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映画#59『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』
(Godzilla: King of the Monsters)

監督:マイケル・ドハティ
原作:東宝『ゴジラ』
出演:カイル・チャンドラー、ミリー・ボビー・ブラウン、ヴェラ・ファーミガ、ブラッドリー・ウィットフォード、渡辺謙、サリー・ホーキンス、チャールズ・ダンス、トーマス・ミドルディッチ、他
配給:ワーナー・ブラザーズ(米国)東宝(日本)
公開:2019年5月31日
上映時間:132分
製作国:アメリカ合衆国

Wikipediaより引用

監督の「I LOVE GODZILLA」が溢れまくり。『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』


2019年当時、私が映画館で観た作品の中で涙を流すぐらい大興奮した映画。いやもうほんとにね、かっこいいんすよ、怪獣全員。

そう、今作の目玉は歴代『VSゴジラ』シリーズで出てきた怪獣たちが目白押しであるということ。デカさも強さも今までのシリーズとは比べ物にならない、そんでもって大迫力。多分ゴジラファンだったら号泣してるに違いない。

先に言っておくが、私は根っからのゴジラファンというわけではない。観たことあるのは今作と、シン・ゴジラ初代ゴジラハリウッドゴジラ2014ゴジラVSコングアニゴジ三部作のみ。

けどそんな私でも、ふと頬に涙が伝ってしまうほどに感動&興奮のオンパレードだったのだ。今作(ともう1作品)ほど、もう一回劇場で観なかったことを悔いた作品はないだろう…。


そもそもの話、監督のマイケル・ドハティ生粋のゴジラオタクなのだ。そんな監督がゴジラを撮ったのだから、溢れんばかりのゴジラ愛が作品内に散りばめられているのは最早必然というべきだろう。

怪獣たちが眠る基地の数字はその怪獣が初登場した年。『初代ゴジラ』にてゴジラを葬った兵器オキシジェン・デストロイヤーの再登場。そしてより威圧感を増した『ゴジラのテーマ』……鳥肌でしかない。

(ちなみにどうやら、海外では今作は比較的不評らしい。元ネタがゴジラファン以外には伝わりづらいから、というのが原因かもしれない。こんなにも愛に溢れた映画だというのに……少し残念。)


そして今作も、今まで通り人間が怪獣をどうにかしようと奔走する訳だが。その全てが徒労に終わっている。まぁ言うまでもない。だが一人だけ、ゴジラの心を突き動かした者がいた。渡辺謙が演じる芹沢博士だ。

『初代ゴジラ』ではオキシジェン・デストロイヤーでゴジラを屠った人物だが、今作ではその逆。ギドラを倒すために、核爆弾を用いてゴジラを覚醒させようとするのだ。

だが核爆弾は手動式のため、芹沢博士は自身の命を捨てなければならない。そんな彼が死ぬ直前、ゴジラに言い放った言葉…「さらば、友よ」

英語ではなく、ちゃんとした日本語で言い放ったこの言葉。ハリウッドの映画なのに、そこだけまるでオリジナルの日本のゴジラに戻ったような気分。それを「芹沢博士」本人が言うとは、何とも形容し難い感情が湧き上がってくる。


と、ここまで熱弁した訳だがこれ以外にも語りたい部分は山ほどある。本当に、怪獣バトルに関しては一級品だと個人的に思ってるので、これは是非とも自分の目で確かめて欲しい。

ただ一つ、微妙だと思った点は人間ドラマの方だろうか。特に主人公の妻エマ(画像の右側の人物)の動機に関しては全くもって意味不明。本人は良かれと思ってやっていることなんだろうがこっちには全く響かない。

最後は自らが犯した罪を贖う、的な意識で自身の命と引き換えにギドラを誘い出す行為に走るのだが、それも全く泣けない。「母親」らしい側面を見せたのも序盤だけ。「こいつって何だったんだろう」と言うのが率直な感想だ。


何だか、今後も作られるであろう日本のゴジラ映画が全て陳腐に見えそうで怖い。それほどに今作の出来栄えは化け物級だったと個人的に思う。

怪獣王、万歳。

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