お母さんへ

最近「あまり心配せず、少し放っておいてくれて大丈夫だよ」と言ったこと。

お母さんを傷つけてしまったんじゃないかと、
ふとしたときに、というかだいぶ頻繁に、考えます。

でも、今までのようにすぐにLINEをしたりはしません。

小学校のころ、私が死んだお父ちゃんと同じ病気だとわかったね。
風邪を引いて近くの小児科に行ったら、心臓に雑音がするから、大きな病院に行くようにって言われて。
後日大学病院に行ったらすぐに治療しないと危ないって、その日のうちに緊急入院。
病院と家を往復して、荷物をまとめてくれたお母さんの大変さと、お姉ちゃんの心細さ。
当時は涙をこらえるのに必死でお母さんたちのことを考えられなかったけど、今はそのことばかり思い出します。

当時、私は知らされてなかったけど、お医者さんに「今後5年生きる可能性は低い」って言われれてたと聞いた時は、驚きました。

まだ若いのに突然夫を亡くして、子ども2人どうやって育てていこうか。
育てられるのか。
ましてや子どもがその夫と同じ難病だったなんて…
本当に大変だったと思います。

お母さんはいつも頑張っていました。
泣いている暇もなかったよね。
その姿を私はお姉ちゃんと、ずっと見ていたよ。
私たちを育てるために、毎日毎日遅くまで働いて、心臓が悪い私の送り迎えもして、病院探しのために転職もして、大学も行かせてくれて…

結婚してからも、調子を崩しやすい私を近くでずっとサポートしてくれてる。

感謝しています。本当に。
お母さんがいなかったら、できないこと、出会えない人や景色がたくさんあったよ。

でもね、お母さんがずーっとずーっと、真面目で一生懸命だからこそ、
「自分がお母さんに苦労させてきた」
「お母さんは自分の人生を私たちに捧げてきたんだ」
っていう罪悪感と、

「お母さんにその分恩返ししなくちゃ」
っていうプレッシャーが

いつも、どこでも、何をしていても私の心の深いところにあります。

お母さんはしたいこと、少しでもできた?
お母さんは幸せだった?
今は幸せ?

お母さんとLINEや電話でやりとりをするたびに、お母さんへのそんな気持ちが鮮明になって、自分のことがよくわからなくなります。
お母さんを置いて自分のしたいことをしていたらいけない、お母さんと一緒でなければ…って。

ここ数日も、連絡をしないことでお母さんが悩んで、寂しい思いをしていないか、たくさん考えています。

でも自分のために、なんとか連絡しない日数を更新しています。
お母さんもそんな私の気持ちを察してくれているのかな、連絡しないでいてくれてるね。

やりとりしない罪悪感は、やっぱりあるよ。
でも不思議とね、憂うつな気持ちは落ち着いているんだ。

お母さんと距離を保とうとすることに、寂しさや張り合いのなさを感じないでくれたらうれしい。
お母さんを悲しませたいんじゃないから。

頻繁にやりとりしていなくても、私はお母さんのことを大好きだよ。感謝もしてる。
それはずっと変わらない。

今度会ったら、そう伝えよう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?