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旅だ inベルリン ⑤

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ベルリン滞在中の交通手段は
主に地下鉄なので、駅にて1日フリーパス券の
Tageskarte(ダーゲスカルテ)を買う。
これ1枚で、Uバーン(地下鉄)Sバーン(地上鉄道)ともに、どこでも自由に乗り降りできる。

さっそくホームに降りて
目的地のクロイツベルクへの電車を待つ。
ドイツの鉄道には、改札がなく信用方式だ。
ゲートはあるが、日本のように駅員さんがいたり
切符をマシンに通したりはしない。

きちんと切符を買うのは当たり前、
だから誰に止められることなくスッとゲートを通り、
サッと電車に乗れる。
(そのかわり抜き打ちで検札があり、
電車内で切符のチェックを受けることがある)
実に効率的でスマート。

しかしこのスマートさが仇となり、
あとでとんでもないことになるなんて。


クロイツベルクは、トルコからの移民がたくさん
住んでいて、トルコ料理やドライフルーツ、
ドライナッツや雑貨など、
トルコ文化満載のお店が軒を連ねている。
ベルリンにして異国情緒たっぷりの雰囲気を
味わうことができる楽しい地区だ。

ドライフードが大好きなわたしは
さっそくそのお店に入り、
大きな透明のケースにナッツやドライフルーツが
ぎっしり詰まってずらりと並ぶのを見て
テンションが上がる。
アメリカでよくある、ジェリービーンズやm&m'sが
入っているお菓子屋さんと同じ要領で、
多種多様のドライフードが売られているのだ。

かぼちゃの種、松の実、ピスタチオ…
日本では高い品々が、手頃な価格で買える。
感涙を抑えて色々と選び、ほくほくで店を出る。


小さなギャラリーをのぞき、前衛的なアートを見たり
トルコ人の若いにいちゃんが手作りしたという
きれいな色のトートバッグを買ったり
屋台でランチを食べたりして、
クロイツベルクを楽しむ。

ただ、歩道の至るところに犬のフンが落ちていて
足の踏み場がないくらいなのが、玉にきずだ。
ドイツでは、飼い主がフンを片付けていく文化が
根付いていないらしい。
街角のポールに、これで片付けてねと言わんばかりの
フン専用のビニール袋がかけられているが、
一向に使われた形跡がなく
たっぷりと残っていることが多い。

この旅で、おそらく一生分の犬のフンを踏んだ。


次の目的地に行くために、再び駅へ向かう。
book&galleryのお店で、夫が気に入っている、
またベルリンにきたら行きたいと言っていた店だ。

1日フリーパス券を持っているので、
そのままゲートを通り、電車に乗る。
車内の様子を見るともなしに見ていると
向こうから2人組の検札官が、
乗客の切符のチェックをしているのが見えた。

検札してる、と気付き
わたしたちもすぐに出せるように用意した。
検札官は英語で「切符を見せて」と言うので出すと、
切符を一瞥し「次の駅で一緒に降りろ」と言う。

きちんと規定の金額を払って購入したのに何で?
と思いながら、心臓バクバクである。
冷や汗を垂らしながら次の駅で降りる。

目的地の駅ではないホームで、検札官は宣告した。
「駅で切符を買ったら、券売機のとなりにある打刻機で、時刻を印字しなければならない決まりだ。いかなる理由があっても、打刻なしの切符で乗車したものは罰金である」

アタマ真っ白、である。
日本にはないことなので、
打刻のルールを知らなかった。
切符を買えば、それでもう
自由に乗って良いものだと思っていた。
もっとしっかり地球の歩き方を読んどくべきだった…
と思っても、後の祭りである。


ちなみに、夫は2度目のベルリンだが、
前回は滞在が短く、
たまたま検札に合わなかったらしい。
夫よ、前回も違反ではないか。

罰金は60ユーロ。
これも定番で、決まっているらしい。
日本円にして、8000円くらいである。
痛い…心も金額も…
違反は違反なので、
きっちり支払いすごすごと立ち去る。

最悪の気分である。

こんな気分のまま、目的地に行くのは気が進まない。
ちょっとコーヒーでも飲もう。
ということで、目に入ったスタバに入る。

このスタバが、最高だったのだ。

つづく。

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