見出し画像

いつもの公園での珍しい出来事

 今朝は珍しく家族全員がバタバタと家を出てくれた。いつもだと息子の大学の授業が午後からだとか、夫や娘がリモートで仕事をするので一日中家にいるとか。。昼食時間にも誰かしらが家にいることになるし、音が出るようなディープな家事は出来ない。狭いアパート暮らしのこと、なんとなく窮屈さを感じてしまうのだ。

 一番早くに帰って来る可能性があるのは夫だったが、とりあえず昼食は要らないという。少なくとも午前中は自由に過ごせる。やった!簡単にトイレ掃除や鉢植えの水やりだけを済ませて、いつもの公園に向かう。片耳にイヤホン。今日のウォーキングのお供は対談のポッドキャスト。

 家を出て程なく、前方から来る女性に呼び止められた。以前記事にも書いた、近所に住む同胞の友達だった。あれから半年以上の月日が流れていた。お互いの近況をアップデート、うちは引っ越しをしたところだったので、彼女にも「ほら、あそこ」とアパートを指差して伝えることができた。

 なんと、彼女も引っ越しをして、私たちが以前住んでいたアパートのご近所さんではなくなっていたのだった。高校生である下のお子さんやご主人様の職場からも徒歩圏内で、古いながらも立地条件の良いアパートだそうだ。彼女はお子さんの運転手を務める必要もなくなり、ストレスフリーなせいか表情は明るかった。私たちはいつもながら、次の再会を約束することなく別れた。きっと然るべき時が来たら、この道のどこかで彼女の方から声をかけてくれるのだろう、今までもそうだったように。

 立ち話の間に、すっかりポッドキャストを聴き逃してしまった。気を取り直して巻き戻してもう一度最初から聴くことにする。それでも、写真撮影やら、お散歩中のゴールデンリトリバーの後足の運び方(成犬がそうであるように、仔犬も内股気味にスルリスルリと足を運ぶ)などに見惚れているうちに、またポッドキャストを聴き逃す。結局3回くらい巻き戻したのではないだろうか。

 そういえば、文章を書く&読む時に歌詞のある曲を聴くと、つい歌詞に気を取られてしまうことが多いので、音楽はBGM的にインストの曲を流すことが多い。ウォーキングの時もそんな音が私には向いているのかも知れない。

 朝の公園内は活気に溢れ運動をする人々の雰囲気も良く、安心して歩くことができる。(これが午後ともなると様子が少し違ってくるので用心が必要。)外の道ではスマホを手に持ちながら歩くことは憚れるが(先日も、娘の友達がお祖父さんと会話中だったスマホを、後方から自転車で近づいてきたスリに奪われた)、公園内ならまず安心だ。よって写真撮影も大丈夫。

 いつも通り園内を何周か歩いていたら、奇妙な光景に出くわしたので、その意味が分からないまま写真を撮ってみた。

椰子の木の上方からシャワーのように白い粉が

 これは次に起こることの単なる前兆に過ぎなかった。まもなくバッコーンと云う大きな音がして上からこんなものが降って来たのだ。

大きさ的には両腕を広げたくらいの、まぁまぁ大きいもの


木から離れる前の状態

 家に帰ってから検索したところ、「椰子の花穂の鞘」説が有力なのかな。この鞘が開くと花が顔を出す。この木は実がなっているところもあるけれど、右下に見えるのが花で、キラキラと舞っていたのはその花粉だったのか。。ちなみに、落下の危険性からか、園内や街路樹の椰子の木に、ココナッツの実がなっているのを見たことはない。品種を選んで植えているようだ。尤も、この鞘の直撃もそれなりにダメージがありそうだが。

 ウォーキング中には詳しい検索などはしなかったので、狐につままれたような気分のまま再び歩き始めた。すると数歩も歩かないうちに、「ちょっとちょっと」とまたもや誰かに呼び止められてしまった。声の方を向くと園内の清掃をされているおじさんだった。「私?」と辺りを見回すと他に誰もいなかったので、確かに私に話しかけているようだ。

 「あそこを見て!saruê(サルエー)だよ。もっと近づいても大丈夫、写真を撮ったら?」

とおすすめしてくれた。おじさんの言うところのsaruêは以前にも見かけたことがあった、ブラジルに棲息するオポッサムの一種。一般的にはgambá ガンバーと呼ばれている。(おじさんはガンバーの仲間ではあるが、ガンバーではないと仰っていたが。)

 夜行性なので昼間に姿を現すことは稀であるとの話の通り、普段は滅多に見かけることはない。(偶にワンコたちが狂ったように吠える方を見るとsaruêが、と云うことはあったが。)おじさんが「池の魚を捕って食べる」と言っていた通り、雑食性らしい。大きさはうさぎくらいか。長い尻尾を器用に木の幹に巻き付けながらこちらを窺っていた。

あ、こんなに近くで見たのは初めてかも♡
割と可愛いね

 今まであまりマジマジと見たことは無かったので、おじさんのお知らせに感謝。野生動物か、ペットなどが野生化したのかを訊ねたところ、純粋に野生動物との話だった。ジロジロ見て怖がらせてごめん。彼?はそのうちに枝の先の方にスルスルと移動して見えなくなった。

 後はいつもの鳥の楽園の様子を。

インコたちはいつも賑やか
そこ、喧嘩しないで!

 インコは群れで暮らし、単独で見かけることは稀。逆にツグミは、餌場以外では単独で見かけることが多い。

インコの中にピカパウ(キツツキ)♂
左上にサビアー(ツグミ)  おすましして、額の中の絵のよう
左側にピカパウ♂、右側に♀
みんな仲良く

 彼らも食欲の秋を感じているのかな。ここに居る間は餌の心配はなく皆安泰。猫もサルエーも水鳥も、池の魚も。週末のイースターに向け、サンパウロの秋がゆっくりと深まって行く。

この記事が参加している募集

習慣にしていること

今日の振り返り

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?