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【地域食材】埼玉県毛呂山町の桂木ゆず【食べ物のことについて毎日考えてみた】

管理栄養士を目指す大学生や高校生にもその面白さを知ってもらいたいと思って、
2月1日から毎日note「食べ物のことを毎日考えてみた」を更新しています。

火曜日のテーマは「地域食材」

城西大学の近隣の地域の食材を紹介して、食材への興味を増してもらいたいなぁと思っています!


今回は「柚子」

皆さんが思い浮かべる柚子の産地ってどこでしょう?

高知県?徳島県?愛媛県?

四国が思い浮かぶ人、その通りです。上の3県は、柚子の産地ベスト3です。

では、埼玉県は?

ベスト10!・・には入っていないんですが、実は特徴的な柚子の産地なんです。


埼玉県の南西部に位置する毛呂山町(もろやままち)。城西大学の坂戸キャンパスも隣接するこの町で「桂木ゆず」というブランド柚子が栽培されています。

江戸時代の後期から栽培されていた記録も残っていて、昭和の初めには東京の市場に「桂木柚子」というブランドで盛んに出荷されていたそうです。

毛呂山町の柚子農家の方にお話を聞くと、当時は「柚子はまだか?」と東京からひっきりなしに電話が来ていたそうです。

これらのことから毛呂山町は日本最古の柚子の産地といわれています。

これ、埼玉県の方でも知らない方多いので是非知って欲しい!埼玉の柚子ってすごいんだぞ〜!と。


そして毛呂山の「桂木ゆず」は育てるのにも大変な苦労があったようなんです。

柚子の栽培には、種から育てる「実生」、接木、挿し木などがありますが、毛呂山町の柚子は実生で育てられた木が多いそうです。

「桃栗3年柿8年」という言葉を聞いたことあるかと思います。種を植えてから実がなるまでにどのくらいの年数がかかるかを表した言葉だといわれています。実はこれには続きがあって

「柚子の大馬鹿十八年」

と続きます。

柚子は桃や栗、柿などよりも実がつくまでに長ーい年月がかかると言うことを表した言葉なんです。

接木や、挿し木に比べて実生は時間がかかります。桂木ゆずは、長い年月をかけて大きな樹木へと成長させた上で実をつけているんですね。


実生で栽培された桂木ゆずは香りも特徴的です。柚子農家の方や柚子の加工業者の方からは、桂木ゆずには独特の香りがあるとよく聞きました。

そこで、桂木ゆずの香り成分を調べてみると、バニリンというバニラの香りの主要な成分が多く検出されました。バニラの香りの成分が柚子からも検出できたんですね!

さらにオイゲノールというスパイスのクローブの特徴的な香りを表す香りの成分が桂木ゆずに含まれていることも分かりました。

もちろん柑橘類の特徴的な香り「リモネン」も含んでいますが、バニラやスパイスの香りを含んでいるのは桂木柚子の大きな特徴ですね。


江戸時代から伝統的に生産され、実生から長い年月をかけて育てられ、特徴的な香りを持つ桂木ゆず。どんな柚子なのか気になってきましたか?最後に桂木ゆずを使った商品をご紹介。

ときがわ町にあるときがわブルワリーさんで販売している「桂木柚子果汁」は手絞りならではの香りと目が覚める酸味と旨さを感じる果汁です。

そのまま炭酸で割って飲んでもいいですし、お酒と合わせてみたり、ポン酢として料理のお供にしてみたりと、一本買ってきてもすぐ無くなっちゃうくらいです!


そのほか、新井製菓さんのおせんべいやさん本舗で販売されている「吟米ゆずみそ」には毛呂山町の桂木柚子が使われています!特徴的な香りをふんだんに感じながら、苦味も味わえるめちゃくちゃ美味しいおせんべいです!


柚子と言われてもパッとは思いつかない埼玉県ですが、実はスンゴイ柚子を育ててるんです。

埼玉県内には毛呂山町のほか、ときがわ町や越生町も柚子栽培が盛んです。

地域の特産品を味わうことでさらに「地域の味」を知っていくことができると思います。

実は、桂木ゆずには城西大学が関係するストーリーがあるのですが、それをご紹介するのはまたの機会としましょう!

さて、来週はどんな「地域食材」ご紹介しましょうか?



【参考】
毛呂山町HP
http://www.town.moroyama.saitama.jp/www/contents/1285041220389/index.html

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