毛巣洞の手術と入院体験談

2018年の11月ごろに、おしりの穴と尾骨の間の位置に、デキモノができて、破裂して、またデキモノができて、、、の繰り返しが2週間単位で起こりました。そのうち治ると思っていたものの、いっこうによくならず、逆に痛みの範囲が大きくなっているように感じて、病院へいくと「毛巣洞」と診断されました。

このnoteでは、毛巣洞の手術入院の体験談を語っていきます。自分が症状をネットで調べたときには、治療費の明確な情報さえなかったので、今後毛巣洞になった人にとって、少しでも役に立てば良いなという気持ちで書きました。

これを書いている手術の3ヶ月後の今、全く不自由なく生活しています。これも、早めに病院へ行けたからです。まだお医者さんに診てもらっていない方で、自分の症状と似ていると感じたらすぐに病院へ行きましょう。毛巣洞は悪化していくもので、手術しなければ治りませんので。

毛巣洞とは

毛巣洞(もうそうどう)とは、おしりの割れ目の上付近に生えている毛が、皮膚に突き刺さって、皮膚の下で毛が塊となって巣を作る病気です。先天性と後天性の2つがあり、後天性の場合は毛深くて太っている人になりやすいようです。私は後天性で、毛深いのは当てはまって、太ってはいませんが毛巣洞になりました。(毛深くなくてもなります)

私の体験した毛巣洞の症状として、椅子に座ったり仰向けで寝たときに、激痛が走って、確認するとぷっくりデキモノのようなものが尾てい骨らへんにできていました。そのまま生活していると、膨らんだデキモノが破裂して、膿や血が出てきます。破裂した数日後にまたデキモノができるという繰り返しをしていて、ネットで調べると毛巣洞という病気っぽいとわかり、実際病院でも毛巣洞と診断されました。

完治するためには手術が必要で、お尻をえぐります。病院へ行かず放っておくと、どんどん毛巣洞箇所が広がっていき、皮膚箇所だけえなく筋肉部分にも広がって、手術箇所が広くなったり、手術後の完治までの期間が長くなったり、完治しても動きにくくなったりするみたいなので、毛巣洞の疑いがある方は、今すぐにでも病院に行くことを強くおすすめします。毛巣洞は形成外科に行きましょう。

毛巣洞で入院するまでの通院

毛巣洞の最初の診断が2018年11月14日で、入院は2019年1月7日。すぐに入院ではなく、毛巣洞の腫れが治まるまで鎮痛剤(?)と塗り薬をもらって、安静に生活しながら、2週間に1回くらいのペースで通院しました。

・通院回数:5回くらい
・通院合計費用:2万円くらい
・入院までの期間:約2ヶ月

毛巣洞での入院について

入院のスケジュールは、1日目の朝10時に入院して、2日目の朝9時に手術、3日目~最終日は、手術後の腫れや体調不良の管理のために入院といった感じです。

病室には4人部屋(無料)と、個室(有料18,000円/泊)の2種類があったので個室を選びました。個室でなくてはいけなかったのが、4人部屋だとパソコンの使用が制限されてしまうので、仕事ができなくなってしまうからです。

・入院期間:9日間
・病室:個室
・入院費:18万円(個室代)

個室高い。

毛巣洞の手術について

・手術費:21万
・手術範囲:2cm x 5cm
・麻酔:全身麻酔
・術式:たぶん開放術

毛巣洞についての論文を少し読んでみると、毛巣洞の手術には「切除して縫合する方法(閉鎖術式)」「切除して縫合しない方法(開放術式)」の2つがあるようです。私の場合、先生に詳しいことは聞いていませんが、手術後の手術箇所を見ると縫合はしていないので、おそらく後者だと思われます。後者のほうが、再発率は低いですが、えぐった部分を皮膚が覆って治るまでに時間がかかるようです。担当の医師からは再発率が低くなるので、縫合しないほうがおすすめですと言われたので従いました。

手術前後の流れ

まず手術前日に全身麻酔の説明を受けるため、栃木から東京へ妹が病院へ駆けつけてくれました。ちなみに妹は看護師です。手術当日は担当医師からの手術の説明のため、今度は栃木から母が来てくれました。母親もまた看護師。さらに彼女も看護師なので、看護師に包まれた手術入院でした。

手術前日の21時から食事制限がかかり、手術当日の朝の7時からは水分摂取禁止になりました。当日、手術室へは自分の足で行き、手術台に仰向けになり、麻酔の注入をされて眼の前がゆらゆらしたと思ったら意識を失いました。確か気づいたときは病室に戻っていて仰向けで眠っていました。眠っていたのであっという間でしたけど、手術から3時間経っていたと思います。

毛巣洞の手術箇所のおしりは特に痛みはなし。酸素マスクを口に付け、尿道に放尿用の管が刺さっていて(男性)、点滴が打たれ、手術箇所からドレーンという血の吸引器が付けられていた状態で、手術後の1日を過ごしました。この日は、横向きで横たわったままでしか眠れず、肩と腰の痛みにより体が悲鳴を上げていたので、2,3時間おきに目が覚めてほぼ眠れない夜を過ごしました。

手術の次の日、尿道の管を抜き、その次の日点滴が抜かれて、うつ伏せの姿勢もできるようになり、かなり楽に眠れました。また、食事もとりやすくなりました。ただ、このときの尿道の管を抜いたときは、死ぬレベルの痛みでした。後述の「毛巣洞手術後の入院生活で辛いことランキング」で解説します。

ちなみに手術直後の毛巣洞箇所の写真を見ましたが、赤い肉がむき出しなのでグロかったです。

手術後の入院生活

手術後は、毛巣洞手術箇所の皮膚が引っ張られないよう、膝を固定して曲げられなくするギブスみたいなのを常に付けての生活。術後1~2日はベッドの上のみの生活で、少しずつ立って歩いたりしてよくなります。でもこのときも膝を曲げてはいけないので、ベッドから降りたり、登ったりするのが少し大変。前かがみにもなっちゃいけないので、パンツやズボンの着替え、足の体拭き(シャワー浴びれない)は看護師さんにやってもらいます。

入院中の一日は次のような過ごし方。

・7時:起床
・8時:朝食・薬
・9~12時:パソコン
・12時:昼食・薬
・13~18時:パソコン
・18時:夕食・薬
・19~24時:パソコン
・寝る

パソコンと書いてありますが、実際には途中でだるくて寝たりします。手術後、常に血が出てたり、平熱が37度になったりするので、体が疲れやすく寝ます。人は怪我(手術)すると熱が出るらしい。睡眠中も姿勢が基本左横向きか、うつ伏せかなので、体が痛くて睡眠不足になっているのも疲労感の原因のひとつにあるでしょう。

入院していて気になったのは、とにかく病室は人の出入りが多いこと。看護師さんが1日5回くらい来て、医師が1回、貸出の病院服回収1回、部屋のゴミ収集1回、部屋の掃除1回、売店販売1回、食事運びと回収6回、ナースコールを押した回数、、なので、1日15回くらい病室に人が来ます。ベッドの上で排便中でも来るのでプライバシーがなく、精神には少しよくないかなと思いました。仕方ないけど。

毛巣洞の手術入院で辛いことランキング

【1位】尿道に刺した管を抜いたときの痛み
 交通事故で轢かれたり、川に流されたり、落ちたブロック塀で足を骨折したりしたことあるけど、尿道から管を抜いたのは人生で最大の痛みだった。管を抜く前に看護師さんに痛いのか尋ねると「ちょっと違和感あるかもしれません」と言われたが、違和感とかそういうレベルではなくて、大人なのにうめき声を上げ、目の前が真っ白になり、立ってられず、95%意識を失ってベッドに倒れた。まじで一生味わいたくない痛み。

全身麻酔で1時間以上かかる手術の場合避けて通れない道です。何が起こっているのかを解説した他の方の引用も載せておきます。男性は覚悟してください。

女性はたいした痛みもなく、スッと抜いてもらうことができるようですが、男性はそうはいきません。S字型に曲がって20cm近くも長さがある尿道の中に、尿道の太さいっぱいに合うように寸法を選んだカテーテル(カテーテルと尿道壁とのあいだに隙間があるようでは、そこから失禁が起こってしまうから)が挿入されているのを、引っこ抜かれるわけですから、カテーテルは尿道壁をこすりながら動くわけです。このときの痛みが尋常ではないうえに、その抜去の際に多かれ少なかれ擦過傷を受けてしまう尿道粘膜が、その後、排尿のつど、ひりひりと灼けるような痛みを生み出し、それが二日ぐらい続きます。
引用:尿道カテーテルは男性が絶対に不利

【2位】管を抜いた後の排尿の痛み
 管を抜いたことで尿道が傷ついて血が出ていた。その中を塩分混じりの尿が出るんだから、傷に塩を塗っているようなものだし、尿道だからなお痛い。でも出さないと膀胱が破裂する。涙目になりながら、勢いを付けすぎないようちょろちょろ排尿をした。痛すぎて呼吸をしていなかったせいで、立ちくらみになり、再度ベッドに倒れる。

【3位】下剤による腹痛と下痢
 手術前日に飲んだ下剤が、普通なら前日に効くのに、手術後の身動きとれないタイミングで効いてきて生き地獄だった。

【4位】排便の姿勢がベッドの上で仰向けなので踏ん張れない
 差し込み便器と呼ばれるものの上にお尻をおいて排便をするので、全く力めず便秘気味になり辛かった。

【5位】排便の匂いが部屋に充満してつらい
ベッドの上で排便して、おしりを横に向けてトイレットペーパーで拭くので、横向いている間、便がもやもやと部屋の空気を汚染する。もし4人部屋だったら他の人にも匂いが伝わってしまうと思うと大変そう。

【6位】プライバシーがない
排便や放尿中でもお構いなしに看護師や清掃員が入ってくるし、いつ入ってくるかわからないからプライバシーがなく、人間の尊厳を少し失った。

【7位】熱が高くて常にだるい
毛巣洞をえぐった箇所は皮膚がなく、人工真皮をあてているので、体は大怪我をしている状態。調べると、人間の体は怪我を治そうとする物質が熱を発するので、大怪我をしている私の体は常に平熱の0.5~1度高く、37度になった。若干頭がふらふらするのが続く。

【8位】病院食が味気ない
うつ伏せで排便をするので、便が固くなってしまわないよう、消化の良い食べ物が僕のおぼんに並ぶ。汁物が中心で、毎回のおかゆに加え、味噌汁、フルーツジュース、お茶、おでん、離乳食の剃ったりんごなど。特に食感のおもしろさもないおかゆがつらい。あと、めっちゃ小便が出る。

毛巣洞での手術や入院を控えている人に伝えたいこと

もし毛巣洞かもしれないけど、まだ病院行ってない人はすぐに行ってください。手術でしか完治しませんし、どんどん悪化していくので。

毛巣洞の手術入院を控えている方は、手術自体にそんなに心配はいらないです。手術後、寝たり、立ったり、歩いたりしていますが、全く手術箇所が痛くありません。見た目はグロいですが。男性の方で全身麻酔する方は、手術後の尿道に突っ込んである管を抜くときだけは覚悟をしてください。

その他、入院生活のクオリティを上げるために、持っていったほうが良いものを紹介します。

【持っていったほうが良いもの】
・箱ティッシュ
 何かと使うから必須
・ふりかけや韓国のり
 味気ないおかゆに味付けをする
・ガム
 食後毎回歯磨きできるわけではないので
・洗面用具(コップ・歯ブラシ・化粧水など)
・かかとのある室内履き(例:体育館シューズ)
 手術後立って歩くとき転ぶ心配を軽減
 ※手術後は膝を曲げられない

手術後の経過

毛巣洞の手術の3か月あとの、2019年4月現在、通院の間隔は1か月から3か月になりました。今は再発防止のために、他の病院で、レーザー脱毛を行っています。脱毛は必須ではないものの、やっぱり手術怖いので脱毛の道を選びました。

初めてレーザー脱毛を経験していますが、レーザー脱毛も痛いです。例えるなら、ピザを切り分けるローラーで、おしりを切り刻まれる痛みです。終わったあとに、「血出てないですか?汗」と聞いたぐらいの痛み。実際には赤くもなっていませんでした。

【レーザー脱毛の概要】
・1回8,000円
・回数:月1回
・期間:3か月〜半年 ※人による
・保険は降りない

思ったよりもちょっと高いですね。毛巣洞の手術をしてもらった病院の先生に、脱毛費用聞いても答えてくださらなかったので、上記の金額を参考にされてください。

これを書いている現在は、まだ1回目しかレーザー脱毛していないので、まだ最低2回はあります。毛巣洞が再発しないために、頑張ってきます。

余談

本編は異常です。ここからは個人的な感想を書きます。

【看護師の彼女に感謝】
今回入院した病院は、看護師である彼女が務めている病院だったので、彼女が仕事のあとや休み時間に病室に来て、手厚い看護してくれたので大変助かりました。特に、入念な体拭き、ふりかけなどの差し入れ、洗髪をしてくれて、快適な入院生活を送れました。休みの日にも来てくれて、毎日来てくれていました。

【家族に感謝】
栃木から来た母と妹、心配をしてくれた家族一同に感謝。特に、母が私の保険を払っていたらしく、入院費用の負担を大幅に減らしてくれて感謝。治療&入院費で40万円かかりましたが、20万円戻ってきました。

【個室で良かった】
1泊18,000円もする個室ですが、個室でよかったと思います。理由は、パソコンができる、消灯の自由権、人の気配なく落ち着ける、排便の匂いに気を使わない、看護師の格好のまま彼女も来れる、などが挙げられます。

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