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組織の声

この3年ほど、自分を知ることとか、意識とか、人生の目的とか、そういうことにフォーカスしてきた

スタッフマネジメントに行き詰まって、そんな不本意な現実を作り出すのは自分の認知だと気づいたからだ

たぶん、自己探求とか自己研磨はこれかもずっと続けていく永遠の課題だと思う

特にこの数年は、そのことにフォーカスするフェーズだったのだと思う

今年に入ってから、次のフェーズが来そうな感じがしていたのだが、ついに波が来たようだ


先にも書いたが、僕は人生の目的を探求し、何となくそれを見つけられたので、その目的を叶えるアクションを起こそうとしていた

自分が創業し、スタッフと一緒に育てて来た大切な会社、株式会社hanaのことをないがしろにしてでも、人生の目的を叶えよとしていた

hanaのことが気がかりではあったし、これでいいのか?という小さな疑念、モヤモヤを自分自身に抱いていた

本題から逃げようとしているのかもしれないとも思っていた

そんなこの半年、チーム内で大きな問題が続いたし、メンバーが数名抜けた

そして、特に獣医師不足が深刻になり、うちの病院が大切にしてきた「いつでも診る」という方針を守れないかもしれないという焦りがあった

同時に、どんな手でも使ってでも「いつでも診る」という方針を守ろうとしていた

「人手不足で夜間のシフトが組めないから、夜間救急の時間短縮を検討してほしい」と先日のミーティングであるメンバーから提案があった

「『いつでも診る』を守ることが我々の使命だから、夜間救急は短縮しない  どうしようもないなら、午後の一般外来をやめてでも夜間救急は守るという方針だ」と僕は言い張った

前からそう決めていたのだ 
人材不足が深刻になって、今の診療体制を維持出来なくなることが予測出来たので、「いつでも診る」を守るためにそうすべきだと考えていた

ミーティングで、そういう方針を伝えながら、違和感というか、すごく無理をしている感覚、不自然さを感じていた

それでも、守るべきことを優先されなければならないという考えが頭を支配していた

そのミーティングの翌日、「株式会社hanaの声を聴いてみる」というセルフコーチングのような瞑想のようなワークを一人でやってみた
その翌日に、個人と会社のpurpose(存在目的、存在意義)を探求するセッションを控えていて、宿題を出されていたからだ

前回のセッションの中で、株式会社hanaのエッセンス(その存在を表す象徴・比喩、その存在のエネルギー感のようなもの)のイメージが何となく頭に浮かんだので、その宿題をする前に、その浮かんだイメージをスケッチしてみた

8月初旬にうちの会社でアート教室を開き、自分も参加してすごく楽しかった

それ以来、毎朝、その時の気持ちとか思いを10分以内にクレヨンでスケッチすることが日課になっていたから、その日は、頭に浮かんだそのイメージをスケッチしてみようと思った

そのイメージは暗い宇宙のような空間をゆっくりと進む宇宙戦艦ヤマトの影のような、大きくて、なんとなく寂しげなイメージだった

その戦艦ヤマトがhanaのエッセンスだ

何も考えずにそのスケッチを眺めていると、こんなメッセージが降りてきた

「年中無休、深夜12時まで救急をやっている病院になりたかったんじゃない」

僕はハッとした

「分かってしまった」という感じだった


3〜5前くらいをピークに、僕は組織を大きくしたくて、規模拡大が最優先の方針になっていた

自己探求を始めて、ある程度自分のことを理解し、組織の拡大方針は自我を満たすためであり、自分の内から湧いてきた、本当に人生をかけてやりたいことではないと気づいたのが2年前のことだ

「いつでも診る」を死守するということも、組織を大きくするということも、本質的には同じだと気づいた

どちらも自我を満たすための手段にすぎず、本当にやりたいことでも、purposeでもなかったのだ

もちろん、世のため人のため動物のためではあるのだが、本質は、「年中無休で夜間救急対応ができる病院を作ってすごいね!」と思われて、人から注目されたかったのだ

愕然としたし、長い間、自分の周りを覆っていた霧が晴れたような、スッキリした気持ちになった

「もう、縛られなくていいのだ」と思った


株式会社hanaはこの秋、大きな転機を迎えるはずだ

組織の外側、外見が大きく変わるのはもっと先かもしれないが、内側の変化が間違いなく起こり始めた

組織がどう変わっていくか? 今後、その経過もnote 書いていこうとと思う


今回、伝えたかったのは、組織の声を聴くということの重要性についてだ

僕の場合、「組織を大きくする」ことや「『いつでも診る』を維持している」ことによって、注目を集めようとする自我意識が邪魔して、組織の声がなかなか聴こえなかった

自我意識が満たされると効力感を味わえる
それは、purposeを達成しているという錯覚を生む

それらを区別するのは非常に難しい場合がある

僕なりの組織の声の聴き方は、

・腹で感じる「違和感」や「腹落ち感」という身体感覚

・頭に浮かぶ「絵」とか「ことば」だ

そういう声を聴きとれる状態に自分のコンディションを保つことが大切なのだと思う

組織の声とリーダーが掲げる方針がズレていると、何らかの形で組織に歪みが生じるのだ

うちの場合はメンバー同士のいざこざという形の歪だった

その歪みは、リーダーの掲げる方針や言動が、組織のpurposeと合っていないことを教えるメッセージなのだろう


2年前にティール組織のカンファレンスでF・ラルーさんが言っていた

「purposeとは生命に見つけてもらうもの
それを受けとめる準備が出来るまで待っていればいい
準備が出来たら降りてくる
それまで、自分を磨いておけばいい」

個人的なpurposeもだし、組織のpurposeも、頭で考えて絞り出すものではなく、準備が出来たら、勝手に向こうからやってくるものなのだ

「ティール組織において、リーダーの重要な役割は組織の声を聴くことだ」とも言っていた

組織の声を一番キャッチできるのは創業経営者であるリーダーなのだろう

でも、うちには僕以外にhanaの声をキャッチできるメンバーが何人かいる

そんなメンバーに恵まれた自分は幸せ者だと思う

そのメンバーたちを中心に、hanaのpurpose(存在目的、存在意義)をもう一度、探求しようと考えている


この5年くらい、マネジメントが辛かったし、逃げ出したいと思うこともあった

でも、今回の気づきによって、組織作りが楽しみになってきた

考えなくていい

心を整えて、hanaに聴けばいいだけだ

その声を形にすることで、どんな組織になっていくか?

僕も楽しみだし、その報告をnoteに連載する予定なので、楽しみにしてほしい

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