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インド水引交流旅1


さてインドでの話を下書きに保存したまま、更新せずに半年が過ぎた。急に思い立って続きを書く。
私をインドへ招いてくださったMさんはもう10年くらいインドに住んでいて、現地での繋がりも多いため、私の渡航に合わせてたくさんの方に声をかけてくださり、滞在期間中はワークショップを毎日のように開催し、想像以上の成果となった。
全ては一つ一つの出会いを大切にして誠実に人間関係を築いてこられたMさんの日々の積み重ねの賜物であり、感謝してもし尽くせない。

早速友人宅でワークショップ…とは言っても。

チェンナイへ到着した翌日、早速Mさんの友人宅へ集まりミニワークショップ。友人宅といってもホテルのレジデンス。セキュリティチェックを受けたあと、専用エントランスを通り中へ。 初めての経験にソワソワ。 この日はインド人の方もいらっしゃったが、通訳などをされている方たちで、皆さん流暢な日本語と美しいサリーの装いのギャップが凄かった。それにしてもすごい集まりだった。

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前のめりでメモを取りながら真剣に話を聞いてくださり、こちらも背筋が伸びる思いだった。こんなにも興味を持って聞いてくださって本当に嬉しい。


ショッピングモールで開催されたアートイベントへ。

タイミング良くMさんの友人が主催するイベントがフェニックスマーケットシティであり、絵画の展示やライブペインティング、伝統舞踊のステージなどを観賞。

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インドは広い。インド舞踊と言ってもたくさんある。様々な民族がいてそれぞれの舞があり、神様もたくさんいるので捧げる舞も違う。そして衣装やアクセサリーも様々。私は元々民族色の強いものが好きなので、衣装、楽器、舞踊と、観るもの全てが刺激になった。なんか私の感性にすごくマッチする。本当に至福の時間だった。
チェンナイにはカラクシェトラという伝統芸術の学校があり、インド全土から集まった生徒が舞踊や工芸など様々なダンスや技術を修得する。敷地内で週末開催されるマーケットはインド各地のものが売られていて楽しい。(不定期開催の可能性あり)


日本語学校を訪問

チェンナイでは歴史ある日本語学校ABK-AOTS Dosokai Japanese Language School へ。

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ABKで教鞭を取ってらっしゃるインド人の先生方と、サポートボランティアの日本人メンバーさんたちのミーティングにお邪魔した。
こんなにご参加いただけるとは! 20名を超える参加者で、私一人では完全にキャパオーバーでしたが、皆さん同じテーブルの人同士が助け合いながら進めていただき、最終的には満足していただけたようで何よりです。

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心地よい疲れと満足感で毎日ぐっすり寝て、モリモリ食べ、よく笑って健康的!

Japan Foundation 主催のワークショップ

南インドの日本語教育の拠点であるJapan Foundation South India よりお話をいただき、ワークショップを開催。

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習ったことのある日本語と手の動きを連動させながら覚えること、今まで聞いたことのない日本の文化を知ること、どちらも新鮮に感じたようで、この日も質問が飛び交った。
茶道、書道、着物など、長く日本語を勉強していれば、外国人でも「またそれか」と見飽きたような感じで反応が薄いんだそう。そこへ全く初めて聞く水引というものが来たので、どこの会場でも好評だった。そしてもう一つはインドにも結婚式にご祝儀を渡す文化があり、その習慣が日本のご祝儀文化とリンクして親近感を持って講義を聞いてくれていた。

ワークショップ&ポトラックパーティ

その日はMさん宅に友人を招き、水引ワークショップと持ち寄りランチ。

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花道の先生やラジオDJなど、この日もなかなか個性的な方々が集まって、日本語、英語、フランス語が入り乱れての楽しい時間となった。
「今日お招きいただいたのが嬉しくて!」と浴衣を着てきてくれた方もいた。
展示用に日本から持っていった水引作品をマジマジと眺めては写真を撮ったり、忘れないように何度も練習したり、水引アクセサリーを身につけてみたりと、皆さんすっかり水引の虜に。

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2日前のワークショップに参加された方がまた来てくださって、「あわじ結びとインドのビーズを組み合わせてアクセサリーパーツを作ってみたの!」と見せてくれた。カラフルな水引はインドのアクセサリーとも相性が良さそうだ。

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大学の日本語クラスでワークショップ

チェンナイ郊外のコラター湖という小さな湖の湖畔にある女子大Soka Ikeda College of Arts & Science for Womenの日本語クラスにお邪魔しました。

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今年で開学20周年を迎えるこの女子大にも日本語クラスがあり、日本人の先生が教鞭を取ってらっしゃる。
まだまだ女性の大学進学率が低いインドでは地方へ行けば行くほど、高校卒業と同時に結婚をする女性も珍しくなく、ましてや女性がわざわざ外国語を習うということに対して理解を示さない親も多いと聞いた。そんな考え方がまだ色濃く残る場所で一人で日本語教育を続けていくというのは本当に気の遠くなるような仕事だ。それでもそこで日本語教師になることを選んだ彼女は、1人1人に寄り添い生徒たちに愛される物腰の柔らかい女性で、すごい覚悟の人だった。
そして訪問した日は卒業式の3日前という多忙な時期だったにも関わらず、学長にもご挨拶させていただく事ができた。 ピリッとした空気の中、学長室に通されご挨拶と自己紹介をし作品をお見せした。するとそこから空気が一変し、笑みがこぼれた。これこそ文化交流の醍醐味。 お会いできて良かった。挨拶を早めに切り上げ私たちは教室に向かった。

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授業終了のベルが鳴り教室から教室へ移動する生徒たちが行き交うのを廊下から眺める。それにしても鮮やかなこと。いつまで見ていても飽きない。学生たちはバイク通学の子も多く、クルタという脇にスリットの入った半袖のTシャツにパンツスタイルが主流にのようだ。
ワークショップの準備をしていると生徒たちが入ってきた。ご紹介いただき早速レッスン。カラフルな水引の束と初めて見る水引作品にキラキラした目で視線を注いでいた。

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こちらでも手を動かしながら言葉を覚えるというレッスン。ゆっくり「右が上です」と言うと私に習って「ミギガ ウエデス」とみんなが声を合わせながら手を動かす。

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若い人はコツを掴むのが早い。あっと言う間に覚え、お互い作品を見せ合いながら和やかな時間となった。この日レッスンに参加した生徒の中から日本に留学に来たメンバーもいた。故郷の味が恋しかろうとインドのインスタントカレーをお土産に訪ねて行ったらとても喜んでくれた。その時も「水引は覚えてる?」と水引を渡すと「どうだったかな?」といいながら少しコツを伝えると思い出してすぐにあわじ結びを結びあげた。そんな彼女も先日卒業を迎えた。たった一度の授業だったけど、彼女たちの将来が明るく笑顔にあふれるものであるよう祈っている。

初めてとは思えない充実の10日間。

行く前は「10日間か。けっこうゆっくりできそうだな」と思っていた。行ってみたら10日なんて全然足りないと思うほど毎日がイベント満載だった。夢のような10日間だった。見るもの聞くもの食べるもの触るもの、いろんな情報と経験のシャワーを浴びて、エナジーチャージできた。 不便な事も危険な事もあるけど、私の初めてのインド滞在を心から歓迎してくれ、身の回りのことから健康面まで気を遣い、様々手配してくださったMさんに改めて感謝したい。
こうして私の初めてのインド旅は無事に幕を閉じた。アウェイな場所に行って客観的に自分を見て、私は水引に出会えて良かったと改めて心から思ったし、これからも続けていこうと思った。水引が引き寄せるご縁に導かれて、これからどこへ向かうのか楽しみ。

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