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10年前の写真とカメラを振り返る 〜 Lumix GX1で撮るシアトル

デジタルカメラの進化は激しく、新製品といえどあっという間に陳腐化してしまいます。オールドカメラがいまでも使えるフィルムカメラとは大違い
…いえいえ、そんなことないです。10年前のカメラって、ちゃんと使えますし、当時の写真が使い物にならないなんてこともない。最新スマホよりも古いカメラのほうが、写真はずっと良かったりします

そりゃ、新しい製品は高機能だし、高画素だし高感度撮影でもノイズが少ないしで、上を見りゃキリがありません。私も最新機種大好きです、次々には買えないけど

注目の記事に取り上げられ、この投稿を多くのかたにご覧いただきました。ありがとうございます
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GX1というカメラ

PanasonicのLumix DMC-GX1は、2011年の終わりに発売されたマイクロフォーサーズ規格のミラーレス一眼カメラです
比較的フラットな形状のボディで、ビューファインダーは別売りで背面液晶を見て撮影するスタイル。似た形のGFシリーズのコンパクトさと、上位機種の性能を兼ね備えたカメラでした。背面液晶は固定で動きません。ビューファインダーと可動液晶を省いて小型化する、というアイディアは、現行機種だとSIGMA fpに通じるものがありますね

レンズは、後日買い足したものです(Leica 12mmと15mm)

このカメラの数ヶ月あとに、Olympusが初代OM-DのE-M5を発売します。ファインダー付きでクラシカルな一眼レフカメラ風のデザインが気に入って、私はE-M5を先に買いました。2012年のGWです
この年の夏に、アラスカへの旅行を予定しており、できればカメラ2台を持っていきたい(レンズ交換を頻繁にしなくても良いことと、あとは故障に備えて)と思案の結果、E-M5を2台にするのではなく、なぜか4万円弱で大ディスカウントされていたGX1を7月に追加購入したのでした(Lumixのカメラって、ときおり無茶なディスカウント価格になることがあるんですよね。G9 proだって12万円くらいになっていたことがありました)
今回の写真は、アラスカへのクルーズ船の出港地/寄港地であった、アメリカ西海岸、シアトルのものです

使っての感想

1600万画素ですので、現行のマイクロフォーサーズのカメラ(だいたい2000万画素)に比べると少し少なめです
ただし、大判のプリントを意図しない私には1600万画素って十分な画素数です(それどころか、1200万画素のNikon D300だって十分。SNS投稿用ならば初代D1の260万画素だって足ります)

高感度撮影に関してはISO3200はかなり苦しいです。できれば800くらいで抑えたいくらいですが、1600位までなら状況によっては許容範囲

ISO1600です。拡大すればノイズは目立ちますが

背面液晶が固定なのは多少不便ですが、これは使い方でなんとかなります
むしろちょっと明るいと途端に見えにくくなってしまうのは一番の弱点かもしれません。ビューファインダーがないと液晶が頼りですが、光の強い日中は「自分が何を撮っているのかよくわからない」ことがあります。「こんなもんかな」と撮ったけれど意図した構図になっていなかったことも
別売りのビューファインダーの購入を何度か考えましたが、私の中ではあくまでサブ機でしたので、液晶に不満を言いながらも使い続けました

あとは、オートフォーカスが多少のんびりとしていて、しかも多少コントラストが低いとうまくあわせてくれないことも少なくありませんでした(アラスカで茂みの中の熊を撮った際、ほぼすべてでフォーカスがはずれてしまっていたのは痛恨でした)

シアトル観光客の8割は行くでしょう、スタバの一号店

あくまで同時期に使っていたE-M5との比較になりますが、GX1で撮影した写真で目立つのは発色の良さです
ガリガリと彩度が高い、というのではなく、記憶にあった鮮やかな色合いに近いと感じられます。これはJPEGでも、RAWからのデフォルト状態での現像結果(Lightroomで何もパラメータをいじっていない状態)でも同様の印象です。このため、草花や旅行中のスナップなどが非常に華やかな写真として残ります

花の色、空の色、あるいは街並みなどが、濃厚な色合いで写るので、露出さえ間違わなければレタッチで色調整をしなくても、撮ったままのJPEGで十分なことが多いです

この写真はシアトルではありません

E-M5 mark IIを買った2015年以降、あまり使わなくなったのですが、それは画質や機能が気に入らなくなったというわけではありません
WiFiを使ってスマートフォンにデータを転送できたり、撮影時の位置情報を記録できたりといった機能が便利だったことが一番の要因で、初代E-M5も同様に使わなくなってしまいました
私にとってはスマホとの無線通信機能は、デジタルカメラの歴史で動画撮影以上のインパクトある進化だったのかな、とも思えます

10年前の写真は撮り直せない

カメラは最新型に買い換えられますが、過去をやり直すのは不可能です。同じ旅先に最新カメラを持って再訪問はできても、同じ風景に出会えるわけではありません
なので、私はいつも写真はRAWで撮ります

JPEGのデータはSNSなどですぐに使えるし、ファイルサイズの小さく便利です。しかも、カメラ内蔵のさまざまなカラーモードにも魅力があります(RAWからも再現はできますが、手間がかかりますし、メーカー提供のソフトウェアが使いやすいわけでもありません)
ですが、JPEGは完成品と捉えることが必要で、明るさや色合いの調整にはむきません。RAWで撮っておけば、10年経ってからも最新のソフトウェアによってさまざまな加工ができ、あたかもつい最近撮影したかのように扱うことができます

私がRAW撮影できるカメラを最初に使い始めたのは2000年に買ったNikon D1ですが、当時はメモリーカードの価格が非常に高く(32MBで3万円とかしましたから…)、RAW撮影するとしばらく次のシャッターが切れなかったこともあって、もっぱらJPEGで記録していました

RAWでの撮影をメインにしたのは、2003年に買ったD2Hから。D1で撮影した写真をいまあらためて確認してみると、たしかに画素数は低いものの(長辺2000ピクセルです)、JPEGでさえ相当の範囲の調整に対応できます。何枚かあるRAWデータは、当然ながら非常に柔軟なレタッチにも対応してくれます

RAWファイルはサイズも大きく保管しておくのも大変ですが(私はいったいいくつのハードディスクを買い続けねばならないのでしょう…)、過去の写真は大切な資産でもあります
もし「どうせレタッチなんかしないし」と、JPEGだけで撮影されているかたがお読みでしたら、10年後に後悔しないよう、RAWで撮影しておくことを強くオススメします。今回のシアトルでの写真も、すべてGX1のRAWファイルからあらためて現像し、色合いなどを調整しました


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