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善悪と正誤

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君を食べる夢を見た

 「ねぇ。今日、しない?」

 「ん?」

 「“殺し合い”。しない?」

 「あぁ。うん、しようよ。」

 彼女は、セックスの事を“殺し合い”と呼ぶ。

 この“殺し合い”について話を受けたのは、僕が彼女に告白した時。

 「わ、私でいいんなら、ぜひ、宜しくお願いします」と言い、『君のこういう感じが堪らなく好きなんだよな・・・』と思いつつ「ほ、ホント!?ありがとう!嬉しい〜」と返すと、

 「で

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青白い春

 「ただいまー」
 防犯意識が高い僕は、いつものように玄関の扉を開けて言う。

 「はぁ、今日も疲れた〜」
 僕は新卒の社会人2年目。仕事が辛すぎて、下手すれば早期退職を決断してしまいそうな状態である。

 そんな僕は今日も、疲労のそよ風に乗って玄関からベッドへ飛んで行く。

 そしてベッドに着地し、いつものようにそのまま瞼を閉じようとした、その時。

 「おかえり。」
 どこか懐かしいような、で

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