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鈴木敏夫プロデューサーの全著書一覧

 スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーには、数多くの著書が存在しています。
 宮﨑駿監督はある時期から、メディアへの露出を極端に減らしました。出来上がった作品やその制作過程について語ることも、今やほとんどなくなってしまいました。故に鈴木プロデューサーが語る言葉や、書き下ろす文章が、ジブリを知るための最大の手がかりとなっています。
 また、ジブリを語るにとどまらず、映画や読書、仕事についての著書など、その切り口の多さと教養の深さに驚かされます。
 これまで出版された鈴木プロデューサーの全著書を、時系列に則って紹介します。


1. 映画道楽 (ぴあ) 2005年4月

 鈴木プロデューサー初めての著書です。「DVDビデオぴあ」、「Weeklyぴあ」で行っていた、映画についての連載が元になっています。
 鈴木プロデューサーの映画の原体験から、映画製作、宣伝、企画で考えていることがまとめられています。
 2012年11月に、角川文庫から文庫版が出版されています。

2. 仕事道楽 スタジオジブリの現場 (岩波新書) 2008年7月

 宮﨑監督、高畑監督とのエピソードを中心に、一つ一つの仕事について具体的に語られています。鈴木プロデューサーの著書の中でも特に人気が高く、海外でも翻訳され出版されています。
 2014年5月には「新版」が発売され、いくつもの新しいエピソードが追加収録されました。

3. ジブリの哲学 ー変わるものと変わらないものー (岩波書店) 2010年8月

 様々な媒体で受けた取材や執筆した文章、対談などがまとめて収録されています。鈴木プロデューサーが影響を受けた人や、育った家庭についてなど、パーソナルな部分についてもよく知ることができます。


4. 鈴木敏夫のジブリ汗まみれ 1(復刊ドットコム) 2013年3月

 2007年からTokyoFMで放送されているラジオ『ジブリ汗まみれ』が書籍化されたものです。庵野秀明、尾田栄一郎など、豪華なゲスト陣の出演回が多数収録されています。
 現在、5巻(2016年3月発売)まで出版されています。

5. 風に吹かれて (中央公論新社) 2013年8月

 ロッキン・オン代表の渋谷陽一氏が行った、鈴木プロデューサーへのインタビューをまとめた一冊です。実はこの二人、大学時代からの知り合いであり、同じアルバイト先に出入りしていたという過去があります。そのような背景もあり、他のインタビューとは一線を画した内容となっています。
 2019年3月には、中公文庫より文庫版が2冊に分冊され発売されました。


6. ジブリの仲間たち (新潮新書) 2016年6月

 この本では、ジブリ作品の「宣伝と広告」について語られています。ポスターやコピーが生まれるまでの過程や、いくつもの記録を塗り替えた映画興行について惜しげもなく明かされています。 

7. ジブリの文学 (岩波書店) 2017年3月

 『ジブリの哲学』の続編に当たるような一冊です。「文学」という名を冠するだけに、読書遍歴や出会った作家とのエピソードも紹介されています。
 あとがきでは、始動したばかりであった『君たちはどう生きるか』の制作秘話が書かれています。


8. 人生は単なる空騒ぎ 言葉の魔法 (角川書店) 2017年12月

 2017年から開催されていた展覧会「スタジオジブリ鈴木敏夫 言葉の魔法展」に合わせて作られた一冊です。
 鈴木プロデューサーの「書」を中心に、手で書かれた文章や企画書などが掲載されています。

9. 禅とジブリ (淡交社) 2018年7月

 雑誌『月刊 なごみ』に連載されていた『半径2メートルの禅問答 喫茶去』が書籍化されたものです。
 三人の禅僧との対談から生まれた言葉たちは、時代を超える普遍性を帯びているように思います。

10. 南の国のカンヤダ (小学館) 2018年8月

 『女性セブン』で連載されていた、鈴木プロデューサーにとって初のノンフィクション小説です。タイの農村、パクトンチャイの風景にかつての日本の姿を見出した鈴木プロデューサーは、自身の家族観や人生観を振り返るかのように書き下ろしています。

11. 天才の思考 高畑勲と宮崎駿 (文春新書) 2019年5月

 高畑勲、宮﨑駿両監督の個々の作品について、製作時のエピソードが克明に記されています。間近で見続けてきた人間にしか書けない、唯一無二の内容です。

12. 新・映画道楽 ちょい町哀歌 (角川文庫) 2020年6月

 『キネマ旬報』での連載が書籍化されたものです。鈴木プロデューサーが好んでいる、昔の日本映画が話題の中心となっています。
 文庫版のみが発売されています。


13. ジブリの鈴木さんに聞いた 仕事の名言。 (角川書店) 2020年12月

 鈴木プロデューサーから聞いて心に残っている言葉を、周辺の取材から集めて一冊にまとめたものです。ジブリファンのみならず、全ての仕事人に届く内容となっています。

14. ALL ABOUT TOSHIO SUZUKI (角川書店) 2020年12月

 当初は展覧会の図録用として制作されていたものが、コロナ禍の影響もあって一般書籍として発売されました。
 現在も巡回中の「鈴木敏夫とジブリ展」に対応する内容となっています。鈴木プロデューサーの経歴や功績をまとめて知ることができる、豪華な一冊です。

15. 読書道楽 (筑摩書房) 2022年11月

 「鈴木敏夫とジブリ展」で小冊子として配布されていたものが、あらためて出版されたものです。
 「鈴木敏夫とジブリ展」では鈴木プロデューサーの「8800冊の本棚」が展示されています。その膨大な読書遍歴を事細かに知ることができます。
 本の装丁は、鈴木プロデューサーが好きな「ウィリアム・モリス」の柄になっています。


16. スタジオジブリ物語 (集英社新書) 2023年6月

 スタジオジブリの設立から発展まで、その歴史が編年体で書かれています。鈴木プロデューサーは「責任編集」としてクレジットされています。
 40年に渡る数々の出来事をまとめて知ることができる貴重な一冊です。

17. 歳月 (岩波書店) 2023年7月

 一部地方誌でしか読むことができなかった、共同通信での連載が書籍化されたものです。鈴木プロデューサーがこれまで出会ってきた人たちについて、一人一人丁寧に紹介されています。
 「歳月」の連載は現在も続いています。

18. 鈴木敏夫×押井守 対談集 されどわれらが日々 (DU BOOKS) 2024年3月

 鈴木プロデューサーの「盟友」、押井守監督とのこれまでの対談がまとまった一冊です。この本の刊行に当たって新規収録された対談も、巻末に収録されています。
 鈴木プロデューサーは、押井守監督作品『天使のたまご』と『イノセンス』、『ガルム・ウォーズ』の日本語版でプロデューサーを務めています。

19. ジブリをめぐる冒険 (スイッチ・パブリッシング) 2024年3月

 雑誌『SWITCH』で3号に渡って掲載された企画が書籍になったものです。鈴木プロデューサーと作家の池澤夏樹の共著となっています。
 『君たちはどう生きるか』や「ジブリパーク」など、スタジオジブリの現在地を知ることができます。


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 ※あらたに出版された場合、追記していく予定です。

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