石神井公園サイクリングで、理想の暮らしに思いを馳せた

石神井公園駅から長距離サイクリングをスタートした。いつもは、土日にサイクリングするのだが、珍しく平日に走ったので、街の空気がゆったりとしていた。

石神井の豪邸エリアの今


石神井公園駅と言うだけあって、石神井公園と言う名前の公園がある。公園を中心に豪邸が立ち並んでいる。最近では、豪邸の維持費がかさむためか、はたまた相続税の関係なのか、豪邸や高級マンションを壊して、売却されている土地も目立つようになった。

豪邸街とは対照的な街の影


今回は石神井公園方面とは逆の方向の川沿いに自転車を走らせた。すると、川沿いに延々と続く、古びたUR団地が続々と出現した。川の両側に立ち並ぶ団地は、おびただしい数なのにひっそりと息を潜めている佇まい。外壁も剥がれペンキがめくれ、錆が目立ち、手入れ不足のように見えた。だけど、駐輪場に停められた自転車の数を見る限り、そこに暮らしている人の息遣いが感じられた。

都心にもそこそこのアクセスが良く、駅からも近く、家賃も高額ではないゆえに、同じような収入を持った人たちが住み続けているのかもしれない。

一度住み続けると、引っ越しが億劫になり、腰が重くなる気持ちはよくわかる。

2022年から続く大家さんのトレンド


私もこまめに賃貸物件を閲覧しているが、心ときめかない物件ばっかりでため息が漏れそうになる。
社会情勢の影響で、大家さんはなかなか家賃を下げないのに、家のコンディションが悪いまま貸出そうとしている。お風呂やトイレも古いままだし、畳をフローリングにしないし、自分でDIYをする大家さんもいる。
家主は、自分が住むわけではないので、暮らしづらい部屋でも、住所が都会であればワンチャン借りたい人がいると考えているのであろう。

住む人の自由度

借りる側は、弱い立場のように感じてしまう。もちろん契約してしまえば、家主よりも借主の方が権利が上になるようだが、部屋のリフォーム等は、あくまでも家主さん次第なので、自由度が下がってしまう。
こうなると、やっぱり自分の持ち家は維持費がかかったとしても、自由度の上では比較ができないほど高い。

ありがたいことに、現在の私は切羽詰まって引っ越さずに済む状況なので、ゆっくり探すことができるのが幸いだ。

URの手入れからわかる街の方向性

最近いろいろなUR賃貸物件を目の当たりにしてわかってきたことがある。

50年たっても手入れをされた外観のUR物件がある街は、おそらく高齢者がたくさん住んでいるということだ。
若い人よりも高齢者がたくさん住んでいるので、その街での金銭消費が増えるから、自治体側も彼らが引っ越さないように、定期的に丁寧なリフォームが行われているのだろう。
それはつまり、街のブランド価値をあげることに消極的で、その街でお金を生み出すビジネスが少ない街ということなのかもしれない。

石神井公園のブランド戦略

石神井公園のようなまぁまぁ豪邸も集まるエリアがある場所は、街のブランドイメージを富裕層に合わせていきたいのだろう。
そのため、石神井公園は早く滅んで欲しい古い都営住宅には、財政を最低限しかお金をかけないのだと思う。
団地の前の川沿いはウォーキング出来るように舗装されているが、なんとなくうっそうとしていて薄暗い雰囲気が漂う。それでもそこを自転車で通り過ぎたが、カラスと鳩の抜け落ちた羽が絨毯のようになっていて、実際に不潔だった。ダニがすごそう。二度と通りたくないと思った。

近隣の民度が高いと、こういう不潔な場所は、苦情の対象になり、比較的すぐ対処が行われるが、住人たちは文句を言わないのだろうか?それとも諦めているのか?はたまた意図的に行政が無視しているのかもしれない。

あのおびただしい数のマンションが壊されれば、間違いなく新しい巨大マンション群が立つだろう。そして収入の多い子育て世代が引っ越してくる。

つまり、住人が住みづらいようにしている。けど、意外と出て行く人がいないので苦戦中なのであろう。10年前の等々力渓谷に近い都営団地のようだ。いまは壊されたので実証済み。

先取りして新築マンションが建つエリア

実際、上石神井公園駅に近い場所は、古い都営団地が壊されて、巨大な、新築マンションが建設中だ。

そこから遠くない場所に、近頃、芸能人に人気の大型植物販売ストアがある。それも強引に売りの1つにしているだろう。
だけど、23区の本当の都会に住んでいる芸能人が、わざわざ郊外に来てまで植物を買う必要があるのだろうか?
車でも遠いので、何かマージン等のメリットがあると邪推してしまう。

もちろん、この新築マンションも50年後には負の遺産となるであろう。だけど、今、石神井公園の新築マンションを買う人たちは、50年後の状態まで考えて買う人って少数派なんだろうなぁ、きっと。

本当はどう暮らしたいのか?

憧れの暮らし方をしておられる著名人を見つけた。
彼らの本を読ませていただいて、その暮らしぶりを伺い知り、私も実現できたらどんなに素敵かと思っている。

ひとりめは養老孟司先生。


「バカの壁」を出版された頃から提唱されていた、田舎と都会の2拠点生活だ。

コロナになってから、2拠点生活が取り上げることも多くなったが、実際に実現している人は少ないのではなだろうか。
実現している人は、
資金源が豊富にある人
何らかの形で家を相続した人
など比較的生活にゆとりがある人に多いイメージだ。

私も、都会と田舎で2拠点生活を二年間していたが、実際にやってみると、2つの住居を行ったり来たりするのは、精神的にも体力的に大変だった。
私がそれを実行していた時は、プライベートでも仕事でも混沌の時期にあった。そのため家の中がカオス状態だったので、どちらの家にいても精神的に落ち着くことができなかったのも大きい。

おそらく2つ住まいで幸せに暮らすためには、両方の家が快適な住居やインテリアである必要があると思った。

さらに、実は一番大切なのは、精神的なゆとりが必要なんじゃないかと予想する。

精神的にゆとりを持ちつつ、自由に行動できるために必要なこと

①自由に動ける資金源
②心のゆとり

上記の2つを満たしているであろう養老先生のような2拠点生活を将来やってみたい。

もう1人の憧れるライフスタイルをされている方は、
職業小説家の村上春樹さんだ。

村上さんの実践的エッセイを拝見したり、様々な情報を拝読していると、あまり一カ所に定住はされないようだ。

若い頃はお金に苦労も絶えなかったようですが、国分寺や千駄ヶ谷でジャズ喫茶を営まれており、小説家になられてからは海外で数年ずつ暮らしておられたとのこと。また、すでに売却済みとのネット記事もあったが、逗子に一軒家を建築され、村上さんの日課であるランニングをされている姿も日常の風景にあるという。

土地に執着せずに、自分の生き方にあわせて場所を変える暮らし方に、私も強く共感する。

定期的に環境を変えるせいか、 村上さんのインタビュー記事やラジオ番組を拝聴すると、脳内が常にアップデートされて、年齢に関係なくフレッシュな感性をお持ちな印象がある。

村上さんは人間が好きじゃないように感じられた。人間に興味はおありだと思うが、日々顔をつき合わすような密着した関係は、嫌いなようにお見受けした。それは村上さんの小説にでてくる登場人物にも現れている。

私も全く同じ性質があるので、自分の都合にあわせて、厚かましくも村上さんにシンパシーを感じてしまっているのかもしれない。しかし、状況とお金が許せば、私も自由にいろいろな国で住み替えていきたいと思う。

人間はせいぜい100年ぐらいしか生きられない。地球の寿命をNHK「紅白歌合戦」に例えるなら、最後のフィナーレで歌手が手を振るシーンの1秒くらいだ。たった一瞬にも思える人生を生きる間、いかに自由に行動できるかで、人生は大きく変わってくるんじゃないかと思った。つまり環境を自分の意思で自由に選び取れるということだ。

さらに、素敵な住宅を確保するのよりも前に、誰と一緒に住むかの方が重要なのかもしれない(もちろん一人でもいい)。そして近所に住む住人の精神性も、幸せな暮らしを実現するのに必要不可欠だと思う。
結局は自分の価値観と似たような人が住んでいる「ゲーテッド・コミュニティ(敷地をフェンスなどで囲み、住民以外の敷地侵入を制限してセキュリティーを向上させる住宅地)」を作るのが安心なのだろうか。なんだかそれも息苦しい気がするが、ロサンゼルスの富裕層や有名人が暮らす街ではめづらしくないようで、興味もある。だが、陽気な気候にあるという点も魅力の一つになっている気がする。

仮に、近隣住民に奇行を繰り返す人がいたとしても、その場所をすぐに引っ越すことができたなら、また金額を気にせずに家を選べれば、引越す前からあれこれ心配しなくて済む。嫌ならすぐ住み替えればいい。

住まいの自由度があがるには、 現在の不透明な、家賃価格の設定と住んでいる人の直和乾燥が見られるシステムが必要に感じられる。
近隣の家賃と相場合わせて、不動産屋が勝手に人を決めるシステムは、もう崩壊してもいいと思う。早いところ、アマゾンで賃貸不動産も販売するようになって欲しい。そうすれば、アマゾンのレビューに 住人の住み心地が、正直に書かれて、住みづらい家は誰も住まなくなり、淘汰されるだろう。適正価格を支払って安心して暮らせる賃貸物件のシステムを作ってくれることを願うばかりだ。またそのシステムを作られて困る不動産会社と癒着した国のシステムも崩壊して、新たなビジネスモデルが展開されたらいいなと思う。

それまでは自分の動物的な勘で安心な家を探していこう。

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