久々にヨーロッパの洗礼を受ける駐妻
私は夫の海外赴任に伴い、ヨーロッパで暮らすアラサーニート引きこもり駐妻。
ヨーロッパで生活して早一年。
さすがに生活に慣れてきたし、ちょっとやそっとのことでは動じなくなった。
しかし久々にここはヨーロッパ。。!と実感した出来事があった。
はじまりはいつも大家さんから
玄関に張り紙が貼られていた。
一月某日、ガス管の工事をする。
住民は必ず家にいるように。
都合が悪い場合は必ず連絡してください。
とのこと。
私は引きこもりなので、何も問題はない。
一年前だったら、家に誰かが来るというだけでドキドキしたけれど、家にいてもこちらの人は気にせず自分の仕事をするし、気使わなくていいし、出かけないようにすればいいだけだ、なんて考えていた。
後日夫のもとに大家さんから連絡。
都合の悪い住民がいたため、日程が変更になったとのこと。
どのような工事をするのかはわからない。
そして時間については、朝7時半から工事を開始するという。
朝、はや。
働いている時は家を出る時間くらいだったけれど、いまやひきこもりニートである。
うとうとごろごろ何もしていない無の時間だ。
さすがにパジャマから着替えるかー。
なんてこの時は思っていた。
パワーオフは突然に
夫の出勤時間くらいに、彼らはやってきた。
4,5人の作業服を着た男性だ。
うち2人が部屋にやってきた。
ガスメーターを確認した後で、こちらを見ながら
「パワーオフ!」
一瞬のうちに家は暗闇に包まれた。
工事のためにすべてのブレーカーが落とされたのである。
そして、作業のためにドアは開けておくように、と声を掛け、二人は外に出て行った。
外からは工事現場の機械音がけたたましく鳴り響いている。
窓からのぞくと、
家の前に巨大な穴が掘られていた。
身動きが取れないとはこのことである。
電気のあたたかさを知る
パワーオフされた家の中、私はただ戸惑った。
日の出前なので、真っ暗闇の中である。
夫の朝食用に沸かしたお湯を飲み、夫の弁当用に解凍した余りのご飯をとりあえず食べた。
少しあたたかみが残っている。
でも、あったかいコーヒーが飲みたい・・・
電気が復旧したら、まずはコーヒーを入れよう!なんて思っていた。
その頃は。。。。
電気がないと何もできない
携帯もタブレットもあるし、暇つぶしは余裕でしょ~なんて思っていたのだが、youtubeを開こうとしたら、インターネット接続がありません。と出てくる。
そう、wifiの電源も落ちていた。
携帯のネットワークのみが頼りだ。
動画は見られない。
しばらくは友達にこの悲惨な状況をラインで実況中継していた。
(日本は華金の時間なのに、話を聞いてくれる非常にありがたい存在である。)
kindleにダウンロードしている本を見ていたら、携帯の充電も減ってきた。
充電もできない。
幸い、旅行用のモバイルバッテリーがあったので何とかなった。
(部の成績が良くて会社からもらったモバイルバッテリーである。ありがとう、過去の私!)
寒い、おなかすいた・・・・
しかし、お湯も沸かせない。
ちなみに冷蔵庫の電源もオフである。冷凍庫の肉が心配で気が気じゃなかった。
もし、日本だったら・・?
日本でこのような工事が起きるなら、きっと張り紙には
・何時間の工事なのか
・電気ガスが使えなくなります!
・大変ご迷惑をおかけします
なんて事細かく書かれるだろう。
こちらの張り紙には日にち、家にいることしか書かれていなかった。
だからこそ、そんなに大した工事じゃないんだな、と日本基準で考えてしまったのが私のミスである。
そう、ここはヨーロッパ。
貼り紙、大家から連絡がくる工事なんて、よほどのことである。
なぜ最悪の事態を想定しなかったのか、一年住んだことによる甘えが出てきてしまった。
そうなのだ、ここはいくら慣れてもヨーロッパなのだ。
ストレスと空腹
工事音は絶え間なく続いているし、なぜか途中からは爆音で洋楽をかけ始めるし、なんなら作業員は歌っている。
携帯の電源が気になり、家にある漫画を読む。
でも私の家にあるのはきのう何食べたの漫画。
めっちゃおなかすく。
寒いけれど温かいものは飲めないので、水を飲む。
冷える。
おなかがすいたのでお菓子を手当たり次第に食べる。
昨日なぜか大量に作っていたゆで卵がほんとうにおいしく感じた。
こんなことになるなら。。
水筒にお湯を大量に作っておいたのに・・・・
いつまでやるのかわからない工事に不安とストレスがつのる。
途中で声掛けるのも申し訳ないしそんなことより早く終わらせてほしいなぁ・・
その繰り返しで時間が過ぎていった。
インスタントラーメンのあたたかさを知る
そして七時間が経過した。
もうすっかり昼下がりである。
パワーオフした作業員が、急にすべてのブレーカーを上げたので、部屋に灯りがともった。
サンキューもそこそこに、速攻でドアをしめ、カギをした。
もう、好きなものを絶対に食べてやる。
そんな決意のもと、韓国のインスタントラーメンを食べることにした。
あたたかいものって、こんなにおいしいのか・・・・
慣れてきたなんて思っちゃいけない。
ここは異国だ。
快適に過ごすためには、もう少しの機転が必要なのだ、と身に染みたラーメンだった・・・
作業員の皆様朝早くからお疲れさまでした。。
(夫が急に在宅勤務すると工事の二時間後くらいに帰ってきてしまったので、引きこもりとしてはフル回転の一日になった。)
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