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「好き」が増える場所 【食べ物のことについて毎日考えてみた】

好きな食べ物は?と聞かれても即答できない。

食材か料理かでもたくさん候補が上がって迷ってしまう。嫌いなものが多いわけではなく、好きなものが多いからでもある。

記念日に食べに行くフレンチも良いし、週末に飲むビールはウマい。炊きたてのご飯はやっぱり最高だから決められない。あぁ決められない。

こんな優柔不断な父とは違って、2歳の娘はいさぎよい。

「好きな食べも・・」「かぼちゃ!!」
「好きなヤサ・・・」「かぼちゃ!!」
「好きなくだ・・・」「みかん!!」

いつ聞いても質問に食い気味で即答してくれる。かぼちゃとみかんが彼女にとっての圧倒的ナンバーワン。カロテノイド好きである。

こんなにも「好き」をはっきりと伝えられるのが素敵だなと思う。僕にはできない。

しかし、そんな彼女にも嫌いな食べ物がある。娘的にいえば「好きない」食べ物。

「濃い緑の野菜」が彼女にとっての好きない食べ物。一度口に入れてみてもお皿に吐き出して「葉っぱ好きない」と苦い顔。ひとまず葉っぱは置いておいて、好きなものから平らげる。

最後にお皿に残った野菜をどうするのかと見ていたら「パパちゃんのとこで食べる!」と言う。いや、父も食事中ですよ!やんわり断るために「自分の椅子に座って最後まで食べよう!」と提案するも「パパちゃんのお膝で食べる!」と強く主張するので、要求を受け入れ、膝の上に娘を迎え入れる。

父の膝の上に座ると、お皿に残る葉っぱをお箸でつまんでモグモグと食べだす。自分の椅子に座っていた時は吐き出していたのに、パパちゃんのお膝に来ると食べられる。不思議だ。

娘に「葉っぱ好き?」と聞いてみると「好きだよ!」の返事。えっ、、さっき好きないって言ってたのに。

娘にとって、かぼちゃやみかんと比べたら、緑の野菜は好きではないのだと思う。ただ、自分1人で食べるのではなく、パパちゃんのお膝で"一緒”に食べると食べられるし、緑の葉っぱが「好き」になってしまう。

娘にとってのパパちゃんのお膝は、「好き」が増える場所なんだと思う。不思議だけど。


大人も、誰と食べたか?どこで食べたか?どんな時に食べたか?で「好き」を感じていると思う。自分にとっての「好き」が増える場所をたくさん経験してきたから、好きな食べ物を一つに絞れない。少なくとも僕はそう。

娘もこれからいろんな経験をして、「好き」が増える場所をたくさん見つけていくんだろうなぁ


娘の「好き」が増える瞬間を1番近くで見られる特等席だから、もう少しだけ膝の上にいてくれてもいいかなと思う。娘の頭越しに食べる自分のご飯は、とっても食べにくいんだけどね。

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