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あなたは他人を理解する前に、「自分」を理解しなければならない【最強マニュアル12】

 人間の行動を予測したり、他の人を思いのままに操ったりするための知識を持つことよりはるかに重要なのは、自分自身の行動を予測し、操るための知識を持つことだ。
 他の人をうまく操る術を知るのは役に立つ。だが、自分自身をうまく操ることのほうが、比較にならないほど重要だ。どんな場所、あるいはどんな環境で人々に出くわそうと─―家庭や職場だろうと、遊んでいる時だろうと―─そうしたすべての状況の共通項はあなたなのだ。

 あなたがいちばん多くの時をともに過ごす相手はあなただ。
 あなたが影響力を及ぼし、コントロールする必要があるいちばんの相手は、あなただ。
 マイナス思考の特徴や行動パターンを最小限にとどめたり、取り除いたりしてやらなければならないいちばんの相手は、あなただ。
 逆に、プラス思考の特徴や行動パターンを最大限に引き出してやらなければならないいちばんの相手も、あなただ。
 抑うつや不安感、怒りや無感動、孤独感や、考えられる他の多くの特徴だろうと、それを最小限にしたり、なくしたりしてやらなければならない相手は、あなただ。

★★★

 そのためには知識が必要になる。どういう時にマイナス思考の特徴が現れるのか、なぜそんな特徴をいつまでも持っているのか、そしてもっと大切なのは、どうすればそれを前向きなプラス思考の特徴に置き換えられるか、知る必要がある。
 これまでの人生の中で、あなたは他人を見てこう思ったことが幾度あっただろう。

「あんな風に幸せになれたらいいのに」
「あんな風に自信が持てたらいいな」
「あの人たちみたいに一つになれたらいいのに」

 あなたが正直な人間なら、少なくとも時々は自分自身に向かってこのようなことを言ったはずだ。
 それでいいのだ。良い日ばかりじゃない。それに、他の人を見てあんな性質や特徴を自分も持ちたいと思うのは、健全なことだ。だが最優先すべきことは、どうしてそんな風に感じるのか、自分の内面を探って、心の仕組みを理解することだ。

 もののわかった人間になるのがなぜそんなに大事なのかを理解するには、いまのあなたとは違う状態を考えるだけでいい。知識の反対はもちろん無知もしくは知識不足だが、もっと危険なのは間違った考えを抱いたり、誤った情報に頼ることだ。

★★★

 一般に、自分自身よりも他の人々の中にこうした例を見つけるほうが、はるかに簡単だ。
 人が何を重視しているかまったくわかっておらず、他の人が衝撃を受けていることを感じ取るだけの感受性が微塵もない人間に、あなたは何度となく遭遇しているのではないだろうか?(つづく)

『史上最強の人生戦略マニュアル』
きこ書房

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