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主夫(婦)をしながら何かをすることのしんどさ

この前、どうしようもない理由で保育園登園ができず、
ワンオペで子供2人を見ながら仕事などやろうとしていたのですが、
まぁしんどくてしんどくて・・・Twitterに吐露してしまいました。

せっかくなので、このしんどさがどこからくるのかを書いてみます。
(超長くなったので、後でnote2つに分けるかもしれません)

見えづらい主夫(婦)のしんどさ

主夫(婦)として家事・育児をしながら、それ以外の仕事や何か新しいことを始めたことがある方はお分かりかと思いますが、「お、おかしいな・・・こんなに時間が経っているのに・・・ま、まじで何も進んでねえし、もう何も考えられねぇ・・・」と、時空が歪んだことを疑うレベルです。

そして、この大変さが当事者でないと分かりづらいため、周りからのサポートもなく、孤独にこのしんどさと向き合わざるを得ない状況になっている方は多いかと思います。

私なりに少し整理することで、
当事者の主夫(婦)が自分はこんな理由で大変だったのかと認知できたり、周囲はこんなに大変ならもっとサポートできるかもと、少しでも相互理解が進んで状況が改善できたら良いなと思います。

このしんどさはどこから?私はやりたいことの中断から

冒頭でのしんどいエピソードは、急な在宅保育がきっかけでしたが、
根本的には以下の主夫(婦)が日常的に抱えるしんどさの種が肥大していったことが原因だと感じています。

  • 膨大なマルチタスクによる多量な決断

  • やむをえない理由によるやりたいことの中断

どちらも日々、身体より精神的に疲弊していき、
長期的にやりたいことを完結できない鬱憤が溜まり続け
どんどんソウルジェムが濁って 心が死んでいきます

主夫(婦)業、マルチタスク過ぎ?決断しすぎて脳がヘロヘロ

主夫(婦)業がマルチタスクであることは、それなりに認知されているのではないかと思います。

子供の登園の準備、朝昼夕食の準備、食材の買い出し、掃除・洗濯、予防接種の予約、習い事の送り迎え、家計の管理、日用品のストック管理etc

主夫(婦)業の色々なタスク-木村調べ

上記のように、プロジェクト管理や財務、調理など会社であれば大勢で分担する多種多様な業務が、主夫(婦)1人に集中します。(もちろん家庭により分担割合は変わりますが、主夫(婦)がその多くを負います)
もちろん、これらを実施していくこと自体も大変ではあるのですが、どちらかというとタスクをこなすことより、細かな決断を下し続けることがしんどさにつながっていると感じます。

細かな決断を繰り返すことによるパフォーマンスの低下

例えば朝に子どもが着る服を選ぶだけでも、その日の天気・気温、子どもの好み、上下の色の組み合わせなど複数の要因を検討し決断していきます。しかも、一度に決まれば良いですが子供に拒否されて何度もやり直すこともざらです。

このように、1つ1つは小さいことですが、それらを何度も短時間に行うことを常に迫られます。そして、以下の記事にもあるように、何度も決断することで起こる「決断疲れ」は思考のパフォーマンスを低下させます。

朝子供たちを保育園に送り終えた段階で、シャトルランの如く決断を繰り返し、脳みそはヘロヘロで「何も考えられねぇ・・・」から1日がスタートします。

そんな状態で何か別のことをしようとすると、
・思考を深く掘り下げられない
・今まで当たり前に考えられていたことが時間をかけても進まない

といったことが起こります。
その結果、何もアウトプットできていない、自分ってこんなダメだったっけ?と自分を責めて落ち込んでしまうことがあります。

でもそれは自分がダメになったわけではなく、
一時的にパフォーマンスが落ちているだけのことが多いと感じています。

常にやっていることが中断される 中世の拷問かな?

もう一つのしんどさの要因、日常的にやむをえない理由でやりたいことが中断されることは、「決断疲れ」よりも認知されていないように感じています。

中断は仕方ないけど、仕方ないけどぉぉぉ・・・

主夫(婦)は日々あらゆることで作業を中断され続けます。
在宅保育の場合は、常に万物あらゆる理由を創造する子供の呼びかけによって、数分の猶予も与えられません。

リモコンどこ?お腹空いた。はさみどこ?お姉ちゃんが打った!いま何時?お母(父)さんはいつ帰ってくるの?トイレいきたい。麦茶からっぽ。リモコンどこ?

絶え間なく創造される呼びかけの数々-木村調べ

子どもを保育園や幼稚園に預けている場合でも、お迎えの時間がきたら作業は否応なしに中断になります。また以前と違い、お迎えまでに業務にキリをつけなければいけない緊張感を常に抱えて働くことにもなります。

仕方がない、仕方がないんだけど、この誰にも責任がないけど中断される現象を受け入れ続けることが、少しずつ自分の尊厳をゴリゴリ削っていきます
尊厳というと大袈裟に聞こえるかもしれませんが、実際にこの状況に陥ると人間として当たり前に享受していた自由を大きく剥奪されているような無力感や諦めを感じる方は多いと思います。

また、この「誰にも責任がない」というところが、当事者が我慢し続けて、周りにサポートを頼みづらくなる要因かと思います。
仮に、お迎えで作業が中断されるのがつらいと訴えても、「でもそれは主夫(婦)であるあなたの役割だよね」と一蹴されてしまったら、何も返せなくなってしまいます。

例えば、会社で支給されたPCが急にシャットダウンを繰り返すものだったら、PC交換を願い出たり、会社に愚痴をいうことができます。
でも、主夫(婦)であることを受け入れたら、この中断の連鎖から逃れたり、訴えることができなくなってしまう。そんな状況が少なくないと感じています。

このしんどさから自分を守るためには

では、この2つのしんどさが要因から、どうやって自分を守っていけばいいでしょうか?
問題の性質上、根本的な解決は難しいですが、周囲の協力を得ることで
しんどさを減らしたり溜まりづらくすることはできます。

  • 決断を減らす

  • 主夫(婦)業から切り離された時間を作る

決断を減らす ルーチン化と外部委託

まずは、そもそもの決断の機会を減らすことを考えてみます。

ルーチン化

スティーブ・ジョブズが決断疲れを軽減するために、毎日同じ服を着ていたというのは有名な話です。

家事・育児でもできることはルーチン化し、決断の数を減らすのは有効です。とはいえ、タスク自体が多種多様なので、できるだけ自分が大変だと感じるタスクを減らすのが大事です。

私の場合、「夕食のメニューを考え、作り、食べさせる」ことが一日の中で一番大変です。すでに疲れ切った状態で、頭は全く動かずキッチンで動けなくなることもしばしばです。
なので、我が家では
・パルシステムのお食事セットを使う
  
毎週月火水は下処理済みの食材をレシピ通りに作るだけ
・一汁一菜を心がけ作る品目を減らす
  具沢山の一品があればALL OK
・配膳で取り分けずにまず大皿で出す
  お皿を選んで取り分けた後に「食べない」って言われるリスクを回避
などできるだけ決め事を減らすようにしています。

他にも、子供の着る服は子供が決めるなど、子供の自主性に任せることでも主夫(婦)の負担は減っていきます。ついでに(?)子供の自主性も育まれて一石二鳥です。

他にも、日用品のストックはアプリで管理するなど、ルーチン化の種は探すと色々あるので、ぜひ探してみてください。

外部委託

家事・育児のいくつかをパートナーや外部に任せるのも大事です。
その際に、思い切って権限も移譲することが大切です。
今回は決断を減らすことが目的なので、実務だけを渡しても主夫(婦)の負担はあまり減りません。タスクを渡すなら、いつ何を使ってどのくらいやるかということまで任せてしまいましょう。

中断のない世界へ 主夫(婦)業を捨てて街に出よう

これが一番重要だと思うのですが、週に1回でも自分だけの時間を作って、主夫(婦)業から離れてみましょう。

この際に「家から出る」のがとても大事です。

まず心の洗濯から

よっぽど身体に支障が出ていない限り、心のケアを優先するのがベターです。というのも、これまで書いてきたしんどさは主に精神的な疲労からきているからです。

せっかく自分の時間を作っても、家で横になっているだけでは心がリフレッシュされません。思い切って家を出ましょう。

パートナーが率先して外出を促す

そこでパートナーのサポートが大事になります。
主夫(婦)は、日々の疲れや目立ったアウトプットがない(と感じている)ことから、自分の時間が欲しいと言い出しづらいです。
できれば、パートナーから「ちょっと2,3時間、外出してきなよ」と声をかけてあげてください。

その際に、主夫(婦)は「特に出かけたい場所もないし・・・別に良いよ」と言ってしまいがちです。
ただそれは私の経験では、日常的に思考のパフォーマンスが落ちて考えられていないだけのことが多いかなと思います。

「歩きながら考えたら良いよ」とか、さらには「ここのカフェが雰囲気良いみたいだから言ってきなよ」オススメまで添えることができたらさらに良いと思います。

一歩家の外へ出て、家以外のものに触れるだけで、心はどんどんリフレッシュして生き生きとしてきます。例え週に1回でもそんな時間がとれたら、それを目標に頑張ることができたりします。

とにかく、普通に過ごしているだけでしんどさは溜まっていくので、我慢を続けないことが大事です。

まとめ

書き出したら伝えたいことが多すぎて、そろそろお迎えの時間がきてしまいそうです(中断の気配)。

つらつらと書いてきましたが、まずは主夫(婦)業が簡単なことではなく、とても大変で価値のあることだということを、本人や家族が理解することが大切です。
その上で、どうやって
・タスクを減らして「決断疲れ」を軽減する
・中断されない時間を確保して心のリフレッシュを図る

ことで、主夫(婦)のしんどさから自分を守るかを、家族と一緒に考えて実行いけたら良いなと思います。

今日はこの辺で、お迎えにいきます笑。
それでは〜

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