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【前編】 Look back 3連戦 on 2022SS(免許更新終了した)

5月から7月にかけて予定していた3つのミドルレースを終えることができました。目標に対する結果をきちんと振り返り、自身の次のターゲットである9月の広島湾岸につなげたいというのがこの記事のそもそものねらいですが、見ようによっては60~70kmくらいのレースをうまく走り切りたい・初めて挑戦したいという方にとってのヒントになるかもしれません。

各レースの振り返りとタイムテーブルの評価

第5回 MIZUKAMI MOUNTAIN PARTY

5月29日 ロングコース
距離:約64km
累積標高:約4,000m+
制限時間:14時間30分
目標:14:10:00
結果:14:00:29
km-effort換算ペース:8m5s/km-effort

AS2~3区間(たった11km)の強度を思い切り読み違えて進行予定から1.5時間も遅れてしまい、しかし次のAS4までの4.5時間の間に取り戻すなんていう無茶苦茶なレースだった。裏返してみると、自分で設計したからといって係数の成否に一喜一憂しないで、足を動かし続けることが大事だと学ぶことができたレースでもあったな。

秋吉台エクストリームトレイル 2022

エクストリームコース
距離:約72Km
累積標高:2,250m+
制限時間:15時間
目標:13:00:00
結果:13:07:00
km-effort換算ペース:8m19s/km-effort

36kmコースを2周した秋吉台EXは、制限時間にゆとりがあったことに加えてコース強度の読みが概ね当たり、タイムテーブルをほとんど見ることなくゴールすることができた。日が昇ってからの2周目が灼熱で、ASごとに氷をいただいて頭や身体を冷やしながら進んだけれど、これが事前計画の疲労度の読みとぴたりと符号したみたい。

第10回 霧島・えびの高原エクストリームトレイル

ロングコース
距離: 約65.5km
累積標高: 約3,400m
制限時間: 14時間
目標:12:30:00
結果:12:49:37
km-effort換算ペース:7m44s/km-effort

スタートから50km地点までのうち体感9割が林道・ロード。AS毎のどの区間も、どーんと登ってどーんと下りてを繰り返す比較的シンプルなコース設計。そのおかげもあって54km地点のAS4まではオンスケジュールで進むことができたんだけど、最終区間の国立公園エリアで上り基調に大苦戦。それまで散々足裏と足首をいじめ続けた疲れが出たのかもしれないし、他2つのレースに比べると換算ペースがやや速かったのが効いたかもしれない。

タイムテーブル

大雑把に言うと、わたしがつくるタイムテーブルは「コース強度」と「自分自身の疲労度」を数値化することでASからASの区間走行ペースを計算し、関門を通過する時刻の目安を出しておくという仕組みを採用している(大雑把とは)。おかげでレース進行の上でいちばんタイトな関門がどこにあるのか事前に知っておくことができるし、そこをうまく通過する計画を立てることができるので、走力が低いなりにコース上でパニックになるということはあまり無い。

経験を積むにつれ、タイムテーブルの精度をあげるコツというか、言い換えると当たり外れが起きやすいシチュエーションが少し分かるようになってきた。このことは"きりえび"の新設コース区間や広島湾岸にさっそく活かしていて、具体的に言うとコースマップだけでなく、国土地理院地図をちゃんと見るようになった。それでもただの軽車道が舗装されているのかガレッガレなのか、縦走路の走りやすさは分からないから、写真や動画や口コミなどの現地の情報がとてもありがたい。試走する意味もここにあるんだろうなと思う。

きりえびA3〜4間の新設区間(一部)
片側に切れ落ちたイヤ〜なトレイルだろうなと
思っていたら案の定だったから笑って走ってた。

km-effort換算を活用してコースの違いに影響を受けない指標を使って計画を組み、制限時間までの余裕を可視化しておく。そういうことはもちろんスキルとして有効だけど、本当に大事なのは、タイムテーブルから外れたからといって一喜一憂しないこと。現場では計画と実際の差を把握して冷静に情報を処理したら、いったんそのことは忘れて前に前に進み続けること。このことを学んだから、少し強くなれたんじゃないかなと自信を持っている。
MMPのおかげ、モリ岡修造のおかげです。

補給のこと

エネルギー

制限時間いっぱいであっても体力的に余裕を残してゴールすることや、レース中に足攣りなどのトラブルを招かないこと。このあたりの秘訣が、運動量と補給量のバランスにあるんだろうなということを体感で理解しつつある。
エネルギーの消費量と補給量を事前に計算しておいて買い物をし、レースの後で食べたものと口にできなかったものを確認しておく。今のペースだと24時間そこらでは胃腸トラブルも起きにくいんだけど、味や食感の好みはあるし、シチュエーションによって補給しやすいものとそうでないものがある。

最近だと、序盤中盤終盤どこでもイケるANDO、上りの直前にさらっと飲み干せてすぐ出力を取り出せるGUリキッドエナジー、そして今夏のビッグヒット間違いなしのレモンわらび餅を気に入ってる。ジェル、固形物、水溶性リキッドなどなどハイブリッドな補給方法を突き詰めていきたいし、やっぱり食べるということを考えるのはとても楽しい。

補給食は予定のものを2〜3等分して袋に分け
ザックのサイドポケットに収まるくらいにしておくと調子が良い。

電解質

レース中のコンディション維持のためにもうひとつ拘ってきたのが、電解質の補給について。「ランニング中の発汗によって失われるナトリウムの量に対し、スポーツドリンクや有名どころのタブレットによる補給くらいでは供給が追い付かない」という前提で電解質を意識的に多めに補給することにしている。ちりちり頭の友人が言っていたことに同意して取り組んでいることなのだけど、おかげさまで3レースとも足が攣ることなく完走できたんだから効果は上がっているようだ。

わたしの手元には「電解質図鑑.xlsx」という自作のファイルがあって、スポーツカテゴリ内外の市販品の各ミネラル成分量・金額・単価なんかを調べた結果が表にしてある。あまりのマニアックさでとても気持ち悪い。コスパもよくお気に入りのアイテムも見つかったのでそろそろ探求の旅は終わりそうなのだけど、ぬちまーすと黒糖を使った経口補水パウダーの自作にも挑戦したいと思ってたりもする。

元はTwitterで見かけたものを真似させてもらった電解質図鑑
誰に見せてもロクなリアクションがない

すごく自信満々に語っているようだけど、先日のきりえびではゴール直前で一気に手指や口元にしびれの症状が出てしまったので、あくまで消費と補給(それと吸収も!)のバランスが大事だということは言い添えておかないと。熱中症がニュースでも取り上げられるようになって久しいけれど、脱水からくる熱中症は後遺症が残ることもあるから本当に危ないということを、このスポーツを楽しむ全員が心がけてほしいなと思う。


後編ではウェア・ギア編として暑さ対策やインナー周りの話、身体作り・トレーニング編としてダイエットとランニングデータや練習の話について書きました。前編同様楽しんでいただけると嬉しいです~!

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