屁理屈ガールズトーク
昔から、
やたらと文字数の多い女子達のおしゃべりが好きだった。
最後の〆のコトバが私に託されるから。
十代が特にそうだ。
静かに冷静に聞いていた私の結論は?
と期待され、難しいコトバを並べて八割方今までの盛り上がりとは真逆の答えを述べる私に
そうだよねー
で終わるのがお決まり。
私は特に暗かった訳ではなくて、学生カーストで言うところの目立つグループに属していて、とにかく“笑える”事を探して時には悪いことをしたり異常に騒いだりもしていた。
ただ、ただ心の隅の方に置いている冷たい感情が時々出てしまう。恋愛話などは顕著に。
友人達もそれを感じていて、私の濁ったそこの部分が聞きたくて話を振られているのだと思ったし、
私はこの中の誰よりも考察力と分析力があって
欲しいコトバをあげられていると思っていた。
導いてあげたとさえ思っていた。
だから
「キミハに聞いて良かったー」
と言われるたびに満足していた。
頼られている事に自分の不可欠感を感じていた。
女子の、大人数にする相談なんて、
誰が何を言おうがもう答えはその子の中で最初から決まっているのに。
女子達のおしゃべりが好きだった。
だけどそれは
アンタいつも馬鹿にしてたもんね!(笑)
と
30代になった今、
母親や妻という肩書きを手に入れた彼女たちが
そうはなれそうにない私に放った
渾身の“こっち側”からの分析だけど?
から伝わってくる10年越しの本音。
女子のおしゃべりに必要なのは、
わかる
泣ける
ウケる
で充分なのだ。
限られた時間の中、どれだけ沸かせられるトピックスを持ってきた奴が優勝。
それでもひとり帰りの電車の中、
優勝者の余韻トークが続くグループLINEの会話の最中にわたし宛に別窓で届くのだ。
「さっきのアレどう思う?」
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