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夏の終わりに

まだまだ暑いけれど、お盆を過ぎた頃から、朝晩は少し過ごしやすくなって、真夏はもう終わったのかなあと思う。

夜、仕事から帰るとき、あんなに蝉が鳴いていたのに、今は澄んだ虫の音に変わっている。
子どもたちはあと少し夏休みがあるようだけれど、大人である私の休暇はあっという間に過ぎ、今はすっかり平常モードだ。
休みのうちにたまった仕事が押し寄せてきて、溺れそう。こんなことなら、休みなんてないほうがよかったと思ってしまうくらい。でも、やっぱり休みは必要なんだろう。

働いて、働いて、死ぬのかな。
通勤列車に揺られながら、最近よくそんなことを思う。
生きるために働くのか、働くために生きるのか、なんだかよく分からなくなってきた。

今年は、夏休みを利用して、久しぶりに帰省した。祖母と母の畑で、オクラやトマト、キュウリをとる。オクラの花は、朝だけ咲くのだそうだ。優しいレモンイエローの、可憐な花だった。短歌にしたいなと思っているのだけれど、なかなかうまくいかない。
美しい思い出を、歌のなかにおさめて、時々取り出したい。

こんもりと盛ったごはんを仏壇に  みんなみんな、いってしまった
(2023.8.26日経歌壇・穂村弘選)

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夏の思い出

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