(通称イラレ)を使う場合もあるようですが、プロ仕様となったらMacが普通だと思います。

Adobeのライセンスやフォント(書体)が買い切りじゃなくなって、個人では商売がやりにくい世の中になっているようにも思いますが、フリーのグラフィックデザイナーさんも着実に増えているんでしょうね。

前置きで終わるのを避けまして、制作スタッフに依頼をする際の留意点ですが、弊誌ではレイアウト用紙に具体的に手書きで仕上がりに近いものを書いて、渡しています。写真と文章の置き場所、色やフォントの指示もレイアウト用紙に書き込みます。さらに制作スタッフの手を煩わせないように、テキストデータも編集サイドが打ち込んだワードを用意します。

というのも、デザイナーではなくDTPオペレーターが制作スタッフを占めているからであります。

弊誌では、広告の場合、クライアントの意図を汲んだデザインレイアウトや文章を、編集者サイドが考えて形に落とし込むまでを担当します。

記事の場合はなおさら、編集者の意図を示す手書きのレイアウト用紙の通りに組み上げれば形になる、というところまで完成度高く仕上げます。

グラフィックデザイナーがいる場合は、ざっくりとした構成内容とデザインテイストの指示(テキストデータは編集が用意)を出すだけで、最適なデザインレイアウトを考えてくれます。

クリエイティブディレクターとなれば、場合によっては編集者や営業スタッフに同行して、コンセプトから考えを提示してデザインに落とし込んでくれます。

ということから分かるように、クリエイティブディレクター、グラフィックデザイナー(アートディレクター)、DTPオペレーターで頼む際の費用が違います。

頭の中にあるイメージを言葉やレイアウト用紙に落とし込む力のある編集者は、制作を外注する時も、交渉によっては安く費用を抑えることもできるかと思います。

外注する場合は、校正回数に応じた費用の追加もあり得るので、打ち合わせは密にしたいところですが、きちんと伝えていても勘違いが発生するとか何とか、どんな現場でも「自分でやった方が早い!」と、ヤキモキすることは、完全にはなくならないかなとも思います。

あと重要なのがスケジュール管理ですね。高いから速いとも限らないですし、川上である企画から携わってもらうとなれば時間も手間も費用もかかりますしね。グロスで頼むやり方なら、最短で納めようとする人もいるかもしれませんし、逆にじっくり構える人もいるかなとも思います。

最初に依頼する段階で、納期と費用について合意を得ることは、ライター同様に必須事項ですね。

過去一長くなってしまったかも。制作スタッフとのやりとりは、必ず必要になる事項なので、まだ書き足りない気持ちにもなりますが、ライターさん同様、自分にはできないからお願いしているという、相手を尊重する姿勢は忘れてはいけないことですね。

明日は、だいぶ以前から約束している、ネタ集めについて書いてみます。

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